蜩/今日の俳句 ≪第2245号≫
≪2016年(平成28年)8月31日(水)≫(旧暦7/29)
呼吸とはこんなに蜩を吸うことです 金子兜太
丘は蜩青田に沈む多古の町 瀧 春一
別れとはひぐらしの音に似たるかな 山口いさを
蜩といふ名の裏山をいつも持つ 安東次男
蜩やともしび早き峠茶屋 岩井半四郎
※ 蜩・日暮・茅蜩・かなかな
半翅目セミ科。からだは法師蝉よりも少し大きい。〈カナ、カナ、カナ、カナ〉と、よくとおる美しい声で鳴くのでかなかなと呼ばれる。出現は、他の蝉に比べて、むしろ早く、七月中には鳴きはじめ、早いところでは八月にすでに鳴きやみ、九月いっぱい鳴き声の聞かれる土地はまれで、十月にはいると、もうほとんど鳴かない。頭部は緑色、羽根は透明で、他の蝉に比べるとからだの色彩が淡い。腹部は空洞で、あたかもバイオリンの胴のようなはたらきをし、反響して大きな音を出すことは他の蝉と同様、発声の機構は、神経から電流が出て、発音筋がこまかく動いて、鼓膜をひっぱる。二本筋が、一秒間に一万回ずつ、のびちぢみするから、蝉の声は、あのようにジーとつづいた音になるのだという。ヒグラシの声は、さわやかに澄んでいて、いかにも秋にふさわしいが、実際は六月末に鳴きだすところもある。その名のように、多く午後から夕暮れにかけて鳴くといわれているが、朝もよく鳴き、伊豆大島の三原山のように群生するところでは、昼間もうるさいくらいに鳴く。『万葉集』に「今よりは秋づきぬらし足引の山松蔭に日具良之(ひぐらし)鳴きぬ」の歌があり、また『源氏物語』には「ひぐらしの鳴く声にも、山かげのみ恋しく、おほかたに聞かましものを、ひぐらしの声うらめしき秋の暮かな」とあって、秋の夕暮れとヒグラシの声を結びつけたものが多いが、これは、ヒグラシの声が秋の夕暮れにふさわしいさびしさがあるからで、『拾遺集』には「朝ぼらけひぐらしの声聞ゆなりこやあけぐれと人の云ふらん」などの作例もあって、古人はヒグラシが朝早く鳴くことを観察し詠っている。
→蝉(夏)
【新訂「現代俳句歳時記/石田波郷・志摩芳次郎編」主婦と生活社より抜粋】
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※☆*わが友に贈る*☆※
弘教に挑む青年部に
壮年部・婦人部が
最大の応援を!
互いの連携を密に
心を合わせて勝利へ!
2016年8月31日
※☆*寸 鉄*☆※
新・東北文化会館が竣工。新生と福光の象徴。仰ぎ見る「人材の城」の建設を
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学生部の日。新鮮な発想と行動力で広布の未来を切り開け!先駆の英才よ
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団結には車軸が金剛不壊でなければならぬ―恩師幹部の成長こそ前進の源
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季節の変わり目。体調管理を万全に。強き祈りで価値創造の黄金譜つづれ
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地域に根差す公明は机上の空論に振り回されぬ―経済人。大衆の為に戦え
【聖教新聞:2016年(平成28年)8月31日(水)付】
※☆*名字の言*☆※
クマの親子を描いた『かあさんのこもりうた』(金の星社)という絵本がある
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3頭の子グマは、自分たちへの思いを込めた母グマ自作の子守歌を聞いて、いつも眠りについていた。だがある日、母グマは森を襲った嵐の犠牲に。残された子グマたちは、つらくて心が挫けそうになる。それでも子守歌に母の愛と希望を見いだし、悲しみから立ち上がるという話だ
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この絵本が誕生した背景には、一つのエピソードがあった。東日本大震災で母を亡くした小学3年生の女の子の元に、一通の手紙が届く。差出人は亡き母。小学校へ入学する娘にランドセルを購入した際、母がわが子に宛てた手紙を書き、それを1000日後に配達する「未来へつなぐタイムレター」という企業サービスによるものだった。この実話をきっかけに絵本は生まれた
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あの日から5年半になろうという今も、東北の同志からは「この震災……」との言葉をよく聞く。そこには、震災から何千日たとうが、日々を懸命に生きてきた思いがこもっている
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新「東北文化会館」の竣工引渡式が30日に行われ、きょう大震災から2000日を迎えた。「3月11日」をいつも心に、そして師の励ましと同志の絆を支えに、希望の未来へとつなぐ一歩、一日を進んでいきたい。(城)
【聖教新聞:2016年(平成28年)8月31日(水)付】
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