浩洋子の四季

古季語を探して、名句・秀句を紹介します。

常楽55〈小説「新・人間革命」〉 【常楽55】

 


【常楽55】 法悟空 内田健一郎 画 (5743)

 山本伸一は、懇談的に話を続けた。
 「皆さんの奮闘のおかげで、創価学会は大発展し、社会的にも大きな責任を担う存在になりました。それにともない、当然、学会の運動も大きく変化していきます。それが、人間とともに、時代とともに生きる宗教であることの証明ともいえます。
 草創期の学会を、モーターボートにたとえるならば、今の学会は、大型のタンカーのようなものです。タンカーが湾のなかを、猛スピードで進めば、大波が立ち、周囲の小舟も大きく揺れてしまう。ゆえに、静かに、細心の注意を払って、周りを気遣いながら進んでいく必要がある。これが道理です。
 急いで進もうとして、社会性を軽視するようなことがあっては絶対にならない。いかなる団体よりも、社会性を尊重する学会であり、皆さん方であってください。
 これは、今後の、恒久的な学会の在り方を考えるうえでの基本です。
 また、そのためにも、家庭を盤石にし、しっかりと足元を固め、地域に信頼の根を深く張っていくことが、ますます大事になります」
 社会は、家庭の集合体である。家族が仲良く、はつらつとして明るく、温もりに満ちた家庭は、それ自体が仏法の実証となる。そして、幸の航路を照らす“地域の灯台”となる。
 伸一は、堺文化会館での勤行、指導のあと、泉佐野市の泉州文化会館へと急いだ。
 大阪には何度となく来ていたが、なかなか泉州を訪れることはできなかった。それだけに今回は、大阪の南の要衝たる泉州方面の激励に力を注ぎたかったのである。
 明年には、「七つの鐘」が鳴り終わり、新出発の時を迎える。ゆえに、今こそ、あまり訪問できなかった地へ行き、一人でも多くの同志と会って励まそうと、固く心に決めていたのだ。
 新しい一歩を踏み出し、新しい人と会う。その行動のなかに広宣流布の広がりがある。
 一人の同志が使命に燃え立つならば、その火は、次々と人びとの心に移り広がり、燎原の火となって燃え輝く。


【「聖教新聞」2016年(平成28年)3月7日より転載】


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