浩洋子の四季

古季語を探して、名句・秀句を紹介します。

〈小説「新・人間革命」〉

 


清新/三十三 法悟空 内田健一郎 画 (5858)


 山本伸一は、青森・秋田合同の代表幹部会に続いて、秋田県の代表との懇談会や弘前大学会のメンバーとの記念撮影に臨み、さらに、青森文化会館のある地元・大野支部の激励会に出席した。これには、周辺地域の学会員も参加し、約八百人が集った。
 参加者には、家族連れも多く、和気あいあいとした創価家族の集いとなった。
 「ようこそ、ようこそ! 会館を守っていただき、ご尽力に感謝しています」
 伸一が、こう言って広間に現れると、支部長の中沢正太郎と支部婦人部長で彼の妻である美代子が、「先生。ありがとうございます!」と、声をそろえてあいさつした。
 二人は、七年間にわたって、この大野支部の支部長・婦人部長を務めてきた。「日本一明るい功徳あふれる地域建設」をめざして、支部員一人ひとりの幸せを祈り抜くことから戦いは始まった。闘病中の人、事業不振の壮年、夫の入会を願う婦人など、それぞれの悩みを自身の悩みとして必死に祈った。
 「支部長も、婦人部長も、いつ行っても唱題してますね」と評判になった。
 正太郎は、一壮年の再起を願い、半年間、自宅へ、激励に通い続けたこともあった。美代子もまた、家庭訪問を欠かさなかった。
 「何かあると一緒に悩んでくれる」――それが学会の世界である。
 支部のメンバーも、夫妻の個性や性格をよく理解し、力を合わせ、支え合って、支部の建設に取り組んできた。一人を大切にするリーダーの祈りと行動、皆の団結が、模範の支部をつくり上げてきたのだ。
 伸一は、集った同志のためにピアノを弾き、一緒に唱題し、語り合った。
 「苦しい時、辛い時もあるでしょう。そのありのままの思いを、御本尊に訴えて唱題していけばいいんです。“困っています。力をください!”――それでいいんです。御本尊は、なんでも願いを聞いてくださる。そして、この御本尊と共に、広宣流布の使命に生きる決意を固めるんですよ」


【「聖教新聞」2016年(平成28年)7月23日より転載】


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