浩洋子の四季

古季語を探して、名句・秀句を紹介します。

力走/六十七〈小説「新・人間革命」〉

 


力走/六十七  法悟空 内田健一郎 画 (5824)

 


 徳島県の幹部総会では、県の組織が一圏三地域本部としてスタートすることが発表されるなど、明「人材育成の年」への、晴れやかな助走の総会となった。
 山本伸一は、あいさつのなかで、「其れに付いても法華経の行者は信心に退転無く身に詐親無く・一切法華経に其の身を任せて金言の如く修行せば、慥に後生は申すに及ばず今生も息災延命にして勝妙の大果報を得・広宣流布大願をも成就す可きなり」(御書一三五七ページ)の御聖訓を拝して指導した。
 「ここでは、私どもの信心の在り方を示されております。すなわち、断じて退転することなく、偽りのない強盛な信心を貫き、一切を御本尊様にお任せしきって、仏の言葉通りに仏道修行に励んでいきなさい。そうしていくならば、後生はもちろんのこと、今生においても、安穏な長寿の人生を飾り、すばらしい大功徳を受け、広宣流布の大願も成就していくことができるとの仰せなんです。
 つまり、生涯を信心に生き抜こうと心を定める“覚悟”こそが、一切の勝利の原動力であることを知っていただきたい。
 どうか、徳島の皆さんは、清流のように清らかな、たゆむことのない信心を貫き、明年もまた、悠々と師子のごとき一年を送ってください。お元気で!」
 その後も伸一は、県の代表幹部と懇談し、希望あふれる徳島の未来図を語り合った。
 四国指導最終日の十三日もまた、四国研修道場を出発する間際まで、役員らと共に勤行するなど、激励に終始した。
 この日、伸一が学会本部のある東京・信濃町に戻ったのは、午後八時近くであった。幹部からの報告や、多くの決裁書類などが彼を待っていた。間断なく奮闘は続いた。
 トインビー博士は『回想録』に記している。
 「常に仕事をしていること、しかも全力を出して仕事をしていること、これが私の良心が義務として私に課したことであった」(注)
 伸一もまた、同じ信念をもって一瞬一瞬を過ごした。自身の人生と民衆の勝利のために。

 小説『新・人間革命』の引用 文献
 注 A・J・トインビー著『回想録I』山口光朔・増田英夫訳、社会思想社 

【「聖教新聞」2016年(平成28年)6月9日より転載】


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