浩洋子の四季

古季語を探して、名句・秀句を紹介します。

白魚/今日の俳句 ≪第2064号≫

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≪2016年(平成28年)3月3日(木)≫(旧暦1/24)


 白魚の小さき顔をもてりけり
         原石鼎

 町空のくらき氷雨や白魚売
        芝不器男

 白魚火や国引せしといふ海に
       阿波野青畝

 昼深く生ける白魚をすすり食ふ
       五所平之助

 白魚のさかなたること略しけり
        中原道夫

 

※ 白魚・しらを・白魚捕・白魚汲む・白魚網・白魚舟・白魚火・白魚汁・白魚飯。
 シラウオ科に属する体長八~九センチの細長い小魚である。小さな腸や卵が透いて見え、腹部には小さな黒色点が二列に並んでいる。「白魚や目までしら魚目は黒魚 鬼貫」という句のように、墨を一滴落としたような黒い目が愛らしい。
 汽水域や内湾にすみ、春になると川や湖にのぼってくる。早い地方では、一月下旬の大潮のときから四つ手網を使って白魚を汲みはじめる。白魚は差し潮にのって河口に入り、引き潮に引かれて海に戻ることを繰り返しながら、上流の産卵場に着く。
 産卵後には死ぬ一年魚である。白魚火を焚いて夜も漁をするのは、潮時を利用するからである。四つ手網のほか、落とし網や立網を張って、簀(す)に受けてとる。躍り食いのほか、酢の物、てんぷら、吸い物、玉とじ、白魚飯と料理法は多い。ハゼ科の素魚と混同しないようにしたい。


【「俳句歳時記(春)/飯田蛇笏編」・平凡社より転載】


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       ※☆*わが友に贈る*☆※


 会合の無事故・成功は

 陰の尽力あればこそ。

 寒い中、多忙な中

 中継行事を支える

 全役員に心から感謝!


       2016年3月3日


       ※☆*寸 鉄*☆※


 どんな悩みも祈りに変えよ―恩師。唱題根本の人は無敵。宿命転換の劇を
      
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 大阪婦人部の日。尽きせぬ知恵と明るさで幸の連帯拡大。常勝の母、万歳!
      
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 誠実で充実した友情こそ最も貴重―作家。動き語った分だけ人生は豊かに
      
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 福島沖の魚、放射性物質基準超「ほぼゼロ」と。風評被害払拭へ後押し強く


聖教新聞:2016年(平成28年)3月3日(木)付】

 

      ※☆*名字の言*※


灰皿に残る冷たい灰をキセルでかき回していると、小さな残り火が見えた。“これだ”――江戸時代、上杉鷹山が、存続の危機にある米沢藩を再建するため、出羽国米沢(山形県)へ向かう道中の場面に描かれる“火種”のエピソードだ(童門冬二著『小説 上杉鷹山学陽書房

心ある人の胸中に少しでも改革への情熱の火種が残っていれば、そこから新しい火を起こし、燃え広がらせることもできる。この鷹山の信念が、藩をよみがえらせた

福島の原発事故の影響で、今も仮設住宅に暮らす年配の夫婦がいる。夫は大震災の前年、脳梗塞で半身不随に。リハビリのかいあって、念願だったトラクターでの畑仕事ができた数日後、震災に遭う。過酷な避難生活で、再び体を動かせなくなった

祈りから再出発しようと、夫妻は、妻が運転する車で、避難した見知らぬ土地を走り回った。4日目、ついに学会の会館を見つけ、涙ながらに題目をあげた。そして今、「いっときはしぼんだように見えても、私たちの希望は消えていません」と夫妻。夫は“もう一度、田畑へ”と歩行訓練に励み、毎月、故郷の自宅に帰っては、トラクターのエンジン点検を欠かさない

人は前に進める。希望さえあれば。そして信心とは「無限の希望」の異名である。(白)


聖教新聞:2016年(平成28年)3月3日(木)付】


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