春の日/今日の俳句 ≪第2466号≫
≪2017年(平成29年)4月9日(日)≫(旧暦3/13)
白波と春日漂ふ荒れ岬 桂 信子
春の日の南中にあり千曲川 米島艸一路
春の日のぽとりと落つる湖のくに 岸田稚魚
母通る枯草色の春日中 飯田龍太
大いなる春日の翼垂れてあり 鈴木花蓑
※ 春の日・春日・春日(しゅんじつ)・春日影
春の一日と、春の日光と二つの意味がある。前者は、のどかな春の一日であり、後者は、暖かい春の日差しである。
【新訂「現代俳句歳時記/石田波郷・志摩芳次郎編」主婦と生活社より抜粋】
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※☆*わが友に贈る*☆※
創価の「負けじ魂」は
人類の希望の哲学だ。
広布と人生の坂を
勇敢に越えゆけ!
青年よ 不撓不屈たれ!
2017年4月9日
※☆*寸 鉄*☆※
東西創価学園で入学式。舞台は世界!学び鍛えて創立者が開いた道に続け
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釈尊は「自分から語り掛ける人」仏典。挨拶一つも大事な外交戦。爽やかに
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人生とは完成目指す努力の中に―文豪。前進こそ勝利。目標を明確に挑戦
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「親孝行したい」と思うもできない人多しと。まず言葉に。心は伝えてこそ
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春の新聞週間。機関紙を支える皆様に感謝。紙面・ウェブサイト充実を益々
※☆*名字の言*※
120年ほど前の日本では、まだ女性に開かれていなかった新聞記者の道を、自らの努力で勝ち取った羽仁もと子さん。後年、教育家となり、ユニークな教育方針の一つとして「靴をそろえて脱ぐ自由」を強調した
▼
「脱いだ靴をそろえなさい」という強制ではなく、“そろえない自由”も選択肢に示し、自由の真意を考えさせたかったのだろう。自由は自分勝手とは違う。自ら考え、選択し、その結果を引き受ける責任が伴う。それゆえ、問答無用でやらされるより、成長のチャンスは大きい
▼
かつて、信心に消極的だった壮年部員が病を患い、失職した。気ばかり焦るが、もがくほど泥沼にはまり、生きる気力さえ失いかけた。その時、母親が優しく言った。「お題目をあげてみるかい?」
▼
壮年は述懐する。「いつもなら、『勤行しなさい!』と叱りつける母の言葉に“もう信心しかない”と腹が決まった」。真剣に祈る壮年に、母の涙声の唱題が重なる。その後、体調を取り戻した壮年は、再就職を果たし、今、地区部長として活躍する
▼
信仰や生き方は本来、本人の自由である。“これしかない”と自ら選択してこそ、真剣に自分と向き合える。強制するのではなく、背中を押してあげる。これが、人を救うということだろう。(城)
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春の夜/今日の俳句 ≪第2465号≫
≪2017年(平成29年)4月8日(土)≫(旧暦3/12)
枝すでに後悔のいろ春の夜に 中田 剛
並べ売る数珠も春夜の街の栄 西村公鳳
吾子あらず妻が春夜の冷えをいふ 川島彷徨子
春の夜のはたてにまはる燈台あり 篠原 梵
春の夜は指のとげさへうづくもの 林原耒井
※ 春の夜・夜半(やわ)の春・春夜(しゅんや)
春の日が暮れて間もないころを春の宵といい、それが更けると春の夜となるのである。夜半の春といっても意義はほぼ同じであるが、感じからいうと、単に春の夜というよりも一層更けわたった夜中の気持がするようである。
【「現代俳句歳時記(春)/角川春樹編」(角川春樹事務所)より転載】
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※☆*わが友に贈る*☆※
車を運転する際
飲酒や携帯使用は厳禁!
