浩洋子の四季

古季語を探して、名句・秀句を紹介します。

〈小説「新・人間革命」〉

 

清新/三十八 法悟空 内田健一郎 画 (5863)

 役員の青年らの激励を続けた山本伸一は、同行していた副会長の関久男に言った。
 「東北には、立派な青年たちが育っているね。春になれば、根雪を破っていっせいに若芽が顔を出し、やがて新緑の季節が来る。東北の緑は、ことのほか美しい。清新の息吹にあふれている。東北の青年たちを見ていると、その草木の力を感じさせるね。
 今はまだ、風雪の季節だ。しかし、春は、そこまで来ているんだ。この青年たちが、必ず根雪をとかし、二十一世紀には、創価の春を、そして、新緑の季節を開いてくれるよ」
 未来を仰ぐように目を細め、笑みをたたえて語る伸一の声は弾んでいた。
   
 青森県新春記念指導会は、午後一時半過ぎから開始された。
 勤行に続いて、県長の加取伸介ら県幹部のあいさつとなった。
 加取は「今日は『成人の日』です。いよいよ青森が、広布の若武者として出陣する日です!」と呼びかけた。
 また、婦人部の代表は、はつらつと訴えた。
 「東北、なかでも青森の使命である広宣流布の総仕上げに向かって、私たち婦人部は、唱題第一、実践第一、団結第一で、明るく、粘り強く、新しい挑戦を開始してまいります。
 そのために、まず私自身から、徹底して皆さんとお会いし、心を通わせ合い、すべての活動の先頭を切ってまいります!」
 すると伸一は、大拍手を送りながら、県長の加取ら壮年幹部を見て言った。
 「婦人部が一生懸命に頑張ろうとしているんです。本来ならば、ここで壮年部が、『いいえ、私たちが戦いますから、婦人部の皆さんはお休みになってください』と言うべきじゃないの。やっぱり、最後の総仕上げは、壮年でしょ。違いますか?」
 婦人たちから大拍手が起こった。
 壮年が立ち上がれば、皆が安心できる。
 マハトマ・ガンジーは叫んだ。
 「男らしさとは、戦うことにある」(注)

 小説『新・人間革命』の引用文献
 注 『マハトマ・ガンジー全集 33巻』インド政府出版局(英語) 

 


【「聖教新聞」2016年(平成28年)7月29日より転載】


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