浩洋子の四季

古季語を探して、名句・秀句を紹介します。

蓑虫/今日の俳句 ≪第2250号≫

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≪2016年(平成28年)9月5日(月)≫(旧暦8/5)


 糸長き蓑虫安静時間過ぐ     石田波郷

 倫敦に蓑虫住むや漱石忌     橋本風車

 -の父よと鳴きて母もなし    高濱虚子

 吹かれゐて蓑虫の蓑青まじる   能村研三

 蓑虫や天の静かさ糸に吊り    村越化石


※ 蓑虫
 ミノガ科の蛾の幼虫。木の葉や小枝を糸で綴って巣を作り、その中にひそみ、あたかも蓑を纏っているかのような姿をしている。雄は成虫になると巣を離れるが、雌は成虫も無翅で、一生巣から離れない。木の枝にぶら下がって風に揺れているさまは寂しい。


【「俳句歳時記・第3巻/角川書店」より転載】


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       ※☆*今週のことば*☆※


 世界一の婦人部総会が
 明るく楽しく開幕!
 女性の草の根の対話から
 「平和の文化」は輝く。
 友の心に幸福の花束を!

      2016年9月5日

 

       ※☆*寸 鉄*☆※

 

 対話を通し他者の悩みを分かつ創価の理念が現代に必要―教授。調和の鍵
      ◇
 青年部が東海道で交流交歓会。師弟に生きゆく心は一つ!共戦の友情絵巻
      ◇
 「随喜する声を聞いて随喜し」。信心の体験と確信を語ろう。歓喜が波動に
      ◇
 真剣さはスピードに表れる。若人よ打てば響く誠実の人たれ!信頼で勝て
      ◇
 日中韓が明年、「文化都市首脳会議」を開催。心を結ぶ新たな交流の創出へ


聖教新聞:2016年(平成28年)9月5日(月)付】

 

 

      ※☆*名字の言*※


肩書や富を他人と比べて卑屈になったり、目先の成果を求めて策に走ったり。一つの事にのめり込むほど、視野が狭くなり、根本の目的を見失ってしまうのが人間の常である

「客観視」「俯瞰する眼」を心理学では「メタ認知」ともいうが、自身の行動を、別の視点から見たり、より長い時間軸の中で考えたりすることで、見えてくるものがある

1753年(宝暦3年)、徳川幕府は、濃尾平野を流れる木曽三川の氾濫を防ぐ工事を薩摩藩に命じた。費用も資材の調達も藩の負担。あまりにも理不尽な幕命に、藩内からは“反旗をかざそう”との意見も出た。しかし、工事の責任者を務めた家老・平田靱負の視点は違った。幕命の是非はともあれ、「水難に喘ぐ気の毒な現地の住民を救済」するのだと(坂口達夫著『宝暦治水・薩摩義士』春苑堂出版)。大目的を掲げ、衆議をまとめたのである

難工事は、人的にも経済的にも、藩の重荷となったが、幾多の困難を越えて完成した工事は、250年以上を経た今も、現地の人に感謝されている

大義を心に抱く人は、目先の艱難を忍ぶことができる。御書に「忍辱の鎧を著て」(502ページ)と仰せのように、自身と社会の幸福という大目的へ、試練を恐れず立ち向かう勇気と智慧を持ちたい。(通)

 

聖教新聞:2016年(平成28年)9月5日(月)付】

 

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