浩洋子の四季

古季語を探して、名句・秀句を紹介します。

小説「新・人間革命」

 

源流 二十八 法悟空 内田健一郎 画 (5919)

 山本伸一の妻の峯子は、各テーブルを回って女性たちに声をかけていたが、席に戻ると伸一に語った。
 「インドには、たくさんの人材が誕生していて、未来が楽しみですね」
 「そうだね。私は、仏教発祥の地であるこのインドにこそ、世界模範のSGIを創っていってもらいたいんだよ。そのためには、地道に、着実に、まだまだ、たくさんの人材を育てていかなければならない。インドは広大だもの。人びとから信頼され、豊かな見識を身につけ、日蓮大聖人の仏法を誤りなく皆に伝え、弘め、指導していくことのできる、大勢のリーダーが必要になる。
 決して焦ることはないから、まず二、三十年ぐらいかけて、しっかり人を育て、盤石な組織の礎を築いていくことだね。二十一世紀になって、その基盤が完成したら、本格的な広布拡大の流れを開いていくんだ。
 その時に、前面に躍り出るのは、今日、集った人たちの後輩や子どもさんの世代になるだろう。しかし、万年にわたるインド広布の源流を開く大事な使命を担っているのは、ここにいる方々だ。
 だから、皆さんには、一人も漏れなく、生涯、誉れあるインド広布のパイオニアとして信心を貫き通してほしい。どこまでも後輩を育て守り、金剛の団結を誇るインド創価学会を創り上げてほしい。
 世界の模範の組織とは、先輩が後輩を温かく見守り、応援し、最高に仲が良い組織だ。わがままになって、自分中心に物事を考えるのではなく、皆が、広宣流布のために、互いに讃え合い、支え合っていける組織だ。そして、それがそのまま、各人の人間革命の姿であり、世界の平和の縮図となる。
 インド広布の未来を思うと胸が躍るね」
 懇談会では全員でインド国歌を斉唱した。
 また、「インド文化研究会」の友が、日本語で「春が来た」を披露すれば、インドのメンバーが民謡をヒンディー語で歌うなど、和やかな交歓のひとときとなった。


【「聖教新聞」2016年(平成28年)10月4日より転載】


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