浩洋子の四季

古季語を探して、名句・秀句を紹介します。

2017-02-01から1ヶ月間の記事一覧

雪の果/今日の俳句 ≪第2426号≫

≪2017年(平成29年)2月28日(火)≫(旧暦2/3) 呼にみる能登の荒磯の雪の果 斎藤水穂 一音のごと鳥すぎぬ雪の果 佐野美智 大江山うちかがやける雪の果 加藤三七子 海を見て坂くだりゆく雪の果 野澤節子 うつしよに犬猫飼はず雪の果 宮坂静生 ※ 雪の果・名残の雪・…

小説「新・人間革命」

大山 四十八 法悟空 内田健一郎 画 (6008) 山本伸一が聖教新聞社を出て、自宅に向かったのは、午後十時前のことであった。 空は雲に覆われ、月も星も隠れていた。 これで人生ドラマの第一幕は終わったと思うと、深い感慨が胸に込み上げてくる。 すべて…

二月尽/今日の俳句 ≪第2425号≫

≪2017年(平成29年)2月27日(月)≫(旧暦2/2) みちのくにはん女の訃報二月尽 粟野孤舟 二月尽くかがやかざりし一日もて 綾部仁喜 粗朶の束納屋に崩れて二月尽く 高原一子 鳶の乗る空気重たき二月尽 正木浩一 引締まる虎の土鈴や二月尽 篠原幸子 ※ 二月尽 二月の…

小説「新・人間革命」

大山 四十七 法悟空 内田健一郎 画 (6007) 山本伸一は、記者団の質問に答えて、今後の自身の行動について語っていった。 「学会としては、世界の平和をめざし、仏法を基調として、さらに幅広い平和運動、教育・文化運動等を展開していきます。私は、そ…

如月/今日の俳句 ≪第2424号≫

≪2017年(平成29年)2月26日(日)≫(旧暦2/1) きさらぎの水のひゞきを夜も昼も 桂信子 如月や大水甕の底の空 中村苑子 きさらぎが眉のあたりに来る如し 細見綾子 きさらぎの銀河あえかに髪濡るゝ 石橋秀野 言葉なし何もなし如月の空雲もなし 荻原井泉水 ※ 如月 …

春の霜/今日の俳句 ≪第2423号≫

≪2017年(平成29年)2月25日(土)≫(旧暦1/29) 春の霜人間ドツクは異常無し 児玉有希 春の霜身を引きしめて明日を待つ 柴田靖子 畦道を抉るわだちや春の霜 小山香月 春の霜白し朝刊に龍太の死 大畑善昭 春の霜踏むだけ踏んで泣き止みぬ 米澤光子 ※ 春の霜・春霜 …

小説「新・人間革命」

大山 四十六 法悟空 内田健一郎 画 (6006) 十条潔は、緊張した面持ちで新会長としての抱負を語った。 「山本第三代会長の後を受けまして、新しい制度による出発となりました。これまでに山本会長は、学会の運営は皆で行っていけるように、十分に指導し…

木瓜の花/今日の俳句 ≪第2422号≫

≪2017年(平成29年)2月24日(金)≫(旧暦1/28) 木瓜咲いて御機嫌ななめの雨が降る わたなべじゅんこ 木瓜の花ゆつたり坐る茶の師匠 芝宮須磨子 木瓜の花戦火に追はれし日の記憶 鎌倉喜久恵 草木瓜の緋色際立つ野川べり 壇原さち子 無防備に吾は老いたり木瓜の花 …

小説「新・人間革命」

大山 四十五 法悟空 内田健一郎 画 (6005) 県長会等のあとも、山本伸一は新宿文化会館にとどまり、彼の辞任にいちばん衝撃を受けている婦人部の代表と懇談して励ました。また、来客の予定があり、その応対にも時間を費やした。 夜には、創価学会として…

山茱萸の花/今日の俳句 ≪第2421号≫

≪2017年(平成29年)2月23日(木)≫(旧暦1/27) 山茱萸といふ字を教ふたなごころ 西村和子 山茱萸にきれいな日向ありにけり 大木あまり 山茱萸の花ちちよりのメッセージ 栗林千津 山茱萸の花やしみじみと加齢 金子皆子 山茱萸や近衛家遺品寂びにけり 那須乙郎 ※ …

