俎始/今日の俳句 ≪第2010号≫
≪2016年(平成28年)1月9日(土)≫師走(旧暦11/30)
包丁の痕一つ俎はじめかな
高浜虚子
ネクタイに白衣包丁始かな
黒田杏子
山鳥のとどき包丁始めかな
河村静香
滾る温泉のありて俎始かな
木村蕪城
俎始ひと杓の水走らせて
鈴木真砂女
※ 俎始・包丁始
元日はできるだけ仕事をしないものとされていたが、台所を預かる者は、俎や包丁を手にしないわけにはいかない。それを俎始め・包丁初めなどという。
いずれも暮れのうちにきれいにしたり、新品を用意しておいたりする。春着を着て俎に向かう女性の姿には正月らしい風情である。
【「俳句歳時記・第3巻/角川書店」より転載】
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※☆*わが友に贈る*※
人間主義の輝く時代へ
「祈り」を深め
「境涯」をひらき
「勇気」の挑戦を!
自らが先頭に立て!
1月9日
※☆*寸 鉄*☆※
他者と同苦するSGIの実践こそ宗教本来の姿ー博士(アメリカ)。共生社会の主役と
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志をしっかり持った者は幸福であり、強いー詩人(テニスン)。誓願に生きる我らは無敵
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外交を自分の一生の地盤にせよー恩師。不壊の絆は財産。題目根本に拡大
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自転車事故の割合は中高生が最も高く。7割法令違反。「ながら運転」厳禁
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空気が乾燥、火災に注意。「百千万億倍、御用心」と。火の元確認は入念に
【聖教新聞:2016年(平成28年)1月9日(土)付】
※☆*名字の言*※
今年、国民の祝日に8月11日の「山の日」が加わる。日本の山の代表といえば富士山。年初のこの時期。箱根駅伝の中継をはじめ、何かと目にする
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富士山の姿を描いた絵は多いが、名画は少ないーーそう語ったのは横山大観だった。「それは形ばかりうつすから」「富士を描くということは、つまり己を描くことである。己が貧しければ、そこに描かれた富士も貧しい」「『横山大観展』大塚巧藝社)。富士ほどの名山ともなれば、描く人を選ぶということだろう
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美しい風景のイラストを描く壮年部員がいる。4年前に娘を失い、一昨年、今度はがんが自分の体を襲った。しかし彼は、悲痛の連続にも筆をおくことはなかった
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なぜ描くのか。なぜ生きるのか。大観のように鋭い言葉は浮かばなくても、壮年には、はっきりと理由が自覚された。自分を支えてくれた人々、なかんずく、人生と芸術の指針を与えてくれた師匠・池田SGI会長に応えたい、との思いで、壮年は創作に挑み続ける
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大観ほどの大家にも、恩師・岡倉天心の姿が常に胸にあった。「私の全生活の中には、今なお先生の愛が生きている」(『日本人の自伝19』平凡社)。富士のごとく揺るがぬ自己をつくるために、師の存在ほどありがたいものはない。
(将)
【聖教新聞:2016年(平成28年)1月9日(土)付】
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