浩洋子の四季

古季語を探して、名句・秀句を紹介します。

2016-07-01から1ヶ月間の記事一覧

落し文/今日の俳句 ≪第2214号≫

≪2016年(平成28年)7月31日(日)≫(旧暦6/28) 白樺の下の木椅子に落し文 村越化石 落し文二人暮しは静かすぎ 今井ちる世 落し文巻きの悪しきは踏まれけり 吉田未灰 落し文業平塚へつづく径 高野千代 落し文に枕ことばがうかびこぬ 丸山佳子 ※ 落し文→時鳥の落…

金亀子(こがねむし)/今日の俳句 ≪第2213号≫

≪2016年(平成28年)7月30日(土)≫(旧暦6/27) ぶんぶんが怖かりし日を吾子に見つ 林原耒井 ペン皿に来ても金亀子愛されず 加倉井秋を 弱視われ金亀子のごとぶつかりぬ 木村蕪城 純白の砂漠に死にし黄金虫 仙田洋子 こがね虫ぶつかる壁の日本地図 坪内稔典 ※ 金…

〈小説「新・人間革命」〉

清新/三十九 法悟空 内田健一郎 画 (5864) 青森県新春記念指導会は、会長・山本伸一の指導となった。彼は、無量義経を通して、御本尊に具わった生命変革の功徳力について語っておこうと思った。 「無量義経は法華経の開経、序分となる教えであり、『…

天道虫/今日の俳句 ≪第2212号≫

≪2016年(平成28年)7月29日(金)≫(旧暦6/26) 壮年の万年床のてんと虫 金子兜太 大安日てんとう虫に星七つ 藏前幸子 新聞の社説に止まる天道虫 中村洋子 天道虫石庭の波鮮らしき 出井一雨 エナメルのまっ赤な匂い天道虫 寺田良治 ※ 天道虫→瓢虫・てんとむし 珠…

〈小説「新・人間革命」〉

清新/三十八 法悟空 内田健一郎 画 (5863) 役員の青年らの激励を続けた山本伸一は、同行していた副会長の関久男に言った。 「東北には、立派な青年たちが育っているね。春になれば、根雪を破っていっせいに若芽が顔を出し、やがて新緑の季節が来る。…

兜虫/今日の俳句 ≪第2211号≫

≪2016年(平成28年)7月28日(木)≫(旧暦6/25) 兜虫漆黒の夜を率てきたる 木下夕爾 寝て起きて頭の中の兜虫 一條友子 孫を呼ぶ楽しみにとる甲虫 吉田きみ 暗き木を探す川原の兜虫 広瀬直人 少年が「おまへ」と呼べる兜虫 品川鈴子 ※ 兜虫→甲虫・さいかち虫。 コ…

〈小説「新・人間革命」〉

清新/三十七 法悟空 内田健一郎 画 (5862) 山本伸一は、役員の青年たちと記念のカメラに納まり、近況などを尋ねていった。そして、握手を交わすと、力強く訴えた。 「青森の青は“青年の青”だ! 青森の森は“人材の森”だ! どうか青森青年部は、広宣流…

石原親子の暴言が自民党支持者をさらに減らす!小池ゆりこ候補は無党派の熱い風だ!

石原親子の暴言が自民党支持者をさらに減らす!小池ゆりこ候補は無党派の熱い風だ! 【Amebaブログーなでしこりん】よりNEW!2016-07-27 12:53:22 テーマ: ブログ石原親子が小池候補をののしるほど小池票が増えます!wwそれにして、東京自民党の国会議員の…

蛍/今日の俳句 ≪第2210号≫

≪2016年(平成28年)7月27日(水)≫(旧暦6/24) ふりしきる雨となりにけり螢籠 久保田万太郎 螢火の明滅滅の深かりき 細見綾子 ほう螢比呂之の今を知らせてよ 伊藤白潮 宇治川に近き宿とる螢の夜 安田晃子 部屋に螢とばしひとりの祭かな 和田耕三郎 ※ 螢→初螢・…

〈小説「新・人間革命」〉

清新/三十六 法悟空 内田健一郎 画 (5861) 一月十五日、青森市内の積雪は五十センチ近かった。この日は「成人の日」で祝日であった。青森文化会館では、午後一時半から新春記念指導会が開催されることになっていた。 雪がやみ、晴れ間を見せたかと思…