小説「新・人間革命」

大山 四十四 法悟空 内田健一郎 画 (6004) 二十四日の総務会で制定された「創価学会会則」は、学会が宗教団体として、どのように宗教活動をしていくのか、また、どのように会員を教化育成していくのか、さらに、そのために組織をどのように運営してい…

榛の花/今日の俳句 ≪第2420号≫

≪2017年(平成29年)2月22日(水)≫(旧暦1/26) 空ふかく夜風わたりて榛の花 飯田龍太 屈葬の地や錆こぼす榛の花 井桁白陶 榛の花どどと嶺渡る夜の雷 角川源義 幹のぼる水かげろふや榛の花 山田みづえ 奥の温泉へ米負ひのぼる榛の花 岡本まち子 ※ 榛の花・赤楊の…

小説「新・人間革命」

大山 四十三 法悟空 内田健一郎 画 (6003) 会場の中央にいた男性が立ち上がった。まだ三十代の東北方面の県長である。彼は、県長会の参加者に怒りをぶつけるかのように、声を張り上げて訴えた。 「皆さんは、先生が辞任されるということを前提に話をし…

木蘭/今日の俳句 ≪第2419号≫

≪2017年(平成29年)2月21日(火)≫(旧暦1/25) たかだかと雨意の木蓮崩れけり 日野草城 のぞみならいくらもくれん露の玉 夏目成美 木蓮の蕾硝子に押しつけられ 細見綾子 木蓮や白光うるむ日の在り処 鷲谷七菜子 紫木蓮アンリ・ルソーの馬車とする 西岡正保 ※ 木…

小説「新・人間革命」

大山 四十二 法悟空 内田健一郎 画 (6002) 山本伸一は、力強い口調で語り始めた。 「これからは、新会長を中心に、みんなの力で、新しい学会を創っていくんだ。私は、じっと見守っています。悲しむことなんか、何もないよ。壮大な船出なんだから」 会…

三椏の花/今日の俳句 ≪第2418号≫

≪2017年(平成29年)2月20日(月)≫(旧暦1/24) 山中の寺のあちこち花三椏 松崎鉄之介 歩の先に三椏の花うすみどり 伊藤早苗 三椏のいろにはじまる雑木山 西本一都 三椏咲く病む者に多いまも長し 金子兜太 にこにこと保険勧誘花三椏 桑原泰子 ※ 三椏の花・黄瑞香 …

小説「新・人間革命」

大山 四十一 法悟空 内田健一郎 画 (6001) 県長会のメンバーは、十条潔の説明で、山本伸一が会長辞任を決意した理由はわかったが、心の整理がつかなかった。 十条は話を続けた。 「先生は、この際、創価学会の会長だけでなく、法華講総講頭の辞任も宗…

辛夷/今日の俳句 ≪第2417号≫

≪2017年(平成29年)2月19日(日)≫(旧暦1/23) いづこへか辛夷の谷の朝鳥よ 佐藤鬼房 白炎の辛夷は乱れ真つ昼間 三神あすか ひよどりの巣喰つてゐたり辛夷咲く 細見綾子 乳房のごと辛夷盛りあぐ画家羨し 楠本憲吉 「故郷の四季」歌ふ朝辛夷咲く 鈴木石花 ※ 辛夷→…

沈丁花/今日の俳句 ≪第2416号≫

≪2017年(平成29年)2月18日(土)≫(旧暦1/22) 逍遥サリーの裾から夕風 沈丁花 伊丹三樹彦 部屋部屋のうすくらがりや沈丁花 桂 信子 せせらぎの耳に立つ夜や沈丁花 日野草城 リユツク買ひ沈丁花牛乳瓶に挿す 細見綾子 沈丁花夢につゞきのなかりけり 鈴木真砂女 ※…

小説「新・人間革命」

大山 四十 法悟空 内田健一郎 画 (6000) 山本伸一の会長辞任は、あまりにも突然の発表であり、県長会参加者は戸惑いを隠せなかった。皆、“山本先生は宗門の学会攻撃を収めるために、一切の責任を背負って辞任された”と思った。だから、十条潔から“勇退…

