浩洋子の四季

古季語を探して、名句・秀句を紹介します。

2016-07-01から1ヶ月間の記事一覧

清新/二十七〈小説「新・人間革命」〉

清新/二十七 法悟空 内田健一郎 画 (5852) 山本伸一は、青田進らを見て言った。 「ところで、青森に来る列車の中で、雪を見て詩歌を作ろうということになったが、それはどうなっているかね」 皆、ドキッとした。詩を書き始めて、最初の一段落で止まっ…

【都知事選告示】小池百合子氏が第一声(全文)組織、しがらみ越えてまい進

THE PAGE 7月14日(木)17時52分配信 東京都知事選が14日に告示され、元防衛相の小池百合子氏は同日午前、豊島区のJR池袋駅前で第一声をあげ、「参議院と衆議院で24年間働いた国政を離れることになり、1人の人間として、組織やなんらかのしがらみを越えて、こ…

海水浴/今日の俳句 ≪第2197号≫

≪2016年(平成28年)7月14日(木)≫(旧暦6/11) 海水浴この朝潮の紺に染まむ 大谷碧雲居 富士暮るゝ迄夕汐を浴びにけり 大須賀乙字 墓地抜けて潮浴びにゆくゴム草履 森重 昭 存分に泳ぎたる子の足裏あうらかな 平根和子 潮あびの溺れし沖を巨き船 中村汀女 ※ 海…

清新/二十六〈小説「新・人間革命」〉

清新/二十六 法悟空 内田健一郎 画 (5851) 懇談会では、琴の演奏もあった。 山本伸一は、最後に皆と勤行し、青森、秋田両県の広宣流布と繁栄を深く祈念した。 終了後、外に出た。雪はやみ、雲間に丸い月が皓々と輝いていた。 伸一は、そのあとも、東…

白靴/今日の俳句 ≪第2196号≫

≪2016年(平成28年)7月13日(水)≫(旧暦6/10) 九十九里浜に白靴提げて立つ 西東三鬼 白靴や島に歩おろす医療班 赤堀五百里 白靴や汚れやすきは税吏の身 大槻紀奴夫 白靴に四十路まぶしき横断路 曲田泰子 経験の多さうな白靴だこと 櫂未知子 ※ 白靴 夏は、服装…

清新/二十五〈小説「新・人間革命」〉

清新/二十五 法悟空 内田健一郎 画 (5850) 山本伸一が、青森市を訪れたのは七年半ぶりである。青森文化会館は前年十二月に落成したばかりの新会館であった。 ロビーに入ると伸一は、県長の加取伸介に言った。 「すばらしい会館ができたね。さあ、ここ…

夏足袋/今日の俳句 ≪第2195号≫

【写真】公明党、完全勝利。真心のご支援、まことに有難う御座いました。 ≪2016年(平成28年)7月12日(火)≫(旧暦6/9) 戻るより夏足袋をぬぐ疲れかな 日野草城 わがくらし夏足袋に汚点許されず 鈴木真砂女 夏足袋のひとり過ぎける地行燈 桂 信子 崖下の三味や…

清新/二十四〈小説「新・人間革命」〉

清新/二十四 法悟空 内田健一郎 画 (5849) 山本伸一たちの乗った列車は、盛岡を過ぎて、やがて青森県に入り、八戸、三沢を経たあと、長いトンネルに入った。 闇を抜けた時、息をのんだ。一面の雪景色であった。 車窓を粉雪が飛び去っていく。 伸一は…

夏の潮/今日の俳句 ≪第2194号≫

≪2016年(平成28年)7月11日(月)≫(旧暦6/8) 垂直に巌(いわ)水平に夏の潮 後藤比奈夫 夏潮を蒼し蒼しと盥船 桂 信子 凡家族たり夏潮に臍浸けて 清水基吉 夏潮の目路の限りのきらめける 西村和子 青葉潮ひびく月夜となりにけり 三上良朗 ※ 夏の潮・夏潮・青葉潮…

