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浩洋子の四季

古季語を探して、名句・秀句を紹介します。

小説「新・人間革命」雌伏

 

雌伏 十一 法悟空 内田健一郎 画 (6039)


 二十一日夜の懇談の折、山本伸一は、軽井沢支部の初代支部長・婦人部長を務めた田森寅夫と妻のタミとも語り合った。
 寅夫は、一流ホテルで修業を積んだパン職人で、心臓病で苦しんでいたタミが信心し、元気になっていく姿を目の当たりにして、一九五五年(昭和三十年)に子どもたちと一緒に入会した。念願であった店舗を購入できたことなどから、信心への確信を強くし、歓喜を胸に弘教に励んでいった。
 しかし、周囲には、学会に偏見をいだき、彼が信心することを快く思わぬ人たちが多くいた。客足も遠のいていった。
 頭を抱え込む田森たちに、学会の先輩は、確信をもって訴え、指導した。
 「日蓮大聖人は、『此の法門を申すには必ず魔出来すべし魔競はずは正法と知るべからず』(御書一〇八七ページ)と断言されている。あなたたちが、敢然と広宣流布に立ち上がったから、障魔が競い起こったんです。御書に仰せの通りではないですか。
 したがって、このまま、果敢に信心を貫いていくならば、幸福境涯を築けることは間違いない。だから決して退いてはいけません」
 当時の学会員は、大なり小なり、こうした事態に直面した。そのなかで同志は、ますます学会活動に闘魂を燃やしていった。そして、御書を拝しては、互いに励まし合ってきたのである。田森は思った。
 「大聖人は『大難来りなば強盛の信心弥弥悦びをなすべし』(同一四四八ページ)と言われている。大変な事態になればなるほど、強盛な信心を奮い起こして、ますます喜び勇んで前進していこう。今が正念場だ!」
 学会活動は御書と共にあり、生活のなかに教学があった。そこに学会の崩れぬ強さがある。思えば、それは、第二代会長の戸田城聖が、『日蓮大聖人御書全集』の刊行を成し遂げたからこそ可能となったのである。さらに、これによって、日蓮仏法の正しい法理が、広く人びとの生き方の規範として確立されるという、未曾有の歴史が開かれたのである。


【「聖教新聞」2017年(平成29年)4月5日より転載】

 

 

 

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