浩洋子の四季

古季語を探して、名句・秀句を紹介します。

清新/六〈小説「新・人間革命」〉

 


清新/六 法悟空 内田健一郎 画 (5831)

 山本伸一は話を続けた。
 「今日は、岩手の大飛躍のために、ともすれば幹部が陥りがちな問題について、あえて厳しく語っておきます。
 幹部は、組織を自分のものであるかのように考え、会員の方々を部下のように思っては絶対にならないということです。
 学会の組織は、仏意仏勅の広宣流布のための組織です。“学会員は御本仏からお預かりした仏子である”と決めて仕えていこう、尽くしていこうとの思いで接することです。
 また、いよいよ『地方の時代』に入り、草創期から地域の中心となって頑張り、地域の事情や人間関係に精通した幹部の存在が、ますます大事になってきます。
 しかし、心しなければならないのは、長い間、地域のリーダーを務めていると、気づかぬうちに、そこの“主”のようになってしまうことです。
 かつて、ある地域に、草創からの幹部がおり、その人の考えや、好き嫌いの感情が、組織の運営や人事などにも、強い影響を与えていたということがありました。皆、何かあるたびに、その幹部のところへ、真っ先にあいさつに行かなければならないし、意向に従わなければ、何もできないというんです。
 それでは、平等性を欠き、新しい創造の活力が奪われてしまう。結局は、広宣流布の団体である学会の組織を崩し、前進を阻むことにもなりかねません。
 自分中心から広宣流布中心へと、常に自らを戒め、狭い境涯の殻を破っていくんです。そして、新しい中心者や後輩たちを前面に立てて、徹して守り支えていくんです。
 また、新たにリーダーとなった人たちは、地域に根差した草創からの諸先輩の意見によく耳を傾け、力を借りていくんです。
 土着の力と、新しい力が結合していくことによって、岩手は大発展します」
 詩聖タゴールは記している。
 「力がないところには繁栄がなく、力は結合以外によっては得られない」(注)

 小説『新・人間革命』の引用文献
 注 「議長あいさつ」(『タゴール著作集8』所収)蛯原徳夫訳、第三文明社

 


【「聖教新聞」2016年(平成28年)6月21日より転載】


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