浩洋子の四季

古季語を探して、名句・秀句を紹介します。

清新/九〈小説「新・人間革命」〉

 


清新/九 法悟空 内田健一郎 画 (5834)


 代表幹部会は、ほのぼのとした雰囲気に包まれるなか、山本伸一の指導となった。
 彼は、地理的にも、気候的にも厳しい条件のなかで、堅忍不抜の意志をもって、広宣流布に挺身してきた岩手の同志を、心から賛嘆した。そして、「それぞれの地域にあって御本尊の功徳を受け、人間としての実力を培い、地域に根差した“広布の村長さん”になっていただきたい」と呼びかけた。
 さらに、「月月・日日につよ(強)り給へ」(御書一一九〇ページ)の御文を拝して、着実な広宣流布の前進と信心の向上のために、旺盛な求道心を燃やして、同志と共に仏道修行に励んでいくことの大切さを語った。
 「人間を強くするのは人間の激励であり、触発です。励ましがあってこそ、勇気をもてる。ゆえに組織が必要なんです。
 広宣流布の前進を阻む壁が、どんなに厚かろうとも、異体同心の団結をもって、堅実な信行学の実践を積み重ね、粘り強い前進をお願いしたい。たとえ、一歩でも半歩でもよい。執念をもって、前へ、前へ、前へと進んでいってこそ、道を開くことができるんです。
 広布の道こそ、宿命転換の道です。幸福と勝利の大道です。“何があっても、負けない、挫けない、あきらめない”と心に決めて、題目第一で、私と共に進みましょう!」
 決意のこもった大拍手が鳴り響いた。
 代表幹部会は終わった。しかし、伸一にとっては激闘の開幕であった。彼は、同志への激励の句などを、次々と認めていった。
 そこに、「今、三陸のメンバーが、四時間がかりで到着しました」との報告が入った。車で凍てた雪道を走って北上高地を越えるのに手間取り、代表幹部会には間に合わなかったという。
 「すぐにお会いしよう!」
 「当起遠迎、当如敬仏」(当に起って遠く迎うべきこと、当に仏を敬うが如くすべし=法華経六七七ページ)――法華経の行者を敬うこの姿勢こそ、戦う同志を、求道の人を迎える、創価の永遠の精神である。

 

【「聖教新聞」2016年(平成28年)6月24日より転載】


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