歳暮/今日の俳句 ≪第1984号≫
≪2015年(平成27年)12月14日(月)≫師走(旧暦11/4)
師へ父へ歳暮まいらす山の薯
松本たかし
歳暮鮭とけばこぼるゝ結び文
阿部慧月
寺へせいぼ米二升ほど添へにけり
若林一童
お歳暮や少しばかりの田地持
村上鬼城
山の背に雲みな白し年の果
原 裕
※ 歳暮・歳晩・歳末・年歩む・年の瀬・年の果・年暮るる
年の暮れに、これまでの好誼をお互いに感謝しあうために、訪問して贈り物を交換したり、無事息災を祝うために、年忘れといって、親戚・地己・同僚の間で酒宴を設けることだが、のちに単に物を贈ることだけを歳暮というようになった。
さらに転じて訪問しないで、歳暮の贈答が小包郵便やデパートの配達によって行われ、また物品のかわりに商品券などが代用され、手軽になったが、本来の意義が忘れられてきているのが、今の歳暮である。
【新訂「現代俳句歳時記/石田波郷・志摩芳次郎編」主婦と生活社より抜粋】