浩洋子の四季

古季語を探して、名句・秀句を紹介します。

常楽六十八/小説「新・人間革命」〉

 

【常楽六十八】法悟空 内田健一郎 画 (5756)

 山本伸一は、泉州文化会館での各部合同勤行会を終え、南大阪文化会館(後の羽曳野文化会館)へと向かった。スケジュールにはなかったが、大ブロック長会があると聞き、急遽、激励に訪れたのである。
 一瞬たりとも無駄にしたくなかった。わずかでも時間があれば、同志のため、広宣流布のために使いたかった。その日々の実践が、不惜身命、死身弘法に通じよう。
 彼は、全精魂を振り絞る思いで訴えた。
 「人生は山あり、谷ありです。一面から見れば、すべては諸行無常です。愛し合ってきた夫婦も、どちらかが先に他界していく。愛別離苦も避けがたい。しかし、その無常なる現象の奥に、妙法という永遠の法理がある。この法理に立脚し、自身の境涯を革命していくならば、苦悩の波が打ち続こうとも、それに負けることなく、悠々と乗り越えていくことができるんです。
 そのために日蓮大聖人は、題目を教えられ、御本尊を顕された。諸行無常の世にあって、常楽我浄の人生を謳歌し、遊楽を満喫する方途を示してくださったんです」
 そして、翌十三日には、兵庫県加古川文化会館を訪問し、加古川支部結成十七周年を祝う記念勤行会に出席した。
 当初、伸一の加古川訪問は、日程の調整がつかなかった。しかし、“これまでにお会いできなかった方々を、なんとしても励ましたい”との、彼の強い思いから、訪問が決行されたのである。
 彼は、関西の幹部に言った。
 「これからは兵庫県が大事だ。兵庫が強くなれば、それに啓発されて大阪も強くなる。両者が切磋琢磨し合っていくならば、それが関西の牽引力となり、日本、世界の一大牽引力となる。また、兵庫県を強くするには、これまで、あまり光の当たらなかった加古川などを強化していくことだ。それが、永遠なる常勝の王者・関西を築くポイントです。
 だから私は行く。新しいところへ、幹部が率先して足を運ぶんです」

 

【「聖教新聞」2016年(平成28年)3月22日(火)より転載】


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