浩洋子の四季

古季語を探して、名句・秀句を紹介します。

清新/二十六〈小説「新・人間革命」〉

 

清新/二十六 法悟空 内田健一郎 画 (5851)

 懇談会では、琴の演奏もあった。
 山本伸一は、最後に皆と勤行し、青森、秋田両県の広宣流布と繁栄を深く祈念した。
 終了後、外に出た。雪はやみ、雲間に丸い月が皓々と輝いていた。
 伸一は、そのあとも、東北の方面幹部や県の首脳と今後の活動について協議を重ねた。
 彼はリーダーの生き方について語った。
 「東北には、東京に本社があり、青森や秋田などの各県に、支社や支店を置く企業が多い。支社・支店長には、本社から派遣される人が、かなりの割合を占める。
 そのなかで優れた実績を残すリーダーに共通しているのは、“この地に骨を埋めよう。地元に貢献しよう”との決意を固めている人であるといいます。
 しかし、冬は雪との戦いになり、寒さが過酷であるため、なかには、早く本社に戻ることばかり考え、一時的に華々しい実績を上げればよいと、その場しのぎの仕事をする人もいる。また、“何年かすれば、異動になるだろう。失敗さえしなければよい”と力を抜き、積極的に物事に取り組もうとしない人もいるといわれています。
 リーダーが、どういう考えなのかは、下で働く社員や周囲の人たちには、手に取るようにわかる。うまく取り繕っていても、その心根は、日々の生き方に現れるからです。
 たとえば、下には権威的になって威張り、上には媚びへつらう。失敗を恐れるあまり、人への不信感が強い。都合のよい報告を本社に上げることにしか関心を示さない。自分は楽ばかりして、何かあると人に責任を押しつけ、決して泥をかぶらない――という行動になる。その結果、みんなの心は離れていく。
 つまり、そうした腰掛け的なリーダーの生き方が破綻の要因になっていくんです。
 それに対して、労を惜しまず会員のために尽くし抜く学会の幹部は、『真実のリーダーはかくあれ!』と、社会に模範のリーダー像を示しているんです。どうか、リーダー革命を推進しているとの誇りをもってください」

 

【「聖教新聞」2016年(平成28年)7月14日より転載】


☆彡------☆★☆★☆*------彡☆o☆:*:.♪☆★☆*------☆彡