浩洋子の四季

古季語を探して、名句・秀句を紹介します。

東菊/今日の俳句 ≪第2113号≫

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≪2016年(平成28年)4月21日(木)≫(旧暦3/15)

 


 湯がへりの東菊買ふて行く妓かな
     長谷川かな女

 東菊関趾に遠き海見えて
       大竹孤悠

 蜥蜴の子這入りたるまま東菊
      松本たかし

 山の家に馬小屋ありて東菊
       吉野直子

 岬行く母やしんがり東菊
       梅津昭子

 

 

※ 東菊・
 本州の北、中部の乾いた山地草原に生じるキク科の多年草。葉は根から叢生し、葉の間から二〇~三〇センチの花茎を出し、晩春のころ、茎頂に一輪の頭状を開く。
 花は淡紅紫色の舌状花と黄色の管状花から成り、冠花は褐色で赤みをおびている。花屋でいうアズマ菊は本種と違う、ヤマヨメナ栽培品都忘れのことである。

【新訂「現代俳句歳時記/石田波郷・志摩芳次郎編」主婦と生活社より抜粋】


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聖教歌壇・俳壇〉 2016年4月20日

聖教歌壇〉

◆秋葉四郎選

 うすく紅をひいてむかえの車待つ今日は施設の泊りの日にて(新潟県)番場馨
 【評】普段はデイサービスか。宿泊の日が計画されて特別な催しもあるに違いない。“うすく紅をひく”にもろもろが暗示され一読快い。

 春雷をともなって吹く春一番霾音がガラス戸にする(千葉県)小寺善瑛
 【評】雷を伴う春一番を詠って堂々とした一首。目慣れない言葉「霾」が効果的。俳句の季語にもなっているし、気象用語では黄砂。

 合格の発表を見にゆるやかな坂道上る梅の木の下(大阪府)山下文王

 先達のみまかりゆけば常会の席順いつか上座となりぬ(福岡県)早原仁美

 体調に合わせて選ぶ食品も独り暮らしの特権なるか(京都府)長南葵

 母を知らず育ちていまももろみ味噌にいりこをまぜし食感好む(広島県)藤川幸雄

 味噌づくりにいい豆できしと妹は今年も二キロ送りくれたり(岡山県)藪田智子

道浦母都子

 もういちど呼ばれてみたい小六のわれのあだなは国会議事堂(大阪府小川洋子
 【評】あだなは国会議事堂。作者は女性なので、容姿なのか、性格なのか、迷ってしまうが、いずれにしろ、面白い一首。

 滑るように時計の秒針動いてる深夜私が落ち着くように(埼玉県)池内美也子 
 【評】眠れない夜なのだろうか。音もなく、滑るように動く秒針。作者の心を時計が知っているようにも感じられる一首。

 スニーカーの紐を替えれば心持ち足軽々と庭を巡りぬ(栃木県)中上民子

 満開の枝垂梅の下に集ひたる老人の話題は体調のこと(千葉県)松尾英子

 しぐれ降る金沢駅に人を待つハザードランプがせわしく光る(愛知県)後藤厚巳

 十六の孫が選びし洋服はどこかに春のにほひしてをりし(東京都)岡﨑多加之

 「りつしゆん」と大きな声によんでみる朝のならひのめくる暦に(北海道)藤林正則

聖教俳壇〉

坪内稔典

 何となく窓を開けたら春の虹(新潟県)土沼広美
 【評】やや幼い感じの文体が春の虹の優しさを感じさせる。38歳、新しい作者が新潟から出現した。

 浅草も銀座もバレンタインの日(東京都)堀木ゆうな
 【評】同じ日も浅草と銀座では異なる。バレンタインデーだと、どのように異なるのか。私としてはやっぱり銀座のチョコが欲しいな。いや、浅草の庶民的チョコもいいか。

 冴え返る杉下右京の正義かな
          (兵庫県櫻井智

 さくら咲く紙面「まきほ」と「ゆうな」かな(千葉県)横山冬耕子

 リハビリの妻の靴に名春隣
          (千葉県)中嶋嘉久

 立春や鼻歌でくる回覧板
          (三重県)籔本昌子

 公園のキッズダンスや木の芽風
          (京都府)小川舟治

◆田中亜美選

 冬深し洋酒のチョコと女子トーク(群馬県)鈴木友香里
 【評】うっとりと甘く、ほろ酔い気分を味わえるチョコレートは、ロマンチックな話題にもぴったり。〈冬深し〉が温かな友情を伝えているようです。

