木犀/今日の俳句 ≪第2257号≫
≪2016年(平成28年)9月12日(月)≫(旧暦8/12)
木犀の香に昇天の鷹ひとつ 飯田龍太
闇へ出づ木犀の香に包まれて 山本孝夫
木犀の香を負うてゐる男かな 小寺正三
山麓の百年の家銀木犀 坪内稔典
※ 木犀・金木犀・銀木犀・桂の花
銀木犀ともいう。中国原産の庭園に植えられるモクセイ科の常緑小高木。幹の高さは三メートル(約一〇尺)以上に達する。密に茂った葉は有柄で対生し、楕円形で先が短くとがり、縁に多数の細かい鋸歯がある。深緑色の葉は革質で堅い。晩秋のころ葉腋に白色の小花を散形状に群がり開く。花には芳香がある。同じ属の金木犀はモクセイによく似た木で、革質の葉は表面が緑色で裏面はいくぶん黄色みをおびている。花は橙黄色で、モクセイよりはるかに芳香が強く、数十間さきからもにおってくる。同じ属のヒイラギ・ヒイラギモクセイも多少よいかおりがある。モクセイ類は、その花から香科を採り、また乾燥したものを烏龍茶の添香料とする。材は質がすぐれており、彫刻その他の細工物に用いられる、漢名でモクセイが銀桂、ギンモクセイを丹桂といい、木犀のにおう秋の季節を≪桂秋≫などという。
【新訂「現代俳句歳時記/石田波郷・志摩芳次郎編」主婦と生活社より抜粋】
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