浩洋子の四季

古季語を探して、名句・秀句を紹介します。

力走 九〈小説「新・人間革命」〉

 


【力走 九】 法悟空 内田健一郎 画 (5766)

 山本伸一は、集った支部長・婦人部長の人生の勝利を祈りながら話を続けた。
 「“自分が生きるのに精いっぱいで、他人のことなど、とてもかまってはいられない”というのが、大多数の人の生き方です。
 そのなかで皆さんは、自らもさまざまな苦悩と闘いながら、多くの同志を励まし、人びとの幸福を願い、広宣流布に邁進されている。人間として最も尊貴な生き方です。
 皆さんが抱えているそれぞれの悩み、苦しみは、必ず勝ち越えていくことができる。それはなぜか――信心をもって苦悩を克服することで、仏法の大功力を証明していくのが、私たち地涌の菩薩の使命であるからです。
 人生は、激浪の日々であるかもしれない。しかし、だからこそ、勇んで戦い抜いた時には、最高の充実がある。爽快な歓喜がある。現実社会のなかで、自分に勝って、広宣流布の歩みを進めることが仏道修行なんです。
 学会草創期の初代の支部長・婦人部長の功績は実に大きく、その実践は、今もって多くの同志の語りぐさとなっている。
 皆さんは、広布第二章の初代の支部長・婦人部長です。どうか皆さんもまた、『あそこまで皆のために真心を尽くすのか!』『あれほど情熱をもって行動し抜くのか!』『あの人から、本当の信心を学んだ!』と、後々までも語り継がれる、見事な自身の歴史を築いていただきたい。
 ひとたび戦いを起こすならば、大情熱を燃やし、敢闘しようではありませんか!
 広宣流布のために、自分の限界に挑み、殻を破っていくなかで、境涯は大きく開かれていきます。それが、広布の新しき拡大になります。自らの限界を破ってこそ成長があり、力は増すんです。反対に、大きな力を秘めていても、それを使い切っていかなければ、力は退化していきます」
 ゲーテは、こう呼びかけている。
 「中途半端にやる習慣を脱し、全体の中に、善いものの中に、美しいものの中に、決然と生きることを心がけよう」(注)

 小説『新・人間革命』の引用文献
 注 『ゲーテの言葉』高橋健二訳、彌生書房


【「聖教新聞」2016年(平成28年)4月2日より転載】


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