浩洋子の四季

古季語を探して、名句・秀句を紹介します。

常楽46〈小説「新・人間革命」〉

 


【常楽46】法悟空 内田健一郎 画 (5734)

 組織といっても、人と人のつながりであり、互いに尊敬と信頼の絆で結ばれてこそ、その結合の力は強まっていく。
 しかし、大ブロック長(後の地区部長)や支部長など、ライン組織の正役職者の場合、出席すべき会合をはじめ、組織運営のためになすべき事柄も多く、個人指導に十分な時間が取れないことも事実である。
 それだけに、長年、組織の責任をもって活動し、信心の体験も、人生経験も豊富な年配者たちが、各組織のリーダーをバックアップし、個人指導に力を注いでいくならば、どれほど多くの人びとが信心に奮い立ち、広布の人材に育っていくことか。
 いわば、そうした先輩たちの存在は、一人ひとりの会員にとっては“信心の命綱”であり、学会にとっては、広宣流布を支えてくださる大切な根っこといってよい。
 ゆえに、山本伸一は、かつて指導部を、「広布の赤十字」と表現したのだ。
 すべての学会員が、喜々として信心に励み、幸せになっていくためには、皆に漏れなく励ましの手を差し伸べていくネットワークが必要になる。この主軸となる存在こそが、先輩たちである。
 さらに、その激励によって、社会貢献の使命に目覚めた学会員が核となり、地域の隅々にまで、真心と友情のネットワークを張り巡らしていくならば、それは、人びとの心を守る、社会の新たなセーフティーネット(安全網)となろう。
 いわば、指導部の同志が、日々行う個人指導の歩みは、人間の孤立化、分断という現代社会のかかえる問題を解決する、一つの大きな力となっていくにちがいない。
 伸一は、そのメンバーの尊き活躍の様子と心意気を、「ああはるかなる あの地にも 我はとびゆき 抱きたり わたしは歩みて 共に泣く」と表現したのである。
 同苦と励まし――そこに、人間性の輝きがある。その時、友の胸中に勇気の泉が湧く。そして、人間と人間とが結ばれていく。


【「聖教新聞」2016年(平成28年)2月25日(木)より転載】


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