法令を守って安全に。
油断・過信・疲労など
心の隙に魔が競う。
2017年4月8日
※☆*寸 鉄*☆※
学会員は一人に焦点を当て、励ます「良き市民」―市議。地域照らす太陽に
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大関西が動けば日本が動く。師弟共戦の常勝史を今再び!きょう関西の日
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御書「月月・日日につより給へ」。これぞ学会精神。戦い抜く人に栄冠は輝く
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寒暖差や生活の変化がある4月は脳梗塞等に注意―専門家。リズム整えて
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中学生の英語力が調査以降、初の低下と。語学は世界への旅券。大いに学べ
※☆*名字の言*※
週末に降る雨を喜ぶ人は、そう多くはいないだろう。桜まつりなどイベントが多いこの時期だと、なおさらだ。今日・明日の予報では、全国的に“傘マーク”が目立つ
▼春の雨にはいくつも異称がある。その一つが「育花雨」。花の生育を促す“恵みの雨”との意味で、仏教にまつわる故事から生まれた。4月8日に釈尊が誕生した際、仏法を守護する八竜王が喜びのあまり、「甘露の雨」を降らせて祝福したという伝説だ
▼「雨は花の父母」とのことわざもある。子どもたちが、“成長”という名の花を命いっぱいに咲かせる入学シーズン。わが子の産声を聞いたその日から、励ましの陽光と慈雨を一心に注ぎ続けてきた家族の感慨は、ひとしおだろう。御書に「一には父母の恩を報ぜよ」(1527ページ)と仰せの通り、報いるべき第一の存在が父母であることを忘れたくないものだ
▼未来へ続く道の途上では、花を潤す甘露のような雨もあれば、滝のように激しく若芽をたたく風雨もあるに違いない。だが、池田先生は励ましている。「それに負けずに伸びることによって、青年は使命の大輪を咲かせることができる」と
▼降る雨やよし! 若人ならば、そのくらいの気概があっていい。門出の時を迎えた友に心からの声援を送りたい。(之)
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小説「新・人間革命」雌伏
雌伏 十四 法悟空 内田健一郎 画 (6042)
山本伸一は、入会三十二周年となる八月二十四日を、長野研修道場で迎えた。新しい決意で出発を誓い、真剣に勤行した。
昼過ぎには、青年たちと自転車で周辺を回った。戸田城聖が最後の夏を過ごした地を巡ることで、在りし日の恩師を偲びたかったのである。
伸一が研修道場に帰って来ると、ちょうど教育部(後の教育本部)の青年教育者の代表が、研修会に参加するため、バスで到着したところであった。
メンバーは、バスの中で、「山本先生が研修道場に滞在中です」と聞かされ、喜びが弾けた。皆、研修道場の玄関前に並び、満面の笑みで伸一を迎えた。
「皆さん、ありがとう! お会いできて嬉しい。では、一緒に記念撮影をしましょう!」
彼は、メンバーと共にカメラに納まった。
「私はこの通り元気です! 皆さんも創価の誇りを胸に、わが使命の道を、元気に勝ち進んでいってください。ともかく、何があっても、絶対に退転しないことです。この一点を深く心に刻んでください。広布の道を踏み外していく人を見るのが、私はいちばん辛いし、胸が痛むんです」
この日の夕刻も、伸一は、地元の同志の家を訪問し、集った人たちと懇談した。
翌二十五日午前、教育部のメンバーと研修道場の庭でテニスをし、激励を重ねた。
コートは、研修会に来た人たちの思い出になるように、地元メンバーが急ごしらえしたものであった。
このあと、伸一は、皆と一緒に勤行し、出発するメンバーを拍手で見送った。
彼は、制約のあるなかで、どうすれば同志を励まし、勇気づけることができるか、祈りに祈り、智慧を絞った。御聖訓には「信心のこころ全ければ平等大慧の智水乾く事なし」(御書一〇七二ページ)と仰せである。
広宣流布への強き一念と祈りがあるかぎり、いっさいの障壁を打ち砕き、必ず勝利の道を切り開いていくことができるのだ。
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春の宵/今日の俳句 ≪第2464号≫
≪2017年(平成29年)4月7日(金)≫(旧暦3/11)
音もなく夢魔に添い寝の春の宵 わたなべじゅんこ
心うらぶれて春宵の人を看る 日野草城
春の宵腰の坐りし酒徳利 鈴木真砂女
飼犬につながれて居る春の宵 しおやきみこ
春の宵かもめホテルへ二歩三歩 津田このみ
※ 春の宵・春宵・宵の春
春の夜と同じだが、春宵といえば、明るく華やいだ心持がある。中国の詩の中に「春宵一刻値千金」からうまれた季語。
【新訂「現代俳句歳時記/石田波郷・志摩芳次郎編」主婦と生活社より抜粋】
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※☆*わが友に贈る*☆※
いかなる戦いもまず
「絶対にやり抜く」と
決めて祈って動く。
この必勝の方程式で
新たな歴史をつくれ!