黄梅/今日の俳句 ≪第2415号≫

≪2017年(平成29年)2月17日(金)≫(旧暦1/21) 黄梅に佇ちては恃む明日の日を 三橋鷹女 主客持ちて黄梅盛りかな 星野紗一 黄梅や子供みくじを婆がひく 板谷芳浄 黄梅を買ふに買ひ来し鍬が邪魔 辻 桃子 かく晴れてゐてかく寒し迎春 河原白朝 ※ 黄梅・迎春花 モク…

小説「新・人間革命」

大山 三十九 法悟空 内田健一郎 画 (5999) 未来を展望する時、社会も、学会も、ますます多様化していくにちがいない。したがって、山本伸一は、これまで以上に、さまざまな意見を汲み上げ、合議による集団指導体制によって学会を牽引していくべきであ…

盆梅/今日の俳句 ≪第2414号≫

≪2017年(平成29年)2月16日(木)≫(旧暦1/20) 盆梅の影もろともに買はれけり 金森ちか子 盆梅を褒められて酒すすめけり 神山裕郎 盆梅に実のつきてゐて小町の忌 厚見青芽 洛中図掛けあり盆梅展示中 小林あつ子 盆梅の丈に目を置き目を余す 宇都宮滴水 ※ 盆梅 三…

小説「新・人間革命」

大山 三十八 法悟空 内田健一郎 画 (5998) 四月二十四日午前十時、東京・新宿文化会館で県長会が開催された。同会館は、信濃町の学会本部、聖教新聞社からも、徒歩十分ほどのところにある。統一地方選挙の支援活動を大勝利で終え、全国から集ってきた…

紅梅/今日の俳句 ≪第2413号≫

≪2017年(平成29年)2月15日(水)≫(旧暦1/19) 伊豆の海や紅梅の上に波ながれ 水原秋桜子 紅梅やぬかるみわたる身が泛きて 松村蒼石 紅梅の天の窓より呼び声す 北原武巳 紅梅に姫孫ふたりのはしゃぎごゑ 駒井でる太 白板をツモると紅梅がひらく 金原まさ子 ※ 紅…

小説「新・人間革命」

大山 三十七 法悟空 内田健一郎 画 (5997) 偉業は、継続のなかにある。真の大業は、何代もの後継の人があってこそ、成就するものだ。 山本伸一は、さらに所感で述べていった。 「ここで大事なことは、広宣流布は、不断の永続革命であるがゆえに、後に…

梅/今日の俳句 ≪第2412号≫

≪2017年(平成29年)2月14日(火)≫(旧暦1/18) 梅の枝切り過ぎしこと医者のいふ 櫻井博道 上海の茶をのむ居間や夜の梅 皆吉 司 万の梅ひらくよ卑弥呼眠る野に 木田千女 梅の下箸の使へぬ児等が居て 保坂加津夫 人体に水を加えて梅を見る 藤田守啓 ※ 梅・好文木・…

小説「新・人間革命」

大山 三十六 法悟空 内田健一郎 画 (5996) 山本伸一は、人類の危機が現実化しつつあるなかで、地涌の菩薩の連帯は世界九十数カ国に広がり、日蓮仏法が唯一の希望となっていることに言及し、未来への展望に触れた。 「いまだ世界にわたる平和と文化の実…

子持鯊/今日の俳句 ≪第2411号≫

≪2017年(平成29年)2月13日(月)≫(旧暦1/17)※新聞休刊日 子持鯊釣れをる河口昼の月 鈴木雹吉 子持鯊ちょろりと出づる蘆の潮 根岸草太郎 風少し出て来し海の子持はぜ 川村羊羽 風昏む江戸前の海子持鯊 金子波龍 子持鯊夕ぐれの岸影ひとつ 長田喜代子 ※ 子持鯊 …

柳鮠(やなぎはえ)/今日の俳句 ≪第2410号≫

≪2017年(平成29年)2月12日(日)≫(旧暦1/16) 山こえてきてわたる瀬や柳鮠 飯田蛇笏 石橋のあたりに群れて柳鮠 所 山花 鮠透けり富士湧水を雲流れ 山本陽子 もやひすて沈める舟や柳鮠 寒川鼠骨 山下りて逃げゆく水や柳鮠 清水基吉 ※ 柳鮠・桜鮠 春先、芽吹いた…