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浩洋子の四季

古季語を探して、名句・秀句を紹介します。

小説「新・人間革命」

 

源流 五十四 法悟空 内田健一郎 画 (5945)

 ガンジスの河畔には、点々と炎が上がり、その周囲に幾人もの人影が見える。故人を荼毘に付しているのだ。
 灰となって“聖なるガンジス”に還る――永遠なる別離の厳粛な儀式である。
 生と死と――永劫に生死流転する無常なる生命。しかし、その深奥に常住不変の大法を覚知した一人の聖者がいた。釈尊である。菩提樹の下、暁の明星がきらめくなか、生命の真理を開悟した彼は、苦悩する民衆の救済に決然と立ち上がった。
 その胸中の泉からほとばしる清冽なる智水は、仏法の源流となってインドの大地を潤していった。釈尊の教えは、月光のごとく心の暗夜を照らして東南アジア各地へと広がり、北は中央アジアからシルクロードを通って、中国、韓・朝鮮半島を経て日本へと達した。
 彼の教えの精髄は法華経として示されるが、末法の五濁の闇に釈尊の仏法が滅せんとする時、日本に日蓮大聖人が出現。法華経に説かれた、宇宙と生命に内在する根本の法こそ、南無妙法蓮華経であることを明らかにされた。そして、その大法を、御本仏の大生命を、末法の一切衆生のために、御本尊として御図顕されたのである。
 「日蓮がたましひ(魂)をすみ(墨)にそめながして・かきて候ぞ信じさせ給へ、仏の御意は法華経なり日蓮が・たましひは南無妙法蓮華経に・すぎたるはなし」(御書一一二四ページ)
 また、「爰に日蓮いかなる不思議にてや候らん竜樹天親等・天台妙楽等だにも顕し給はざる大曼荼羅を・末法二百余年の比はじめて法華弘通のはた(旌)じるしとして顕し奉るなり」(同一二四三ページ)と。
 大聖人は、濁世末法にあって、地涌の菩薩の先駆けとして、ただ一人、妙法流布の戦いを起こされ、世界広宣流布を末弟に託されている。以来七百年、創価学会が出現し、広布の大法戦が始まったのである。
 それは、「日蓮と同意ならば地涌の菩薩たらんか」(同一三六〇ページ)と仰せのように、現代における地涌の菩薩の出現であった。
 小説『新・人間革命』語句の解説
 ◎竜樹など/竜樹は、二世紀から三世紀にかけて、南インドで活躍した大乗仏教の論師。天親は、世親ともいい、四、五世紀頃のインドの学僧で大乗の論師。天台(五三八~五九七年)は、中国天台宗の実質的な開祖。法華経の理の一念三千を明かした。妙楽(七一一~七八二年)は、中国・唐代の天台宗中興の祖。著書に、天台の法華三大部の注釈書等がある。


【「聖教新聞」2016年(平成28年)11月4日より転載】


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