浩洋子の四季

古季語を探して、名句・秀句を紹介します。

2017-01-01から1ヶ月間の記事一覧

冬の虫/今日の俳句 ≪第2398号≫

≪2017年(平成29年)1月31日(火)≫(旧暦1/4) 虫絶えて冬高貴なる陽の弱り 飯田蛇笏 火と水のいろ濃くなりて冬の虫 長谷川双魚 冬の虫ところさだめて鳴きにけり 松村蒼石 冬ちちろ磨る墨のまだ濃くならぬ 河合照子 鳴く力たまれば鳴きぬ冬の虫 竹内武城 ※ 冬の虫…

小説「新・人間革命」

大山 二十五 法悟空 内田健一郎 画 (5985) 山本伸一が中国の留学生と友誼の糸を紡いだ前日の四月八日、故・周恩来総理の夫人で、中国の全国人民代表大会(略称・全人代)常務委員会副委員長である鄧穎超が来日した。彼女は衆参両院議長の招待で、全人…

冬萌/今日の俳句 ≪第2397号≫

≪2017年(平成29年)1月30日(月)≫(旧暦1/3) 冬萌に日を追ひさがす米一升 加藤知世子 冬萌に群れて白鶏汚れをり 根岸善雄 冬萌や小鳥の嘴に空気穴 宮坂静生 冬萌や色深くして能登瓦 岸田稚魚 山の木の中のこぶしの冬芽かな 星野麥丘人 ※ 冬萌・冬木の芽・冬芽 …

小説「新・人間革命」

大山 二十四 法悟空 内田健一郎 画 (5984) 山本伸一は、中国の留学生たちに言った。 「皆さんの入学を記念して、一緒に写真を撮りましょう」 彼は、四人の留学生、引率してきた在日中国大使館の関係者と共にカメラに納まった。そして、皆と握手を交わ…

龍の玉/今日の俳句 ≪第2396号≫

≪2017年(平成29年)1月29日(日)≫(旧暦1/2) 北へ濃きいろのみづうみ龍の玉 友岡子郷 龍の玉升さんと呼ぶ虚子のこゑ 飯田龍太 雑俳にたましひありぬ竜の玉 成瀬櫻桃子 ひとり子のひとり遊びや竜の玉 板橋美智代 空の日の曇ればくもる龍の玉 鈴木しげを ※ 竜の玉…

旧正月/今日の俳句 ≪第2395号≫

≪2017年(平成29年)1月28日(土)≫(旧暦1/1)※旧正月 隣りより旧正月の餅くれぬ 石橋秀野 風強き旧正月の堤かな 長谷川素逝 道ばたに旧正月の人立てる 中村草田男 旧正や凧のあがれる藺田の上 岸風三楼 一族の瞳に旧正の凧澄める 前田法比古 ※ 旧正月 旧暦で正月…

小説「新・人間革命」

大山 二十三 法悟空 内田健一郎 画 (5983) 四月九日は、創価大学の第九回入学式であった。快晴の空のもと、正午から始まった式典に出席した創立者・山本伸一は、人生における学問の意味に触れ、“謙虚な学問探究の姿勢を貫いて、悔いなき四年間を”とス…

小説「新・人間革命」

大山 二十二 法悟空 内田健一郎 画 (5982) 山本伸一は、全青連代表団の団長を務めた高占祥より七歳年長であった。伸一は彼を“若き友人”として尊敬し、日本で結ばれた二人の友情は色あせることはなかった。 日中国交正常化二十周年にあたる一九九二年(…

麦の芽/今日の俳句 ≪第2394号≫

≪2017年(平成29年)1月27日(金)≫(旧暦12/30) 麦の芽の丘の起伏も美まし国 高浜虚子 麦の芽に汽車の煙のさはり消ゆ 中村汀女 麦の芽に朝日が投げし棒の影 百合山羽公 麦の芽や地の暦日のいつはらず 長谷川素逝 筑紫野の芽麦縞なす朝の靄 林かつみ ※ 麦の芽・芽…