夕顔/今日の俳句 ≪第2209号≫

≪2016年(平成28年)7月26日(火)≫(旧暦6/23) 夕顔や分れてよりの回り道 栗原公子 夕顔やベッド古墳となる韻律 吉田透思朗 ももいろのゆふがほの種植ゑたるや 岡井省二 夕顔をめづる夫妻のかたはらに 瀧 春一 夕顔や死出の装束娘が決めて 大橋敦子 ※ 夕顔・壺…

〈小説「新・人間革命」〉

清新/三十五 法悟空 内田健一郎 画 (5860) 金木夫妻は、自分たちのことよりも、常に同志のことを第一に考える人であった。諸会合の会場として自宅を提供するため、皆が集まりやすいようにと、わざわざ駅の近くに家を構えた。 青森市内で活動し、夜、…

夏大根/今日の俳句 ≪第2208号≫

≪2016年(平成28年)7月25日(月)≫(旧暦6/22) 夏大根かりりと噛んで浅酌す 栗生純夫 轍また深みにはいり夏大根 桂 信子 ふるさとの辛味さばしる夏大根 松本陽平 拈くれた夏大根は日暮れに干す 山口 伸 ひり辛き夏大根とオルゴール 小島千架子 ※ 夏大根 単に大…

〈小説「新・人間革命」〉

清新/三十四 法悟空 内田健一郎 画 (5859) 大野支部の激励会が行われた日の夜、山本伸一は方面・県幹部との懇談で皆に尋ねた。 「大野支部の中沢さん夫妻もそうだが、青森の幹部は、夫婦で支部長・婦人部長などとして活躍しているケースが実に多い。…

玉葱/今日の俳句 ≪第2207号≫

≪2016年(平成28年)7月24日(日)≫(旧暦6/21) 人は皆死に来たりけり酢ツ玉葱 永田耕衣 玉葱をぐっと見つめて相思かな 松山順子 軒先に玉葱を干す麓村 渡邊孝彦 玉葱が妻の小言を聞いてをり 小澤克己 国姓爺合戦ややつ玉葱に芽 吉田香津代 ※玉葱 シベリア・アル…

辣韮(らっきょう)/今日の俳句 ≪第2206号≫

≪2016年(平成28年)7月23日(土)≫(旧暦6/20) 辣韮の花のさざなみ空にたつ 石原八束 カレーライス花辣韮の添へられし 田中麻差美 辣韮の花咲き海の色濃くなりぬ 谷口秋郷 辣韮や千里の砂丘を埋めつくす 磯野充伯 辣韮掘る父祖の地の砂さらさらと 上石みち子 ※ …

〈小説「新・人間革命」〉

清新/三十三 法悟空 内田健一郎 画 (5858) 山本伸一は、青森・秋田合同の代表幹部会に続いて、秋田県の代表との懇談会や弘前大学会のメンバーとの記念撮影に臨み、さらに、青森文化会館のある地元・大野支部の激励会に出席した。これには、周辺地域の…

箒木(ははきぎ)/今日の俳句 ≪第2205号≫

≪2016年(平成28年)7月22日(金)≫(旧暦6/19) 箒木に秋めく霧の一夜かな 西島麦南 帚草狐の嫁入り通りけり 滝沢伊代次 木や産着干しある屋敷畑 阿波谷和子 箒木のふくらみゐたる眼鏡橋 深澤 鱶 帚木のふんはりのまま紅葉せり 原田かずゑ ※ 箒木(ははきぎ)・箒…

〈小説「新・人間革命」〉

清新/三十二 法悟空 内田健一郎 画 (5857) 山本伸一は、この日、「信心」と「実践」の関係について語っていった。 「正しい仏道修行には、『信』と『行』の両方が、正しく備わっていなければなりません。『信』とは、御本尊を信じ抜いていくことです…

蓮の花/今日の俳句 ≪第2204号≫

≪2016年(平成28年)7月21日(木)≫(旧暦6/18) 蓮の花開かんとして茎動く 滝沢伊代次 下唇いつも噛んでて蓮の花 島津 亮 いのちありて蓮の花の香のなかに 大橋敦子 白蓮に掌の萼添ふる唐鐘楼 品川鈴子 見たきもの見えて夜明けの古代蓮 松本陽平 ※ 蓮の花 蓮はハ…

