浩洋子の四季

古季語を探して、名句・秀句を紹介します。

力走 十三〈小説「新・人間革命」〉

 


【力走 十三】 法悟空 内田健一郎 画 (5770)

 山本伸一は、十一月二十五日には創価文化会館内の広宣会館で開かれた千葉県支部長会に出席。二十六日は東京・八王子で教学部初級登用試験の受験者、採点官らを激励。二十七、八の両日は、学生部代表と懇談した。
 彼は、これまでに会えなかった人と会おうと、懸命に時間をつくり、行動していった。
 そのなかで学会歌の作詞も続け、静岡県の同志に、「静岡健児の歌」を贈ったのである。
 同県では二十九日夜に県幹部会を開催し、合唱団によって県歌が初披露された。
  
 一、ああ誉れなり 我が富士を
   朝な夕なに 仰ぎ見む
   地涌の我等も かくあれと
   静岡健児よ いざや立て いざや立て
  
 二、朝日に輝く この大地
   世界の友は 集いくる
   この地楽土に 勇み立て
   静岡健児よ 今ここに 今ここに
  
 三、この地の広布が 満々と
   世紀の功徳と 雲と涌く
   烈士に続かん この我は
   静岡健児よ いざや舞え
   静岡健児よ いざや舞え
  
 歌詞の冒頭、伸一は「富士」を詠んだ。そこには、「富士のごとく、烈風にも微動だにせぬ、堂々たる信念の人たれ!」「富士のごとく、天高くそびえ立つ、気高き人格の人たれ!」「富士のごとく、慈悲の腕を広げ、万人を包み込む大境涯の人たれ!」との、静岡の同志への願いが託されていた。
 それから三十年後の二〇〇八年(平成二十年)十一月、伸一は、新時代・第一回静岡県青年部総会を記念し、この歌に加筆した。二番の「世界の友は」を「正義の同志は」に、三番の「世紀の功徳と」を「師弟の陣列」に、最後の「いざや舞え」を「いざや勝て」とし、静岡健児の新出発を祝福したのである。


【「聖教新聞」2016年(平成28年)4月7日より転載】


☆彡------☆★☆★☆*------彡☆o☆:*:.♪☆★☆*------☆彡