浩洋子の四季

古季語を探して、名句・秀句を紹介します。

〈小説「新・人間革命」〉

 

清新/六十三 法悟空 内田健一郎 画 (5888)

 九州記念幹部会で山本伸一は、成増敬子の抱負を聞きながら思った。
 “熊本も、また大分も、宗門の問題では本当に苦しめられている地域だ。しかし、それをはね返し、ますます広布の炎を燃え上がらせている。すごいことだ。いつか、必ずその地域を回って、耐え抜きながら信心を貫いてこられた皆さんを心から励まし、賞讃しよう”
 彼は会合終了後、「七つの鐘総仕上げの年を記念し」と認めた御書を、成増へ贈った。
 幹部会でマイクに向かった伸一は、仏法者の生き方について語っていった。
 「日蓮大聖人の智慧は平等大慧であり、一切衆生を平等に利益される。その大聖人の御生命である御本尊を信受する仏子たる私どもの人生は、全人類の幸せを願い、行動する日々であらねばならないと思っています。
 私たちが、日本の広宣流布に、さらには世界広布に走り抜くのも、そのためです。
 私は人間が好きです。また、いかなる国の人であれ、いかなる民族の人であれ、いかなる境遇の人であれ、好きであると言える自分でありたい。そうでなくては日蓮大聖人の教えを弘める、仏の使いとしての使命を果たすことはできないと思うからです。
 皆様方も、誰人であろうが、広々とした心で包容し、また、全会員の方々の、信心の面倒をみて差し上げていただきたい。私どもが平等大慧の仏の智慧を涌現させ、実践していくところに、世界平和への大道があります。
 そして、リーダーの皆さんは、物わかりのよい、柔軟な考え方ができる指導者であっていただきたい。硬直化した考え方に陥ってしまえば、時代、社会の変化に対応していくことができず、結局は、広宣流布の流れを閉ざしてしまうことになりかねません」
 国連人権委員会委員長を務めたエレノア・ルーズベルトは指摘している。
 「あらゆる偉大な文明が滅びた理由は、ある意味で、それが固定化し、新しい状況、新しい方法、そして、新しい考え方に柔軟に適応できなくなったからです」(注)

 小説『新・人間革命』の引用文献
 注 エレノア・ルーズベルト著『TOMORROW IS NOW』ハーパー・アンド・ロウ社(英語)

【「聖教新聞」2016年(平成28年)8月27日より転載】


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