2017年4月7日
※☆*寸 鉄*☆※
人間は行動するために生まれた―哲人。さあ語ろう!新時代の一歩を刻め
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山梨婦人部の日。福徳の人材城は富士のごとく!勇気凜々と勝利の大輪を
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御書「八のかぜにをかされぬを賢人」。青年時代は不動の自分を鍛えゆく時
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子どもの防犯は親子の対話から。「見知らぬ人に声を掛けられたら?」等と
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地球型惑星7個発見。生命育む海が存在する可能性も。宇宙の浪漫は無限
※☆*名字の言*※
「KY」といえば“空気読めない”の略として、10年ほど前から若い人を中心に使われている言葉。その場の雰囲気や状況などを察することができないという、日本社会独特の否定的な表現である
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一方で、事故や災害を未然に防ぐための取り組みに「KY活動」「KY訓練」という言葉がある。この場合のKYは「危険予知」を指す。1970年代から使われ始めたというから、言葉の歴史としては、こちらの方が“先輩”だ
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例えば、事故につながりかねない危険な体験を共有する本紙の「ヒヤリハット配達員会」や、婦人部・女子部が午後10時までに帰宅することを促す「10帰運動」なども、広い意味でKY活動の一つといえるだろう
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御書に「敵と申す者はわすれさせてねらふものなり」(1185ページ)と。“これくらいは大丈夫だろう”“いつも通っている道だから”など、わずかな油断や心の隙に乗じてトラブルは忍び寄る
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事故は、日常生活の中に潜んでいるからこそ、交通ルールの順守や普段の心構えが何より大切だ。一日一日を、「必ず、やりきる」と「決意のKY」で出発し、「きょうも良かった」という「喜びのKY」で締めくくれるよう、地域で声を掛け合っていこう。15日まで、春の全国交通安全運動。(道)
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小説「新・人間革命」雌伏
雌伏 十三 法悟空 内田健一郎 画 (6041)
山本伸一の心からの願いは、皆が強盛に信心を貫き、幸福になることだけであった。
退転・反逆者や宗門僧は、創価の師弟を分断しようと、伸一が会合で指導したり、「聖教新聞」に登場したりできないように陰で画策を進めてきた。その逼塞した状況のなかで、暗い空気がつくられていた。
伸一は、大きな会合への出席を制約されれば、家庭訪問、個人指導に奔走した。話をするなというのであれば、和歌や俳句を詠み、ピアノを弾いて激励した。
何ものも、広宣流布への不屈の魂を抑え込むことなどできない。
長野研修道場に集っていた人たちに、伸一は提案した。
「もし、よろしければ、二十六日の日曜日にでも、ここにいらっしゃる皆さんと記念撮影したいと思いますが、いかがでしょうか。
また、ほかにも参加したいとおっしゃる方がいれば、遠慮なくいらしてください」
参加者から大歓声がわき起こった。長野の同志が願い続けていたことであった。その知らせは、瞬く間に全県下を駆け巡った。
県幹部たちは、果たして何人が集って来るのかわからなかった。もし、二千人、三千人と詰めかけても、混乱することのないよう、青年部が中心となって、全力で受け入れの準備にあたった。スムーズな撮影が行われるように、撮影台も三台つくることにした。
地域ごとに到着時刻も決めた。貸し切りバスで来るという地域もあった。
自家用車で来る人も多いにちがいない。駐車スペースの不足が懸念されたことから、研修道場の前を通る県道脇の空き地を使わせてもらうよう、土地の所有者と交渉した。了承してもらったが、雑草が生い茂り、そのままでは使用できない。
「よし、男子部で草刈りをしよう」――皆、意気盛んであった。
今、この時に、師と共に会員を励ますために働けることが嬉しかった。「師弟共戦」の自覚と行動があるところに歓喜が湧く。
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春の暮/今日の俳句 ≪第2463号≫
≪2017年(平成29年)4月6日(木)≫(旧暦3/10)
地に添うて鶏の一日春の暮 桂信子
憤死の塚 屠腹の塚の 春の暮 伊丹三樹彦
あはれとは生きの験の春の暮 野見山朱鳥
さみしくて桃子と遊ぶ春の夕 村山故郷
揺れ椅子の揺れやまぬ間の春の暮 細見綾子
※ 春の暮
春の夕べである。秋の暮と違って、夕暮れの光が明るく空気に甘く、万象が生き生きと輝き、道行く人の顔も溌剌と美しい。
→暮の春(晩春)
【新訂「現代俳句歳時記/石田波郷・志摩芳次郎編」主婦と生活社より抜粋】
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※☆*わが友に贈る*☆※
頑張れフレッシュマン!ー新社会人ー
「誠実」「忍耐」「真剣」
この3点を貫く人に
信用という財産は輝く。
皆の健康と栄光を祈る!
