浩洋子の四季

古季語を探して、名句・秀句を紹介します。

常楽50〈小説「新・人間革命」〉

 


【常楽50】法悟空 内田健一郎 画 (5738)

 

 山梨の歌「文化と薫れ」は、十一月九日、山梨本部での山梨県支部長会で発表された。
   
 一、見よや厳然 富士光り
   我と歴史を 語りなむ
   この地尊き 山梨は
   いついつ讃えむ 勇みなむ
   
 二、若葉は露に 楽園の
   広布の幕は この地より
   いざいざ立ちなむ 山梨は
   文化の華と 咲き薫れ
   
 三、この河あの河 幾歳か
   地涌の瞳は 走りゆく
   今 今 勝ちなむ 山梨の
   君と我との 不落城
   ああ この城は 金の城
   
 富士光る山梨は、山本伸一にとって師と共に青春の思い出を刻んだ天地であった。
 一九五五年(昭和三十年)の六月十一、十二の両日、戸田城聖にとって最後となった「水滸会」野外研修が、山梨県河口湖畔と山中湖畔で実施された。青年たちは、師に見守られるなか、相撲にも汗を流した。
 十一日夜、戸田を囲んで懇談が行われた折、“故郷に錦を飾るとは、私たちの立場から、どうとらえるべきか”との質問が出た。
 「戸田の弟子となって、広宣流布に戦っている姿が、最高にして永遠の錦じゃないか! この錦こそ、最高にして不変の錦なんです!」
 真実の錦とは、世間の栄誉や地位、名声ではなく、広布に生き抜く姿にあることを、彼は、若き生命に打ち込んでおきたかったのだ。
 青年たちは、創価の師子として、広宣流布という地涌の使命に生きるなかに、永遠不変の最高の栄誉があることを知り、決意を新たにした。そして、各地に散り、恩師の誓願である会員七十五万世帯の成就へ大進撃を開始していったのだ。その歴史を伸一は、「広布の幕は この地より」と詠ったのである。

 

【「聖教新聞」2016年(平成28年)3月1日より転載】


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