浩洋子の四季

古季語を探して、名句・秀句を紹介します。

力走/六十三〈小説「新・人間革命」〉

 


力走/六十三  法悟空 内田健一郎 画 (5820)

 任用試験の受験者を激励した山本伸一は、高知文化会館に戻ると、四国の大学会メンバーと記念撮影した。
 午後四時からは、開館一周年記念のブロック長、ブロック担当員(後の白ゆり長)の勤行会に出席し、指導した。
 彼は、最前線組織のリーダーと会えることが、何よりも嬉しかった。ブロック組織こそが、広宣流布の現場である。ここに創価学会の実像がある。わがブロックが学会なのだ。そこを離れて、どこかに特別な学会があるわけではない。ゆえに、自分のブロックの建設に最大の力を注ぎ、強化し、理想の組織を創り上げていく以外に広宣流布の伸展はない。
 伸一は、渾身の力を込めて訴えていった。
 「悔いなき人生のため、悔いなき信心を」
 「信心即生活である。現実の社会で勝利していくために、揺るぎない生活の確立を」
 そして、万感の思いを込めて呼びかけた。
 「皆さんが、敢然と創価の旗を掲げて勇み立ってくださるならば、地域広布の勝利は間違いありません。どうか皆さんは、『私の姿、生き方を見てください。ここに仏法の力の証明があります』と、胸を張れる一人ひとりであってください。わが兄弟、姉妹として、私に代わって地域広布の指揮を頼みます」
 “広布のいごっそう、創価のはちきんに大勝利あれ!”と念じての指導であった。
 さらに、夜には、第一回「高知県男子部幹部総会」に喜び勇んで臨んだ。高知入りした伸一が提案し、開催されることになった総会であった。彼は、近代日本の黎明を開く逸材を育んだ高知の地に、次代の盤石な柱を打ち立てておきたかったのである。
 伸一は、“学会の後継者として、崇高な信念の人たれ!”との願いを託し、語った。
 「高山の頂には、常に烈風が吹き荒れている。古今東西、大偉業を成し遂げた人は皆、激しい中傷や批判にさらされてきた。同様に、世界最高の大仏法を流布する、わが創価学会に、激しい非難中傷の嵐が吹き荒れるのは、むしろ当然のことなのであります!」


【「聖教新聞」2016年(平成28年)6月7日より転載】


☆彡------☆★☆★☆*------彡☆o☆:*:.♪☆★☆*------☆彡