2017年4月6日
※☆*寸 鉄*☆※
「師子王の剛弱を嫌わずして大力を出す」御書。今を全力。それが歴史と
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人民を信頼せずに革命はできぬ―周総理。同志と共に。団結が学会の強さ
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世界を変えるといっても一対一の対話から―戸田先生。地道に友のもとへ
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振り込め詐欺被害は企業にも。社会の悪を断じて許すな。衆知集めて撃退
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春の全国交通安全運動。飲酒運転は厳禁。ベルト着用も徹底。油断を排せ
※☆*名字の言*※
パイロットを夢見る少年部員が空港を訪れた。春休みを利用した“社会科見学”である
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案内役は副操縦士。鉛筆を手にした豆記者から質問が飛ぶ。飛行機の重さは? 燃料はどこに積むの? そして「パイロットになるために大切なことは?」。答えは「勉強も大事。体を鍛えるのも大事。でも一番大事なのは『親孝行』かな」。メモを取る少年の手が止まった
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父や母は最も身近な存在ゆえ、つい感謝を忘れがち。だが「当たり前」を「ありがとう」の言葉に置き換えられる心こそ、パイロットに必須の資質だという。旅客機を飛ばすために、どれほど多くの人が汗を流しているか。クルーや整備士、貨物や清掃のスタッフ、営業や旅客担当者……。「感謝の言葉は心をつなぐ。みんなの心が一つになって初めて最高の仕事もできるんだよ」と副操縦士は言った
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文豪ゲーテの至言に「感謝しなければならぬ人と出あいながら、感謝をわすれていることが、どんなにしばしばだろう」(大山定一訳)と。御書には「言と云うは心の思いを響かして声を顕すを云うなり」(563ページ)と仰せである
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飛行機が人を運ぶ乗り物なら、言葉や声は「思い」を乗せて運ぶもの。向かう先は相手の「心」だ。感謝の気持ちも目的地に着いてこそ、である。(恭)
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小説「新・人間革命」雌伏
雌伏 十二 法悟空 内田健一郎 画 (6040)
田森寅夫は、歯を食いしばりながら信心を続けていくと、学校に給食のパンを卸せるようになり、また、外国人客も増えていった。さらに、大手の洋菓子店へも卸すことになり、彼の店は、軽井沢を代表する老舗のベーカリーとして評判になっていった。
彼は、商売で実証を示すだけでなく、町の発展にも力を尽くし、地域の人びとのために献身した。そうした姿に、学会への誤解や偏見は氷解し、多くの人たちが理解者となったのである。
山本伸一は、長野研修道場で田森夫妻と話し合うなかで、翌日、田森の店の二階にある喫茶室で、地域のメンバーの代表を招いて懇談会を開くことにしたのである。
その席で伸一は、一九五七年(昭和三十二年)の夏、軽井沢に滞在中の戸田城聖のもとへ駆けつけた折に、恩師が語っていた言葉を紹介した。
「戸田先生は、山紫水明なこの地を愛され、『将来、ここで夏季研修会を開きたいな』としみじみと話しておられた。ここに研修道場ができ、恩師の構想実現へ、また一歩、前進することができました。
やがて、長野研修道場には、全国、いや全世界の同志の代表が集うようになり、いわば、広宣流布の電源の地となっていくでしょう。それだけに、この長野県に、世界模範の創価学会を創り上げてください。私も、全力で応援します」
この日の夜、研修道場では、地元の軽井沢・中軽井沢支部合同幹部会が行われていた。
会合の終了間際、会場に姿を現した伸一は、共に勤行した。そして、ピアノに向かい、「うれしいひなまつり」や「月の沙漠」などを次々に演奏して励ました。皆の喜びは爆発し、会場は沸き返った。
同志は、伸一の姿を瞼に焼きつけ、“創価の師弟の大道を誇らかに歩もう”と、決意を新たにするのであった。
いかなる権威、権力をもってしても、師弟の心の絆を断つことなど断じてできない。
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