浩洋子の四季

古季語を探して、名句・秀句を紹介します。

2016-01-01から1ヶ月間の記事一覧

龍の玉/今日の俳句 ≪第2032≫

≪2016年(平成28年)1月31日(日)≫師走(旧暦12/22)≫ 北へ濃きいろのみづうみ龍の玉 友岡子郷 龍の玉升さんと呼ぶ虚子のこゑ 飯田龍太 雑俳にたましひありぬ竜の玉 成瀬櫻桃子 ひとり子のひとり遊びや竜の玉 板橋美智代 空の日の曇ればくもる龍の玉 鈴木しげを …

常楽(25)/小説「新・人間革命」

【常楽25】 山本伸一は、「母の曲」の二番の冒頭を、最初は「名も無き家を 守りつつ」とし、「家」の字を「しろ」と読むようにした。 しかし、各家庭が、そのまま「母の城」なのだということを伝えるには、「家」ではなく、「城」と書いた方がよいと思った。…

枯蘆/今日の俳句 ≪第2031≫

≪2016年(平成28年)1月30日(土)≫師走(旧暦12/21)≫ 旅人のわが目にも枯れいそぐ蘆 細見綾子 ひしひしと冬浪寄せて枯葦なり 村上しゅら 枯葦や湖賊が夢の丸子船 前川嘉風 枯芦を金色の日がつつむなり 柴田白葉女 日当って枯蘆原のかげもなし 高浜年尾 ※ 枯蘆・…

常楽(24)/小説「新・人間革命」

【常楽24】 創価婦人会館での懇談で、婦人部の幹部は山本伸一に、「可能ならば先生に作詞をしていただければ……」と、要請を伝えた。 伸一は、この意向に添いたかった。 彼は、この日、午後十時半に帰宅してから、作詞に取りかかったのである。 「さあ、婦人…

御書と歩む (2)

彡☆SGI会長が贈る指針☆*……☆★☆……☆★☆*☆……☆☆彡 女子部は全員が幸福に 彡……☆★☆*……☆★☆*……☆★☆*……☆★☆*☆彡……☆☆彡 女人の御身として法華経の御命をつがせ給うは釈迦・多宝・十方の諸仏の御父母の御命をつがせ給うなり此の功徳をもてる人・一閻浮提に有るべしや(日…

白菜/今日の俳句 ≪第2030号≫

≪2016年(平成28年)1月29日(金)≫師走(旧暦12/20)≫ 白菜を割る激浪を前にして 大野林火 白菜を割って眩しき日の匂ひ 鬼頭文子 洗はれて白菜の尻陽に揃ふ 楠本憲吉 白菜の積み残されて家は留守 前田忠男 何のむなしさ白菜白く洗ひ上げ 渡邊千枝子 ※ 白菜 アブ…

常楽(23)/小説「新・人間革命」

【常楽23】 「母の曲」の歌詞が発表されると、婦人部員の間から歓声と拍手が起こり、しばらく鳴りやまなかった。ようやく拍手が収まると、山本伸一は言った。 「婦人部の皆さん方の日夜のご活躍に、心から敬意を表して作らせていただきました」 さらに大きな…

葱/今日の俳句 ≪第2029号≫

≪2016年(平成28年)1月28日(木)≫師走(旧暦12/19)≫ 武蔵野や流れをはさみ葱白菜 臼田亜浪 葱洗ふ女やひとり暮れ残る 尾崎紅葉 燈台の下にて葱の白根剥かる 木村蕪城 夢の世に葱を作りて寂しさよ 永田耕衣 下仁田の土をこぼして葱届く 鈴木真砂女 ※ 葱・葱(き)…

常楽(22)/小説「新・人間革命」

【常楽22】 十月二十一日午後、十月度の本部幹部会が東京・板橋文化会館で行われた。 この日の指導のなかで、山本伸一は、学会歌を制作してきた真情について語り始めた。 「私は、本年、各方面や県、また各部から強い要望があり、歌を作ってまいりました。同…

冬菜/今日の俳句 ≪第2028号≫

≪2016年(平成28年)1月27日(水)≫師走(旧暦12/18冬菜)≫ 冬菜赤きみちのく山よ妻恋ひぬ 角川源義 冬菜より円光となりわが子の朝 松沢昭 山畑の冬菜の色も雨のなか 田沼文雄 冬菜とる天地のぬくみ一身に 大中誉子 冬菜桶戸口におきて共同湯 佐野美智 ※ 冬菜→冬…

