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浩洋子の四季

古季語を探して、名句・秀句を紹介します。

小説「新・人間革命」

 

大山 五 法悟空 内田健一郎 画 (5965)

 二月十九日午前、山本伸一は香港総督公邸に、マレー・マクリホース総督を表敬訪問した。総督は、友人である在日イギリス大使館のマイケル・ウィルフォード大使から、手紙を通して、伸一の人となりについて聞いており、会見を楽しみにしていたという。
 語らいは弾んだ。繁栄へと向かう香港社会の行政上の成果や、福祉などの現状が話題となった。
 また、総督は、香港中文大学の総長でもあることから、これまでの同大学と創価大学との教育交流にも話が及んだ。
 伸一は、総長としての総督の尽力に深く感謝の意を表し、率直な思いを語った。
 「青年と青年が友情で結ばれ、世界の未来について忌憚なく意見交換し、スクラムを組んで進んでいく――そのための両校の教育交流でありたいと考えています。
 この交流を通して、国家や民族、宗教、風俗、習慣等の違いを超えて、同じ人間として共に苦しみ、悲しみ、喜び、連帯していける人材を、私は育みたいんです」
 総督も、目を輝かせ、「イエース、イエース」と言いながら大きく頷き、賛同の意を示していた。
 世界といっても、根本は「人間」と「人間」である。同じ「人間」という視座に立ち返れば心は通じ合い、共感し合えるものだ。
 二十一世紀まで、既に二十余年となっていた。伸一には、世界の平和のために、人類の未来のために、急いで行動を起こさねばならぬ課題が山積していた。彼は、ただただ時間がほしかった。人生は時間との闘争である。
 伸一たち一行は、この日の午後、九竜・大専会堂で行われた香港のSGIメンバーによる「’79香港文化祭」に出席した。
 出演者総勢五百五十六人が、アジアの平和建設への誓いを、中国伝統の宮廷舞踊や収穫の舞、獅子舞、合唱、演奏などに託して熱演し、華麗で迫力あふれる舞台が繰り広げられた。
 人びとの幸せを願い、行動する、はつらつたる生命の躍動は、芸術・文化創造の源となる。

 


【「聖教新聞」2017年(平成29年)1月6日より転載】


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