〈小説「新・人間革命」〉

清新/三十一 法悟空 内田健一郎 画 (5856) 青森・秋田合同の代表幹部会は、一月十四日の午後一時半から青森文化会館で開催された。参加者は、降りしきる雪のなか、頬を紅潮させ、喜々として集って来た。 山本伸一は、ここでも自ら司会を務めた。青森…

青唐辛子/今日の俳句 ≪第2203号≫

≪2016年(平成28年)7月20日(水)≫(旧暦6/17) 煮る前の青唐辛子手に久し 日野草城 きじやうゆの葉唐辛子を煮る香かな 草間時彦 つれなさの切なさの青唐辛子 三橋鷹女 葉唐辛子一枚簾下げて夕餉 長谷川かな女 雷遠く青唐辛子あぶりけり 内藤吐天 ※ 唐辛子はナス…

清新/三十〈小説「新・人間革命」〉

清新/三十 法悟空 内田健一郎 画 (5855) 山本伸一は、下北の青年たちと記念のカメラに納まり、皆に語った。 「人生の本当の戦いは、いよいよこれからだよ。さらに十年後、いや二十年後、三十年後にどうなるかが勝負だ。今日、来られなかった皆さんに…

青山椒/今日の俳句 ≪第2202号≫

≪2016年(平成28年)7月19日(火)≫(旧暦6/16)※新聞休刊日 わが採りて誰も採らぬ句青山椒 富安風生 いつの世も雨美しき青山椒 菊地一雄 記紀の山いづれもかすみ青山椒 鷲谷七菜子 妻子ゐて円き食卓青山椒 細川加賀 青山椒雨には少し酒ほしき 星野麦丘人 ※ 山椒…

紫蘇/今日の俳句 ≪第2201号≫

※海の日 ≪2016年(平成28年)7月18日(月)≫(旧暦6/15) 紫蘇しげるなかを女のはかりごと 桂 信子 島へゆく船の畳に紫蘇の束 吉田汀史 もの書けるひと日は指を紫蘇にそめ 橋本多佳子 青紫蘇の闇のつづきを家に在り 久保純夫 紫蘇畑こんにゃく畑昼の雨 児玉輝代 ※…

清新/二十九〈小説「新・人間革命」〉

清新/二十九 法悟空 内田健一郎 画 (5854) 山本伸一は、かつての中等部員らを心から歓迎した。皆、十年後を目標に、誓いを立て、さまざまな苦難に挑みながら、精進を重ねてきたのだ。 「よく来たね! みんな、必ず成長して集い合おうと、御本尊に誓っ…

プール/今日の俳句 ≪第2200号≫

≪2016年(平成28年)7月17日(日)≫(旧暦6/14) プール出しクラス全員したたれり 櫻井幹郎 陽光のプールの底に触れてみる 津田このみ ゴムプール干して五箇山ぐらしかな 和田照海 夜のプール水掻きまでもよく見えて 寺田良治 折鶴をいじめつつ「どう、プールでも…

シャワー/今日の俳句 ≪第2199号≫

≪2016年(平成28年)7月16日(土)≫(旧暦6/13) 息つめてシャワーを浴びる海の虹 中島斌雄 シャワー強し皆を謙虚にしてしまふ 津田清子 シャワー浴ぶ日焼けして戦知らぬ肩 櫛原希伊子 五月晴豚舎のシャワー雫せる 上田貴美子 シャワー浴びさざ波立てり海の家 丸…

清新/二十八〈小説「新・人間革命」〉

清新/二十八 法悟空 内田健一郎 画 (5853) 一月十四日の日曜日は激しい雪であった。山本伸一は青森文化会館にあって、県の幹部や地元メンバーと共に、朝の勤行を行った。 勤行が終わって、しばらく懇談した。参加していた一人の婦人が、「先生!」と…

泳ぎ/今日の俳句 ≪第2198号≫

≪2016年(平成28年)7月15日(金)≫(旧暦6/12) 浮草に河童恐るゝ泳ぎ哉 正岡子規 尻あげて泳ぎ吉野の川に育つ 橋本多佳子 暗闇の目玉濡らさず泳ぐなり 鈴木六林男 存分に泳ぎたる子の足裏あうらかな 平根和子 島の子の立泳ぎして祈りをり 野中亮介 ※ 泳ぎ・水泳…