浩洋子の四季

古季語を探して、名句・秀句を紹介します。

小説「新・人間革命」雌伏

 

雌伏 六 法悟空 内田健一郎 画 (6034)


 八月六日から八日まで、法主・日達の通夜、本葬が営まれ、山本伸一をはじめ、学会の首脳、代表も参列した。
 この夏、世界四十一カ国三地域のSGIメンバー千三百人が来日していた。伸一は、十三日に神奈川文化会館で開かれた国際親善友好の集いや、十五日に行われた東京戸田記念講堂での世界平和祈願勤行会に、SGI会長として出席し、メンバーを激励した。
 彼は、いかなる状況下にあろうが、広宣流布のために奮闘し、世界各地から求道の心を燃やして来日した健気な同志を、励まさずにおくことなど、絶対にできなかった。
 日蓮大聖人は仰せである。
 「法華経の一偈一句をも説かん者をば『当に起ちて遠く迎えて当に仏を敬うが如くすべし』の道理なれば仏の如く互に敬うべし」(御書一三八三ページ)と。しかも大聖人は、この「当起遠迎、当如敬仏」(法華経六七七ページ)の文を「最上第一の相伝」(御書七八一ページ)とされたのである。
 根本とすべきは、大聖人の御指導である。
 伸一の胸中には、いよいよ世界広布の新時代が到来したとの思いが、日々強まっていた。
 国際親善友好の集いで伸一は訴えた。
 「世界から千三百人ものメンバーが、大聖人の仏法を求めて来日したこと自体、仏法史上、画期的な出来事です。皆さんは、世界広宣流布の未聞の道を開いている先駆者であり、歴史の創造者であるとの自覚を忘れないでください。
 それぞれの国へ帰れば、メンバーはまだ少なく、広大な地域に、信心しているのは自分しかいないということも多いにちがいない。しかし、大事なのは一人立つことです。
 日蓮大聖人は、お一人から、広宣流布の波を起こされた。戦後の学会の再建も、戸田城聖先生が、ただ一人立たれたことから始まっています。それが、仏法者の精神であり、学会精神です。
 今こそ、師子となって、一人立とうではありませんか! 私も立ちます!」

 

【「聖教新聞」2017年(平成29年)3月30日より転載】

 

 

 

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