浩洋子の四季

古季語を探して、名句・秀句を紹介します。

常楽63小説「新・人間革命」〉

 


【常楽63】 法悟空 内田健一郎 画 (5751)

 山本伸一は、家族への婦人部の接し方について、具体的に語っていった。
 「お母さんは、子どもに、『明日、試験でしょ。お題目は唱えたの? やらないから成績がよくならないのよ!』などと、ガミガミ、短絡的、攻撃的に言う傾向がある。これは慈悲とはほど遠い。誰だって反発しますよ」
 どっと笑いが起こった。
 「人間は感情の動物ですから、追及や命令ではなく、思いやりにあふれた、賢い言い方が大事です。たとえば、こう言うんです。
 『あなたが、どう人生を歩んでいくかは自由です。でも、何があるかわからないのが人生よ。その人生を生きるうえで、私には、ただ一つ教えてあげることができる最高の宝がある。それが信心なの。どんなことがあっても、負けない力を引き出していくことができるわ。何かあったら、お題目をあげるのよ。そうすれば、必ず乗り越えられる。これだけは覚えておいてね』――こう語れば、子どもさんも“そうだな”と思うものです。
 ご主人が未入会の場合も、『私は、あなたと共に、永遠に幸せになり、愛し合って生きていきたいんです。だから、信心に励んでいるし、あなたにも勧めるのよ』と言ってみてはどうですか」
 自分が幹部でも、家族が信心していないケースもあろう。しかし、そのことで、学会のなかで、肩身の狭い思いをする必要はないし、確信を失い、元気をなくしてしまうようなことがあってはならない。一人が強盛な信心に立てば、一家、一族を、幸福の方向へと必ず導いていけるのが、偉大な妙法の力用であるからだ。
 家族が未入会であれば、家族みんなの幸せを願い、「一家和楽の信心」をめざして、真剣に題目を唱えていけばよい。挑戦すべき課題があるからこそ、信心に励む張り合いも出てくる。悩みのない人生などないのだ。
 地涌の菩薩とは、苦悩と戦いながら、それに負けずに、広宣流布の使命に生き抜く、不屈なる“歓喜の人”である。

 


【「聖教新聞」2016年(平成28年)3月16日より転載】


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