浩洋子の四季

古季語を探して、名句・秀句を紹介します。

〈小説「新・人間革命」〉

 

清新/三十六 法悟空 内田健一郎 画 (5861)


 一月十五日、青森市内の積雪は五十センチ近かった。この日は「成人の日」で祝日であった。青森文化会館では、午後一時半から新春記念指導会が開催されることになっていた。
 雪がやみ、晴れ間を見せたかと思うと、すぐに小雪が舞い、また、吹雪き始めるという天候のなか、参加者は喜びを満面にたたえて、意気揚々と集って来た。
 山本伸一は、指導会に先立って、晴れの成人式を迎えたメンバーと、祝福の思いを込めて記念のカメラに納まった。
 晴れ着やスーツ姿の初々しい青年たちは、清新の気にあふれていた。なかには、伸一の青森訪問を聞いて、東京から駆けつけた、創価大学に学ぶ学生部員らもいた。
 「おめでとう! よく来たね。嬉しい。
 君たちは私の希望です。学会の希望です。私は、皆さんのために命がけで、道を開いていきます。十年後、いや、それでは遅いな。五年後にお会いしよう。忘れずに私に言ってくるんだよ。お元気で! 未来を頼むよ!」
 彼は、青年を見ていて思った。
 “一人ひとりが光り輝いている。皆が、大きな可能性をもっている。この青年たちが育っていけば、青森の未来は大きく開ける。
 苦労し、苦労し抜いて、忍耐力を培ってほしい。苦労なくしては、強くなれない。人の苦しみはわからない。
 そして、広宣流布への大情熱を、さらに、さらに燃え上がらせてほしい。自らに情熱なくしては、友の心を温めることはできない。分厚い困難の根雪をとかすこともできない”
 伸一は、成人式を迎えたメンバーだけでなく、役員の青年たちとも記念撮影した。
 「皆さんのお父さんやお母さんなど、草創の同志は、真剣勝負で戦ってきた。最初は、周囲に誰一人として理解者はなく、村八分同然のなかで、何をされようが、勇敢に折伏に歩いた。広宣流布の道は、常に猛吹雪です。しかし、それを乗り越えて進むしかない。君たちが、その決意と実践を受け継いでこそ、広宣流布の原野を開くことができるんです」

 

【「聖教新聞」2016年(平成28年)7月27日より転載】


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