浩洋子の四季

古季語を探して、名句・秀句を紹介します。

小説「新・人間革命」 常楽(28)

 

【常楽28】

 琵琶湖フェスティバルは、「太陽と共に」をテーマに掲げ、青空のもと、滋賀研修道場のグラウンドで、午前と午後の二回にわたって、晴れやかに、楽しく行われた。
 千二百人の大合唱団による華麗なコーラス、リズムダンス、「熱原の三烈士」の演劇、組み体操、民謡などが相次ぎ披露された。
 午後の部に出席し、あいさつに立った峯子は、会長の山本伸一は東京での重要な行事が重なり、この催しに出席できなくなってしまったことを伝えた。
 「それで、私に『代わりに行って、謝ってほしい』ということになりまして、急遽、来させていただきました」
 彼女は、伸一が、どれほど滋賀の同志と会いたがっていたかを述べ、彼から、「誕生したばかりの婦人部の歌『母の曲』を、最初に滋賀の皆さんに聴いていただこう」と、テープを託されたことを語った。
 歌が流れた。歌詞のなかで伸一は、婦人たちを「小さな太陽」と表現している。このフェスティバルのテーマは「太陽と共に」である。そこに峯子は、伸一と滋賀の同志との、心の一致を感じた。
 彼女は、集った五千人の友に、伸一が歌詞の一節一節に、どんな思いを込めて作っていったのかを、語っていった。
 ――母は強し。母は偉大なり。母たちありての広布である。母よ、諸行無常の雲を眼下に、常楽我浄の青空に、幸せの太陽と輝け!
 それが、伸一の願いであった。
 最後に峯子は、こう話を結んだ。
 「楽しいご家族の城を、地域の城を元気に守り、発展させていただくようお願い申し上げ、ごあいさつに代えさせていただきます」
 そして、出演者を激励するために、グラウンドを回った。吹き渡る風が、砂ぼこりを巻き上げる。彼女は、民謡を踊ったメンバーの前などで立ち止まっては、ハンドマイクを使って声をかけ続けた。
 “今の自分にできることは何か”を考え、行動することから、使命の歩みは始まる。
【「聖教新聞」2016年(平成28年)2月3日(水)より転載】


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