蕪/今日の俳句≪第2393号≫

≪2017年(平成29年)1月26日(木)≫(旧暦12/29) 坂道を登る途中の蕪蒸 鶴濱節子 どれもどれも寂しう光る小蕪かな 渡辺水巴 月光の降るにまかせて大蕪 中田 剛 ふと訛出て天王寺蕪買ふ 千賀静子 田舟過ぐうねりに洗ふ近江蕪 田中佐知子 ※ 蕪→蕪(かぶ)・かぶらな・…

小説「新・人間革命」

大山 二十一 法悟空 内田健一郎 画 (5981) 山本伸一は、先頭に立って、全青連のメンバーを案内した。 「周桜」から数十メートルほどのところに植えられた、二本の桜の前に土が盛ってあった。木の高さは四メートルほどあり、淡いピンクの花をつけていた…

人参/今日の俳句 ≪第2392号≫

≪2017年(平成29年)1月25日(水)≫(旧暦12/28) 夜鷹いてこの日人参ばかり買う 岸本マチ子 オンドルや比丘てずからの人参茶 矢野 洵 人参を抜き大山を仰ぎけり 庄司圭吾 人参あまく煮て独りにもなれず 坂間晴子 夜叉の面ふつふつ人参煮てありぬ 寺田京子 ※ 人参…

小説「新・人間革命」

大山 二十 法悟空 内田健一郎 画 (5980) 「你好(こんにちは)! ようこそいらっしゃいました!」 山本伸一は両手を広げ、人民服に身を包んだ全青連代表団の高占祥団長の肩を抱き、そしてメンバー一人ひとりと握手を交わした。 「私たちは、中日友好の…

海鼠/今日の俳句 ≪第2391号≫

≪2017年(平成29年)1月24日(火)≫(旧暦12/27) 沖の石のひそかに産みし海鼠かな 野村喜舟 海鼠かなものの果てとも祖めとも 岡崎るり子 腸(わた)ぬいてさあらぬさまの海鼠かな 阿波野青畝 青海鼠拗ねてこの世の爲ならず 八田木枯 急げ急げ月の海鼠にならぬやう …

小説「新・人間革命」

大山 十九 法悟空 内田健一郎 画 (5979) 山本伸一をはじめ、弟子たちの道理を尽くした真摯な説得の結果、宗会議員の多くは考えを改め、戸田城聖を処分するという決議の撤回に同意した。また、法主の水谷日昇は、この宗会決議を採用しなかったのである…

松葉蟹/今日の俳句 ≪第2390号≫

≪2017年(平成29年)1月23日(月)≫(旧暦12/26) 深海の松葉蟹とて甘かりし 星野椿 ずわい蟹肩肘張って届きけり 三宅郷子 こうばく蟹うまし十指をよごしけり 楠久子 越前や茹で蟹の脚咲くごとし 鍋谷ひさの 松葉蟹みぞれの町に灯をともす 津川紫吻 ※ 松葉蟹・ずわ…

小説「新・人間革命」

大山 十八 法悟空 内田健一郎 画 (5978) 山本伸一は、一九五二年(昭和二十七年)四月、日蓮大聖人の宗旨建立七百年慶祝記念大法会の折の出来事を思った。 ――学会の青年たちが、僧籍を剝奪されているはずの笠原慈行を総本山で発見した。 笠原は、戦時…

冬鴎/今日の俳句 ≪第2389号≫

≪2017年(平成29年)1月22日(日)≫(旧暦12/25) 冬鴎いくたび眼路を溢れ過ぎし 内藤吐天 冬鴎天降(あも)りて潮に身を任す 横山白虹 産卵終へし海猫たつ海の風の向き 久保田月鈴子 川に来て昼をすなどる冬鴎 上田五千石 冬かもめ真昼は大きな忘れもの 塩野谷仁 ※ …

寒/今日の俳句 ≪第2388号≫

≪2017年(平成29年)1月21日(土)≫(旧暦12/24) 夕しづの寒の庭掃く音きこゆ 日野草城 寒青空そわかそわかと自己体操 丸山佳子 戸袋の中が明るき寒の内 宮田正和 寒四郎目玉の動く木偶吊られ 後藤綾子 一夜づつ捨て去るごとく寒を生く 上野さち子 ※ 寒・寒の内・…

