浩洋子の四季

古季語を探して、名句・秀句を紹介します。

2016-10-01から1ヶ月間の記事一覧

男郎花/今日の俳句 ≪第2289号≫

≪2016年(平成28年)10月14日(金)≫(旧暦9/14) 男郎花仔馬が跳ねてかくれなし 水原秋櫻子 男郎花らんらんと家群つらなれり 角川源義 男郎花風に揺るるは女郎花 宇咲冬男 はやばやと仕舞ふ山小屋男郎花 伊藤霜楓 男郎花将門果てしかくれ岩 斉藤八千代 ※ 男郎花 …

小説「新・人間革命」

源流 三十六 法悟空 内田健一郎 画 (5927) ラージ・ガートを視察した山本伸一は、ガンジーの精神が、この場所とともに永遠であり続けることを願い、案内してくれた管理者に次の一文を認めて贈った。 「国父ここに眠る 民衆ここに詣でる 父子共に永遠に…

女郎花/今日の俳句 ≪第2288号≫

≪2016年(平成28年)10月13日(木)≫(旧暦9/13) とおくからとおくへゆくと女郎花 阿部完市 萩桔梗されど花野の女郎花 細見綾子 女郎花裾野の雨に負けしかな 長谷川かな女 忘れゐしこの花の黄よ女郎花 右城暮石 女郎花男郎花吹く札所かな 澤田とよみ ※ 女郎花 秋…

小説「新・人間革命」

源流 三十五 法悟空 内田健一郎 画 (5926) 人類の歴史が明白に示しているように、不当な侵略や支配、略奪、虐殺、戦争等々の暴力、武力がまかり通る弱肉強食の世界が、現実の世の中であった。 そのなかで、マハトマ・ガンジーが非暴力、不服従を貫くこ…

露草/今日の俳句 ≪第2287号≫

≪2016年(平成28年)10月12日(水)≫(旧暦9/12) 露草も露のちからの花ひらく 飯田龍太 いのちなり露草の瑠璃蓼の紅 石田波郷 露草を愛する人と露の中 坪内稔典 露草や飯吹くまでの門歩き 杉田久女 露草へゆつくり帰るつもりだよ 渡部ひとみ ※ 露草・月草・蛍草 …

小説「新・人間革命」

源流 三十四 法悟空 内田健一郎 画 (5925) バジパイ外相との対談を終えた山本伸一の一行は、ニューデリー郊外の、ヤムナー川近くにあるラージ・ガートへ向かった。 ここは、一九四八年(昭和二十三年)に凶弾に倒れたガンジーの遺体を荼毘に付した場所…

桔梗/今日の俳句 ≪第2286号≫

≪2016年(平成28年)10月11日(火)≫(旧暦9/11)※新聞休刊日 桔梗供へ墓なる父と相対す 三笠宮ゆかり 桔梗やまた雨かへす峠口 飯田蛇笏 旅日記すでに秋なり山桔梗 松本つや女 桔梗活けて女形同士の化粧前 岩井半四郎 白桔梗百日経を写しては 寺井谷子 ※ 桔梗・き…

秋の水/今日の俳句 ≪第2285号≫

≪2016年(平成28年)10月10日(月)≫(旧暦9/10)※体育の日 てのひらに空のひとかけ秋の水 わたなべじゅんこ 魚の眼のするどくなりぬ秋の水 佐藤紅緑 身のまはり更けてきこゆる秋の水 日野草城 船津屋に灯のひとつ入り水の秋 鷲谷七菜子 手浸せば眼澄みゆく秋の水 …

小説「新・人間革命」

源流 三十三 法悟空 内田健一郎 画 (5924) バジパイ外相は雄弁家として知られる。ジェスチャーも大きく、部屋中に響き渡る声で、アショーカの政治を、さらに、民衆と共に戦ったマハトマ・ガンジーの精神を語っていった。 山本伸一は、ガンジーが民衆の…

菌(きのこ)/今日の俳句 ≪第2284号≫

≪2016年(平成28年)10月9日(日)≫(旧暦9/9) 人のこゑ雲と下りくる菌かな 石原舟月 ほくほくと女天下や茸どころ 田中みどり 舞茸をひっぱり出せば籠は空ら 中田みづほ 現し世に薄墨いろの菌生ふ 福田雅子 菌(くさびら)に抜かれし悔ひの味したり 中原道夫 ※ …

葦の穂絮/今日の俳句 ≪第2283号≫

≪2016年(平成28年)10月8日(土)≫(旧暦9/8) 蘆の絮子の柔髪にやヽ寒し 細川加賀 芦の絮水にふれしがとび上がる 粟津松彩子 葦の絮暗がりに汐満ちきたり 松村蒼石 蘆の穂を分けて舟路の始まりし 石川多歌司 かつぎゆく蘆の束より穂絮とぶ 鮫島春潮子 ※ 葦の穂…

