浩洋子の四季

古季語を探して、名句・秀句を紹介します。

小説「新・人間革命」

 

大山 五十五 法悟空 内田健一郎 画 (6015)

 山本伸一は、静岡研修道場で、世界の平和を推進するために、各国の指導者、識者らとの今後の交流や、文明・宗教間の対話をいかにして進めるべきかなど、深い思索を重ねていった。また、その間に、学生部や婦人部、地元・静岡県の代表とも懇談の機会をもち、広宣流布に生きる創価の師弟の道を確認し、新たな前進を開始するよう懸命に訴えた。
 既に、この時、学会の支配を企む弁護士の山脇友政と宗門僧らの陰謀によって、伸一は自由に会合にも出席できない状況がつくられていたのだ。
 ――会長を辞めるのだから、会合に出席して指導するのはおかしい。その話や行動を機関紙誌に報道する必要はない。
 結局、伸一に関して「聖教新聞」が伝えることができるのは、海外の訪問や要人との会見などに限られ、彼の会内の活動は功労者宅の訪問や個人指導等に制限された。邪智の反逆者と悪僧らの狙いは、伸一を徹底して排除し、学会員と離間させることにあった。そうすれば学会を自在に操り、会員を自分たちに隷属させられると考えたのだ。
 創価学会を貫くものは、広宣流布に生きる師弟の精神である。初代会長・牧口常三郎は獄死という殉難の生涯をもって死身弘法の魂をとどめ、第二代会長・戸田城聖は獄中の悟達によって地涌の菩薩の大使命を自覚した。そこに創価の精神の源流が開かれた。
 出獄した戸田は、地涌の同志の陣列・七十五万世帯達成を宣言し、弟子・伸一と共に、その誓願を成就した。日蓮大聖人が仰せの「地涌の義」が実証されたのだ。そして、伸一は、同志と師弟の絆で心を結び合い、世界広宣流布をめざして進んできた。
 かつて戸田は、「学会は、この末法にあって、これだけ大勢の人に法を弘め、救済してきた。未来の経典には、『創価学会仏』という名が厳然と記されるのだよ」と語っていたことがあった。
 広布の大使命に生きる学会なればこそ、第六天の魔王は牙を剝いて襲いかかるのだ。

 

【「聖教新聞」2017年(平成29年)3月8日より転載】


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