小説「新・人間革命」

大山 十七 法悟空 内田健一郎 画 (5977) 戸田城聖は、弟子たちに、「第三代会長を守れ! 絶対に一生涯守れ! そうすれば、必ず広宣流布できる」と遺言していた。ここに、常勝の道を開く団結の要諦がある。 山本伸一は、自分を守ってもらいたいなどとい…

大寒/今日の俳句 ≪第2387号≫

≪2017年(平成29年)1月20日(金)≫(旧暦12/23)※大寒 大寒の町家で刻むベルニー二 梨地ことこ 大寒の夕映ゆるとき山河あり 長沼三津夫 大寒の月の明るき刃物店 小林愛子 大寒のエレベーターの軋みかな 藤原若菜 大寒の塊となるピアノかな 原田達夫 ※ 大寒 二十四…

小説「新・人間革命」

大山 十六 法悟空 内田健一郎 画 (5976) 山本伸一は、首脳幹部の一人ひとりに視線を注いだ。皆、眉間に皺を寄せ、口を開こうとはしなかった。長い沈黙が続いた。 伸一が、一人の幹部に意見を求めると、つぶやくように語った。 「時の流れは逆らえませ…

初大師/今日の俳句 ≪第2386号≫

≪2017年(平成29年)1月19日(木)≫(旧暦12/22) 山門の根深畑や初大師 村上鬼城 香煙に降りこむ雪や初大師 五十嵐播水 初大師雪降りたらぬ寒さかな 大場白水郎 かつ日射しかつ風しけり初大師 徳永山冬子 初弘法堀の限りに植木市 奥村木久子 ※ 初大師 一月二十一…

小説「新・人間革命」

大山 十五 法悟空 内田健一郎 画 (5975) 四月四日の夜、宗門と学会の窓口になっていた山脇友政から、青年部長の野村勇に電話が入った。宗門の現況について、どうしても知らせておきたいことがあるというのだ。 野村は、理事長の十条潔と共に山脇と会っ…

福寿草/今日の俳句 ≪第2385号≫

≪2017年(平成29年)1月18日(水)≫(旧暦12/21) 福寿草音符のやうに咲きにけり 杉浦典子 ときに父ときに母顕れ福寿草 苑田ひろまさ 裏山にゑくぼの日ざし福寿草 成田千空 呼び止めて話を繋ぐ福寿草 篠崎荘市 福寿草棚田の霧の晴れにけり 加藤夕陽子 ※ 福寿草・元…

小説「新・人間革命」

大山 十四 法悟空 内田健一郎 画 (5974) 翌四月三日午後、山本伸一は、聖教新聞社の販売店主会に出席した。 学会を大波が襲うなかにあっても、彼の戦いはとどまることはなかった。 伸一は、尊き使命の友が人生の堂々たる勝利者になることを念じて、力…

アンケートに答えて!マイスキン

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朶/今日の俳句 ≪第2384号≫

≪2017年(平成29年)1月17日(火)≫(旧暦12/20)※冬土曜入り ふるさとや石垣歯朶に春の月 芝不器男 青歯朶や後脚で立つ牧羊神(パン)の笛 横山白虹 裏白を剪り山中に音を足す 飴山實 歯朶の葉の塵清らなり足袋の先 尾崎紅葉 海の日や人が歩める歯朶の山 岡井省二…

小説「新・人間革命」

大山 十三 法悟空 内田健一郎 画 (5973) 山本伸一には、以前から考えてきたことがあった。それは、会長の交代であった。 一人の人間が長期間にわたって責任を担っていたのでは、人材は育ちにくい。令法久住のためにも、早く後継の流れをつくっておきた…

楪(ゆづりは)/今日の俳句 ≪第2383号≫

≪2017年(平成29年)1月16日(月)≫(旧暦12/19) 楪や高処の一戸よく見ゆる 児玉輝代 楪の紅に心のある如く 町春草 楪の柄のくれなゐに雪紬ぐ 古賀まり子 楪やまぶしさまさる沖の雲 木村蕪城 楪や受け継ぐ父の鋸鉋 小原きよ ※ 楪(ゆづりは)→弓弦葉・親子草。 ユ…