浩洋子の四季

古季語を探して、名句・秀句を紹介します。

〈小説「新・人間革命」〉

 

清新/四十三 法悟空 内田健一郎 画 (5868)


 一月十九日には、神奈川県の川崎文化会館で、清新の気みなぎる一月度本部幹部会が、晴れやかに行われた。
 席上、「七つの鐘」総仕上げの年の意義を込めて、本部長をはじめ、合唱団、音楽隊などの代表に表彰状が贈られた。
 山本伸一は、この佳節の年を迎えた感慨を胸に、恩師・戸田城聖への思いを語った。
 「私は、日々、戸田先生の指導を思い起こし、心で先生と対話しながら、広宣流布の指揮を執ってまいりました。
 戸田先生が、豊島公会堂で一般講義をされたことは、あまりにも有名であり、皆さんもよくご存じであると思います。
 ある時、『曾谷殿御返事』の講義をしてくださった。『此法門を日蓮申す故に忠言耳に逆う道理なるが故に流罪せられ命にも及びしなり、然どもいまだこりず候』(御書一〇五六ページ)の箇所にいたった時、先生は、『これだよ。“いまだこりず候”だよ』と強調され、こう語られたことがあります。
 『私どもは、もったいなくも日蓮大聖人の仏子である。地涌の菩薩である。なれば、わが創価学会の精神もここにある。不肖私も広宣流布のためには、“いまだこりず候”である。大聖人の御遺命を果たしゆくのだから、大難の連続であることは、当然、覚悟しなければならない! 勇気と忍耐をもつのだ』
 その言葉は、今でも私の胸に、鮮烈に残っております。
 人生には、大なり小なり、苦難はつきものです。ましてや広宣流布の大願に生きるならば、どんな大難が待ち受けているかわかりません。予想だにしない、過酷な試練があって当然です。しかし、私どもは、この“いまだこりず候”の精神で、自ら決めた使命の道を勇敢に邁進してまいりたい。
 もとより私も、その決心でおります。親愛なる同志の皆様方も、どうか、この御金言を生涯の指針として健闘し抜いてください」
 学会は大前進を続けてきた。だからこそ伸一は、大難の襲来を予感していたのだ。

 

【「聖教新聞」2016年(平成28年)8月4日より転載】


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