浩洋子の四季

古季語を探して、名句・秀句を紹介します。

単衣(ひとえ)/今日の俳句 ≪第2172号≫

f:id:knowinglykunchangtan:20160619053552j:plain

≪2016年(平成28年)6月19日(日)≫(旧暦5/15)


 単帯かくまで胸のほそりけり    久保田万太郎

 汝にやる十二単衣といふ草を      高浜虚子

 単衣着て風よろこべば風まとふ     中村汀女

 巌門とひつぱり餠と単衣の子      神尾季羊

 魂去りし父の単衣のたたまるる     堤 高嶺

 


※ 単衣(ひとえ)→単物。
 四季の変化がはっきりしており、とくに暑さと湿気が特徴である日本の夏は、さまざまな素材を使った衣服を着てその暑さをしのいでいる。単衣は「単」とも書き、夏用の裏地をつけない衣服を指す。単衣の中でも五月はセル、六月は紺絣・紬・御召・縮緬(ちりめん)、七月は夏大島・平絽(ひらろ)・白絣・八月には麻や紗(さ、しゃ、うすぎぬ)を着た。なお、夏の礼装は男女とも絽である。冷房の普及により室内では暑さを感じなくなり、和服姿も少なくなった今日ではあるが、濃紺の羅(うすもの)に単衣の帯をしめた人に出会うと、さわやかな涼しさを感じる。


【「現代俳句歳時記(夏)/角川春樹編」(角川春樹事務所)より転載】

 

 

彡……☆★☆*……☆★☆*……☆★☆*……☆★☆*☆彡……☆☆彡

 


       ※☆*わが友に贈る*☆※

 

 人に会おう!

 友と語ろう!

 大きく動けば

 仏縁と境涯が広がる。

 さあ壁を破る挑戦を!


      2016年6月19日

 

 

       ※☆*寸 鉄*☆※


 「いよいよ・はりあげてせむべし」。広布は言論の戦。破折精神光らせ挑め
      ◇
 埼玉男子部が乾坤一擲の猛反撃。若師子の爆発力で大逆転を!全国が声援
      ◇
 きょう「父の日」。広布と社会で奮闘する壮年部に感謝。頼もしき黄金柱よ
      ◇
 食中毒に注意!菌は付けない・増やさない・やっつける―加熱と手洗い励行
      ◇
 公明の政策には現場第一主義の姿勢が鮮明―識者庶民を守り抜く政治貫け


聖教新聞:2016年(平成28年))6月19日(日)付】

 

 

      ※☆*名字の言*※


戦中、母と息子が疎開した富山に、東京で暮らす父が大きな荷物を背にやってきた。食べ物を期待したが、それは母が大切にするミシンだった。“息子”である作家・小中陽太郎さんの少年時代の話だ(「朝日新聞」1996年6月24日付朝刊)

出世に縁遠く、社交性もない父の人生を、地味だと軽んじていた。大人になった小中さんがある日、ミシンを移動しようとしたが、あまりの重さに動かない。その時、一家を守るために父が背負ってきたものの“本当の重さ”を感じ、心を改めたという

東日本大震災の日、ある女子未来部員は家族と会えず、一人で避難した。翌日、父親が見つけに来てくれた。ガラスの破片が足に刺さってけがをした彼女を、父はおぶって病院に向かった

当時はまだ、家族がバラバラで、全員の安否が分からなかった。一家のあるじとしての、父の気持ちは察するに余りある。それでも“娘を不安にさせまい”としっかり背負って歩いた。彼女は父の背中に顔をうずめた

今春、首都圏の大学に進んだ彼女は言う。「今も残る小さな傷を見るたび、あの日、父の背中から伝わった安心感が全身によみがえります」。きょうは「父の日」。わが家族、わが同志を守るため、黙々と奮闘する全ての父に感謝を。(代)

聖教新聞:2016年(平成28年))6月19日(日)≫≫付】

 

彡……☆★☆*……☆★☆*……☆★☆*……☆★☆*☆彡……☆☆彡

 

【コラム「北斗七星」】

公明新聞:2016年6月18日(土)付

近くにいるタクシーを呼ぶと、運転手のいない車両が到着。配車、ドアの開閉、支払いはスマートフォンで簡単に操作できる。こんな時代がそう遠からず、やってくるのだろう

先日、いま話題の“無人タクシー”に乗る機会があった。実証実験中のため、運転席に人はいるが、確かにハンドルに手を掛けていない。曲がる所では、ハンドルが自動でクルクル回る。足でブレーキを踏むこともなし。スマホの指示通りに無事、目的地へ着いた

このタクシー。国内では2020年の実用化をめざしている。世界では、35年までに約2100万台販売される見通しもある自動運転車。普及するまでの課題は少なくないが、経済活性化に寄与するだけでなく、交通弱者の人々にとって、これほど便利な乗り物はない

公明党参院選の重点政策で、モノとインターネットをつなぐ研究開発の推進を掲げている。情報化社会がもたらす恩恵を一部の人で占有せず、幅広く受けられるように。そのために、全力で後押しするとの発想である

もちろん、人間が開発した技術が、コントロールできずに暴走しては論外。人工知能もしかり。次の時代を人が暮らしていくための新たな支え、と位置付けることが欠かせない。理念なきところ、待っているのは成り行き任せの迷走と決まっている。(広)