常楽(21)/小説「新・人間革命」

【常楽21】 山本伸一は、〝学会の発展も、戦後の広宣流布の大伸展も、軍部政府の弾圧と戦って獄死した初代会長・牧口先生の死身弘法の精神を、戸田先生が、そして、同志が受け継いできたからにほかならない〟と深く思った。 彼は、「源に水あれば流かはかず…

寒/今日の俳句 ≪第2027号≫

≪2016年(平成28年)1月26日(火)≫師走(旧暦12/17)≫ 寒青空そわかそわかと自己体操 丸山佳子 曼荼羅図見上ぐる寒の漢かな 瀧澤伊代次 約束の寒の土筆を煮て下さい 川端茅舎 寒四郎目玉の動く木偶吊られ 後藤綾子 竹が竹打つ音を聴く寒九かな 鈴木太郎 ※ 寒・寒…

常楽(20)/小説「新・人間革命」

【常楽20】 信心に励むのは、「衆生所遊楽」すなわち、人生を楽しみ、悠々たる幸福境涯を築いていくためである。 ともすれば人は、富や名声などを得れば幸せになれると考えてしまう。しかし、心の外に幸せを追い求め、欲望に翻弄されていては、本当の生命の…

人参/今日の俳句 ≪第2026号≫

≪2016年(平成28年)1月25日(月)≫師走(旧暦12/16)≫ 円き川音切る人参の色やすらか 飯田龍太 夜叉の面ふつふつ人参煮てありぬ 寺田京子 夕焼けて画家人参を買ひに出ぬ 富岡計次 胡蘿葡と書いてにんじんてのひらに 星野麦丘人 夜鷹いてこの日人参ばかり買う 岸…

海鼠/今日の俳句 ≪第2025号≫

≪2016年(平成28年)1月24日(日)≫師走(旧暦12/15)≫ 沖の石のひそかに産みし海鼠かな 野村喜舟 海鼠かなものの果てとも祖めとも 岡崎るり子 腸(わた)ぬいてさあらぬさまの海鼠かな 阿波野青畝 青海鼠拗ねてこの世の爲ならず 八田木枯 急げ急げ月の海鼠にならぬ…

常楽(19)/小説「新・人間革命」 【常楽19】

【常楽19】 初代会長・牧口常三郎は、宗門が軍部政府の弾圧を恐れて神札を祭り、日蓮大聖人の御精神に違背するなかで、正法正義を守り抜いて獄死した。この死身弘法、殉教の歴史こそが、創価学会の精神の原点である。 師の牧口と共に投獄され、後に第二代会…

常楽(18)/小説「新・人間革命」

【常楽18】 迫害を受けた熱原の農民信徒、なかでも神四郎、弥五郎、弥六郎の三兄弟の殉教は、幸福を確立するためという信仰の目的とは、対極にあるように思えるかもしれない。 生命は尊厳無比であり、守るべき最高の宝である。では、なぜ日蓮大聖人は、「か…

松葉蟹/今日の俳句 ≪第2024号≫

≪2016年(平成28年)1月23日(土)≫師走(旧暦12/14)≫ 深海の松葉蟹とて甘かりし 星野椿 ずわい蟹肩肘張って届きけり 三宅郷子 こうばく蟹うまし十指をよごしけり 楠久子 越前や茹で蟹の脚咲くごとし 鍋谷ひさの 松葉蟹みぞれの町に灯をともす 津川紫吻 ※ 松葉蟹…

冬鴎/今日の俳句 ≪第2023号≫

≪2016年(平成28年)1月22日(金)≫師走(旧暦12/13)≫ 冬鴎いくたび眼路を溢れ過ぎし 内藤吐天 冬鴎天降(あも)りて潮に身を任す 横山白虹 産卵終へし海猫たつ海の風の向き 久保田月鈴子 川に来て昼をすなどる冬鴎 上田五千石 冬かもめ真昼は大きな忘れもの 塩野…

常楽(17)/小説「新・人間革命」

【常楽17】 熱原の農民信徒の生き方、振る舞いは、信心の究極を物語っている。 信心とは、学識や社会的な地位、財力などによって決まるものではない。 それは、法難という大試練に直面した時、決して怯むことなく、敢然と立ち向かう勇気、決定した心である。…

