浩洋子の四季

古季語を探して、名句・秀句を紹介します。

力走 十五〈小説「新・人間革命」〉

 


【力走 十五】 法悟空 内田健一郎 画 (5772)

 山本伸一は、十和田光一に訴えた。
 「もちろん、それぞれが、普段から病気にかからないように心がけ、規則正しい生活をし、食生活にも気を配り、健康管理に努めていくことは当然です。しかし、遺伝的な要因などによる病気もある。
 大事なことは、病気に負けないことです。たとえば、病で歩行も困難になってしまったとする。だから不幸かというと、決して、そうではありません。歩けなくとも、幸せを満喫して、はつらつと生きている学会員を、私はたくさん知っています。
 人生には、病に襲われることもあれば、失業や倒産など、多くの苦悩があるが、それ自体が人を不幸にするのではない。その時に、“もう、これで自分の人生は終わりだ”などと思い、希望をなくし、無気力になったり、自暴自棄になったりすることによって、自らを不幸にしてしまうんです。
 つまり、病気などに負けるというのは、その現象に紛動されて、心が敗れてしまうことをいうんです。
 したがって、苦境を勝ち越えていくには、強い心で、“こんなことで負けるものか! 必ず乗り越え、人生の勝利を飾ってみせるぞ!”という、師子のごとき一念で、強盛に祈り抜いていくことです。
 日蓮大聖人は、『南無妙法蓮華経は師子吼の如し・いかなる病さは(障)りをなすべきや』(御書一一二四ページ)と仰せではないですか。
 また、苦難、悩みがあるからこそ、それを乗り越えることによって、仏法の功力の偉大さを証明することができる。闘病体験もまた、広宣流布を進めていくうえの力となっていきます。人生のすべてを生かしていけるのが仏法なんです。
 だから、病の診断を受けたら、“これでまた一つ、信心の体験が積める! みんなに仏法の力を示す財産が増える!”と考えていくことです。くよくよするのではなく、堂々と勇み立って、病に対していくんです。
 ――栗山さんに、そう伝えてください」


【「聖教新聞」2016年(平成28年)4月9日より転載】


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