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浩洋子の四季

古季語を探して、名句・秀句を紹介します。

小説「新・人間革命」

 

大山 五十四 法悟空 内田健一郎 画 (6014)


 最後に十条潔は、胸の思いをありのままに語っていった。
 「私自身、山本先生のこれまでの指導を深く心に刻み、模範の実践を展開していくとともに、組織の最前線で戦ってこられた皆さんから、信心を学んでまいります。
 したがって、どうか会長だからといって、私のことを、『先生』などと呼ぶようなことはしないでいただきたい。厳粛なる歴代の創価の師のみが『先生』であります。
 私に対しては、『十条さん』や『十条君』で結構ですし、呼び捨てでもかまいません。共に同志として、平等に、異体同心の団結で切磋琢磨しながら、新しい前進を開始してまいろうではありませんか!
 ともかく私は、皆様が安心して朗らかに仏道修行に励んでいかれますように、“会員奉仕”に徹してまいりますので、どうかよろしくお願い申し上げます」
 彼の真摯で率直な話に、皆、さわやかな共感を覚えた。信心指導とは、高みに立って同志を教訓することではない。リーダー自らが一個の人間として、決意と情熱と行動をもって進むべき道を指し示し、共感をもたらしていく生命の触発作業にほかならない。
 創価の新しい前進の歯車は、山本伸一が見守るなか、回転を開始していったのである。
   
 翌二十六日、伸一は、静岡県富士宮の宗門の総本山に法主・日達を訪ね、法華講総講頭の辞表を提出した。その折、日達からは、長年にわたり宗門の隆盛に尽くしてきた伸一の功労をねぎらう言葉があり、法華講名誉総講頭の辞令が渡された。
 夕刻、彼は、静岡研修道場へ向かった。殉教の先師・牧口常三郎の魂を刻む道場で、二十一世紀への大飛躍を期すために、具体的に何を成すべきかを、思索しようと思ったのである。
 一つの終了は、新しい出発である。未来への大いなる飛翔のためには、確たる構想と緻密な計画が不可欠である。


【「聖教新聞」2017年(平成29年)3月7日より転載】


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