 すべからく窓磨くべし春立つ日(東京都)安田久美代
 【評】早春の光には、きらきらとした独特の透明感があります。窓を磨くといっそう美しく感じられるでしょう。家事は季節の発見の宝庫なのですね。

 冬草にしずくきらめく朝の月
          (東京都)山川仁美

 照らされて雪より白き雪兎
           (東京都)矢部誠

 胸こがす恋と鰭酒呑みほしぬ
           (兵庫県)平松洋南

 ふふふっと春風まとう二人の手
           (福岡県)川添さとみ

 春だものフレアスカートはきましょう
           (大阪府)湯浅惠子

 

 

       ※☆*わが友に贈る*☆※


  我らの「5・3」へ

  勇気と希望の拡大を!

  創価家族の連帯固く

  一歩また一歩と

  眼前の山を登りゆけ!


       2016年4月21日

 


       ※☆*寸 鉄*☆※


 会長の提言は他者に寄り添う想像力を育む―韓国識者。共生の世紀の光源

      ◇

 誰かがやると何もせず待つのは危険―博士。青年の使命は先駆!一人立て

      ◇

 御書「苦楽ともに思い合せて」。我らに尽きぬ希望あり。大信力を今こそ

      ◇

 九州の震度6以上の地で土砂災害の危険性を緊急調査と。安全確保へ急げ

      ◇

 狭い車内での避難生活は体の負担大きく。意識して体動かし周囲と交流を


聖教新聞:2016年(平成28年)4月21日(木)付】

 

      ※☆*名字の言*※

 

本紙の配達に携わって45年を超える埼玉の壮年に、話を伺った。出産を控えた女性配達員の代配を頼まれたことがきっかけだったという

体が弱く、半年だけの約束だったが、配達を続ける中で「自分を謙虚にし、信心を深めてくれる」との思いが芽生え、継続を志願。気付けば体も丈夫になり、約半世紀にわたって、雨の日も風の日も、本紙を読者に届け続けてきた

配達員になって一番うれしいことを尋ねると、「毎日、学会とともに朝一番のスタートを切れること」と笑顔で。現在、町会の役員として地域に貢献する一方、中継行事も催す大型会場を開くことができたと、聖教とともに歩んだ人生の喜びを語ってくれた

SGI会長はかつて、本紙を支える全ての同志へ詠み贈った。「ああ聖教 世界中に 飛びゆきて 平和と文化の 言論輝け」。「SEIKYO online(セイキョウオンライン)」もリニューアルされ、世界へ人間主義の論調を同時発信する責務は、重みを増している

時代は変わろうとも、配達員、通信員、新聞長をはじめ、「師弟の絆」を誇りに進む方々に支えられ、本紙があることに変わりはない。感謝を胸に、2万号を目指し、いや増して正義の「言論城」の使命を果たしていきたい。(道)


聖教新聞:2016年(平成28年)4月21日(木)付】


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【コラム「北斗七星」】

公明新聞:2016年4月20日(水)付

仕事柄、夜遅くに帰宅することが多い。最寄り駅の改札を出て自宅までの道すがら、親子連れとすれ違うことがある。子どもたちは本来、眠りについている時間だろうが、意外と元気いっぱいだったりする

実は日本の乳幼児、めっぽう睡眠時間が短い。3歳以下の一日の睡眠時間を、2010年にイスラエルの研究者が調べたところ米国、英国、中国、韓国など17カ国のうち、日本は平均11時間37分で最下位。最長のニュージーランドとは1時間40分の差があった

生後不安定な眠る時間は、2歳ごろには昼夜の区別がつき、落ち着いてくる。しかし、昨今の夜型社会が影響してか、夜に寝られない子どもの専門外来受診件数が増えている。子どもの睡眠障害不登校の一因にもなる。ある地域では、学校を挙げて家庭での生活リズム改善に取り組んだところ、数年後には不登校がゼロになったという

ヒトは24時間の中で朝起きて夜眠ることで、健康的に生きるための体内時計を長い時間をかけて構築してきた。それに反する環境に置かれた子どもの体が悲鳴を上げている

医師は保護者の早寝がカギと言う。見直せる家庭は即実行すべきだが、中には暮らすために夜型を強いられることもある。こうした背景からも、公明党が取り組む働き方改革が必要になっている。(広)

 

 

 

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