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浩洋子の四季

古季語を探して、名句・秀句を紹介します。

小説「新・人間革命」

 

源流 四十三 法悟空 内田健一郎 画 (5934)

 山本伸一は、ナラヤナン副総長と一緒に、図書贈呈式が行われる会議室へと向かった。
 副総長は、歩きながら大学の概要を説明し、「学生たちには、学べぬインドの民衆のために尽くしてほしいというのが私の願いです」と語った。
 伸一は、全く同感であった。
 “大学とは、大学に行きたくても行けなかった人たちに、尽くすためにある”というのが、彼の信念であったからだ。
 会議室で行われた図書贈呈式であいさつに立った副総長は、平和と国際理解の実現をめざすネルー大学の建学の精神に照らして、世界平和へ献身的に努力する創価学会一行の来訪を、心から歓迎したいと述べた。
 そして、ネルー大学は、特に日本語の教育に重点を置き、日本の経済・社会の発展等の学習・研究にも力を注いでいることを紹介。この贈呈式の出席者は、学部長、教員及び日本語を研究している学生であることを伝えた。
 贈呈式では、日本語を専攻している四人の女子学生が、日本語で「さくら」を合唱した。発音も正確であり、美しい歌声であった。
 一行は大拍手を送った。会場からアンコールの声が起こった。それに応えて、女子学生たちが「春が来た」を披露し、さらに、そのうちの一人が、日本のフォークソング「この広い野原いっぱい」を独唱。皆、引き込まれるように耳を傾けた。
 伸一は女子学生たちに、お礼を言った。
 「まるで日本へ帰ったような気持ちになれました。最高の歓待です。ありがとう!」
 また、教授陣に「すばらしい歌を歌ってくれた学生さんに、最高の成績をつけてあげてください」と語ると、笑いが起こった。
 書物を贈るだけでなく、心と心が通い合い、人と人とが結ばれることに、図書贈呈式の大きな意味があると、伸一は考えていた。
 彼は、日本とインドの精神文化の絆を、さらに強くしていくために、教育・文化交流に最大の努力を払いたいと述べ、日本語と英語の書籍千冊の寄贈目録を副総長に手渡した。

 

【「聖教新聞」2016年(平成28年)10月22日より転載】


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