木兎(みみづく)/今日の俳句 ≪第2022号≫

≪2016年(平成28年)1月21日(木)≫師走(旧暦12/12)≫(大寒)寒さが最も厳しい頃 木兎のほうと追はれて逃げにけり 村上鬼城 みみづくの眠る梢に粉雪舞ふ 飯田竜太 木菟(づく)が呼ぶ城の鬼門に旧火山 福田蓼汀 木菟鳴くや臥床つめたき奥出雲 中村苑子 木菟の夜は雪…

常楽(16)/小説「新・人間革命」 【常楽16】

【常楽16】 「法華経を捨てよ」と迫る平左衛門尉頼綱に対して、熱原の農民信徒は、声も高らかに唱題を響かせた。それは、不惜身命の決意の表明であった。 激昂した頼綱は、次男である十三歳の飯沼判官資宗に、蟇目の矢で農民たちを射させた。この矢は、桐材…

梟/今日の俳句 ≪第2021号≫

≪2016年(平成28年)1月20日(水)≫師走(旧暦12/11) 梟や机の下も風棲める 木下夕爾 梟のはなしして母子の夕餉 中山純子 梟の憤りし貌ぞ観られゐる 加藤楸邨 地の音を聴くふくろふに遠き雷 久保田月鈴子 梟をみにゆき一人帰り来ず 宇多喜代子 ※ 梟・ふくろ。フ…

常楽(15)/小説「新・人間革命」

【常楽15】 熱原の農民信徒は、互いに励まし合い、決して信心が揺らぐことはなかった。 行智の一派は、さらに悪質な弾圧の奸計をめぐらした。 弘安二年(一二七九年)九月二十一日、稲刈りのために農民信徒が集まっていた。そこに、下方政所の役人らが、弓馬…

寒雀/今日の俳句 ≪第2020号≫

≪2016年(平成28年)1月19日(火)≫師走(旧暦12/10) 土見れば土啄みつ寒雀 臼田亜浪 寒雀ふくらむ胸を城の窓 大野紫陽 倒・裂・破・崩・礫の街寒雀 友岡子郷 五引く二それに三足す寒雀 伊藤白潮 わが天使なりやおののく寒雀 西東三鬼 ※ 寒雀・冬雀・凍雀・ふく…

常楽(14)/小説「新・人間革命」

【常楽14】 滝泉寺院主代の行智は、正法に帰依した僧たちに、敵意を露わにして迫った。 ――法華経は信用できぬ法である。すぐに法華経を読誦することをやめて、ひたすら阿弥陀経を読み、念仏を称えるという起請文(誓詞)を書けば、居る所は保障してやろう! …

なまはげ/今日の俳句 ≪第2019号≫

≪2016年(平成28年)1月18日(月)≫師走(旧暦12/9) なまはげにしやつくり止みし童かな 古川芋蔓 生剥げの酔ひ痴れて来し温泉宿かな 杉本怜一 生身剥二人逢ひけり枯木立 石井露月 なまはげに襲はる森の一軒屋 松崎鉄之助 石垣にぶつかる波音生はげ来る 小野一壺 …

常楽(13)/小説「新・人間革命」

【常楽13】 十月十日、ガルブレイス博士との対談を終えた山本伸一は、大阪へ向かった。関西での諸行事に出席し、さらに、静岡へ行き、総本山で営まれる熱原法難七百年記念法要に参列することになっていたのである。 大阪への空路、伸一は、熱原法難について…

成木責/今日の俳句 ≪第2018号≫

≪2016年(平成28年)1月17日(日)≫師走(旧暦12/8) 成木責しつつ故郷は持たざりき 加藤秋邨 越中に父幼くて成木責 沢木欣一 成木責鳶の狂ひとなりにけり 石田勝彦 成木責せめらるる木が雪落す 加藤知世子 打つたびに朝日こぼせり成木責 佐野鬼人 ※ 成木責・木責…

かまくら/今日の俳句 ≪第2017号≫

≪2016年(平成28年)1月16日(土)≫師走(旧暦12/7) かまくらになほ新しき雪加ふ 岸風三楼 かまくらは灯を一斉に落しけり 高木喬一 かまくらを覗く手形を雪に押し 原子公平 燭足してかまくらに子らまだ遊ぶ 橋本美代子 煮炊き暖かにかまくらはワンルーム 清水衣…