蘆の花/今日の俳句 ≪第2282号≫

≪2016年(平成28年)10月7日(金)≫(旧暦9/7) 湖に温泉が噴いてゐる蘆の花 加倉井秋を 芦の花幾たりに逢ひ別れけむ 永田耕衣 人前にひつぱり出さる蘆の花 吉井幸子 芦の花穂風の行手に海荒るる 石原八束 つまづきて泥あたたかし芦の花 山田みづえ ※ 蘆の花・蘆…

小説「新・人間革命」

源流 三十一 法悟空 内田健一郎 画 (5922) ニューデリーは青空に包まれ、街路の菩提樹の緑が陽光に照り映えていた。 二月八日の午前、山本伸一は、インド外務省に、アタル・ビハーリー・バジパイ外相を表敬訪問した。外相は、今回、訪印団の招聘元とな…

狗尾草/今日の俳句 ≪第2281号≫

≪2016年(平成28年)10月6日(木)≫(旧暦9/6) 城址とはゑのころ草の井戸一つ 西本一都 鴨川やゆく水なだめ猫じゃらし 青木泰夫 空き地の子ゑのころ草をまぶしけり 細見綾子 酒ノホカ喉ヲ通ラズねこじゃらし 大島得志 足元に風立ちそめぬねこじやらし 岡田史女 ※…

小説「新・人間革命」

源流 三十 法悟空 内田健一郎 画 (5921) ガンジス川は、インドで「ガンガー」と呼ばれる。ヒマラヤ山脈のガンゴトリ山にある氷河などに源を発し、インド北部を流れ、幾つもの支流に分かれて、ベンガル湾に注いでいる。その全長は二五一〇キロメートル…

刈萱/今日の俳句 ≪第2280号≫

≪2016年(平成28年)10月5日(水)≫(旧暦9/5) 刈萱にいくたびかふれ手折らざる 横山白虹 刈萱の靡くともなく穂に出でぬ 河野柏樹子 刈萱を束ね立て干し五所ヶ原 西村公鳳 刈萱の身丈に余る蛇笏の日 田中鬼骨 刈萱のたへにも白し泊り 吉岡禅寺洞 ※ 刈萱 イネ科の…

小説「新・人間革命」

源流 二十九 法悟空 内田健一郎 画 (5920) 懇談会で山本伸一は、マイクを取って、あいさつした。 「本日は、インドの多くの同志とお会いできて本当に嬉しい。なかには、何日もかかって、遠くから来られた方もいらっしゃる。ようこそおいでくださいまし…

葛/今日の俳句 ≪第2279号≫

≪2016年(平成28年)10月4日(火)≫(旧暦9/4) あなたなる夜雨の葛のあなたかな 芝不器男 葛の先牡蠣殻山へ及びけり 木村里風子 葛の蔓ひたすら垂れて地を探す 沢木欣一 真葛原竹ひっそりと枯れにけり 志摩芳次郎 葛原の風の中にて猫白し 横山白虹 ※ 葛・葛の葉…

小説「新・人間革命」

源流 二十八 法悟空 内田健一郎 画 (5919) 山本伸一の妻の峯子は、各テーブルを回って女性たちに声をかけていたが、席に戻ると伸一に語った。 「インドには、たくさんの人材が誕生していて、未来が楽しみですね」 「そうだね。私は、仏教発祥の地であ…

萩/今日の俳句 ≪第2278号≫

≪2016年(平成28年)10月3日(月)≫(旧暦9/3) 風立つや風にうなずく萩その他 楠本憲吉 萩真白海渡りきて子規拝む 西東三鬼 袖口かどこかさやさや萩の花 細見綾子 砂に書く文字切れぎれに萩の風 山口夏枝 定夫の碑萩紅白のアラベスク 西田もとつぐ ※ 萩・萩の花…

千振の花/今日の俳句 ≪第2277号≫

≪2016年(平成28年)10月2日(日)≫(旧暦9/2) せんぶりの花も紫高嶺晴 木村蕪城 世に遠く花子振のいとちさし 大谷牛甫 振を引くや忙(せわ)しき雲の下 青柳志解樹 千振や小さく束ねて並べ干し 斉藤俳小星 千振の花を摘みたる旅の霧 佐野まもる ※ 千振の花・当薬…

藍の花/今日の俳句 ≪第2276号≫

≪2016年(平成28年)10月1日(土)≫(旧暦9/1) ゆるゆると水恋ふ色に藍の花 長谷川久々子 あゐの花絣を好み絵筆とり 村井四四三女 藍の花長者屋敷の井戸暗し 大頭美代子 見染め咲く阿波藍花に山の翳 河野多希女 阿波の地に流れし歴史藍の花 上崎暮潮 ※ 藍の花 ア…

小説「新・人間革命」

源流 二十六 法悟空 内田健一郎 画 (5917) インドのメンバーとの語らいを通して山本伸一が感じたことは、多くの人が宿命の転換を願って信心を始めたということであった。 インドでは、業(カルマ)という考え方が定着している。 ――すべての生命は、永…