浩洋子の四季

古季語を探して、名句・秀句を紹介します。

清新/三〈小説「新・人間革命」〉

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清新/三 法悟空 内田健一郎 画 (5828)


 山本伸一は、この一九七九年(昭和五十四年)の『大白蓮華』二月号に、「『地方の時代』と広宣流布」と題する巻頭言を書いた。
 そのなかで彼は、「国をし(知)るべし・国に随って人の心不定なり……されば法は必ず国をかんが(鑑)みて弘むべし」(御書一四九五ページ)の御文や、「桜梅桃李」の原理を紹介し、人それぞれに個性があるように、それぞれの地方にも特色があり、東北には東北の特色があることを述べた。
 そして、法を弘めるうえでは、各地域の生活様式や文化的伝統をふまえて、押しつけではなく、生命を内より薫発していくことが肝要であると強調した。
 さらに、「『地方の時代』といっても、結局は、その地域を支えゆく一人ひとりの人間である」として、皆が主体性と愛着と誇りをもち、郷土の繁栄のために、着実な努力を重ねていくことの大切さを訴えた。
 「町村地域指導長」制は、これらをふまえて、それぞれの地域の広宣流布を推進する布陣であった。
 また伸一は、自らの決意を、次のように綴っている。
 「本年もまた、私は、日本列島の各地方をあまねくまわりたい。また、広くは世界の国々の友の激励にも走りたい」
 そして、年頭から、真っ先に東北へ飛んだのである。
 十日、東北平和会館で伸一は、宮城未来会第一期の結成式に先立ち、メンバーと記念撮影をした。
 彼は、どの地方を訪れた時も、いかに多忙を極めていようが、未来部の代表との出会いをつくり、励ますように心がけてきた。未来は、若い世代に託す以外にないからである。
 中国の英知の言葉には、次のようにある。
 「一年の計は、穀を樹うるに如くは莫く、十年の計は、木を樹うるに如くは莫く、終身の計は、人を樹うるに如くは莫し」(注)
 伸一は、後継の育成に必死であった。わが生命を削り与える思いで激励にあたった。

 小説『新・人間革命』の引用文献
 注 遠藤哲夫著『新釈漢文大系第42巻 管子(上)』明治書院

 


【「聖教新聞」2016年(平成28年)6月17日より転載】


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