清新/二十三〈小説「新・人間革命」〉

清新/二十三 法悟空 内田健一郎 画 (5848) 山本伸一の広布旅は続いた。 清新な心で、新しい未来を開くために。 一九七九年(昭和五十四年)一月十三日の午前中、彼は水沢文化会館の庭で、亡くなった同志を顕彰する記念植樹を行った。また、会館に来て…

鷭(ばん)/今日の俳句 ≪第2193号≫

≪2016年(平成28年)7月10日(日)≫(旧暦6/7) 喪の帯を解く鷭の声かぞえつつ 渋川京子 立ち去るや沼風に来る鷭のこゑ 及川 貞 鷭鳴いて船堀の船寝飽きたり 林 翔 朝の日に潜り出る鷭黒光り 飯島治蝶 鷭飛びて利根こゝらより大河めく 菅 裸馬 ※ 鷭(ばん) クイナ…

翡翠(かわせみ)/今日の俳句 ≪第2192号≫

≪2016年(平成28年)7月9日(土)≫(旧暦6/6) かはせみがそこらはなれず雨がすみ 林原耒井 翡翠を見たやうな見ぬ様な日よ 中山純子 翡翠や露の青空映りそむ 石田波郷 川蝉の川も女もすでに亡し 佐藤鬼房 またぎ村山翡翠の声ひとしきり 紺野とも子 ※ 翡翠・川蝉…

清新/二十二〈小説「新・人間革命」〉

清新/二十二 法悟空 内田健一郎 画 (5847) 全国各地から復興支援に駆けつけた本部職員のなかに、九州から来た青年職員がいた。被災地の婦人は彼に、力を込めて訴えた。 「あなたは、この惨状を目に焼き付けておいてください。そして、このなかで、私…

浮巣/今日の俳句 ≪第2191号≫

≪2016年(平成28年)7月8日(金)≫(旧暦6/5) 浮巣まで竿のとどかぬ夕水輪 桂 信子 浮巣より昏れて人絶ゆ奈良盆地 杉本雷造 雨降れば雨の白さを鳰浮巣 加古宗也 鳰の浮巣見に来て水を見てゐたる 水木夏子 この雨の百の浮巣を思ふなり 大峯あきら ※ 浮巣・鳰の浮…

清新/二十一〈小説「新・人間革命」〉

清新/二十一 法悟空 内田健一郎 画 (5846) 岩手県陸前高田市で養殖漁業を営んできた村川良彦は、ローンで購入した最新設備の漁船を津波で失った。港も全壊した。失意と落胆のなかで地区部長の彼は、同志の安否確認や集落の復旧作業などに取り組んだ。…

青蛙/今日の青蛙/今日の俳句 ≪第2190号≫

≪2016年(平成28年)7月7日(木)≫(旧暦6/4) 青蛙おのれもペンキぬりたてか 芥川龍之介 青蛙ぱっちり金の瞼かな 川端茅舎 草踏めばあをきがとべり青かへる 篠田悌二郎 朝市の荷から跳び出す青蛙 大畠新草 青蛙いつも早すぎたという顔をする 川島ひとみ ※ 青蛙 …

清新/二十〈小説「新・人間革命」〉

清新/二十 法悟空 内田健一郎 画 (5845) 被害の大きかった岩手県大船渡市にある県立大船渡病院に、一人の臨床研修医がいた。二十七歳の塩田健夫である。この震災の日が、二年間にわたる研修の最終日であった。 彼は、大揺れの直後、高台にある病院の…

沙羅の花/今日の俳句 ≪第2189号≫

≪2016年(平成28年)7月6日(水)≫(旧暦6/3) 沙羅の花捨身の落花惜しみなし 石田波郷 その日まで断酒を誓ふ沙羅の花 小澤克己 沙羅の花午後はひとりの始発駅 稲田豊子 ふりつもるためいきの白沙羅の花 わたなべじゅんこ 沙羅の花暮れ卒寿女のきれいな死 福島美…

清新/十九〈小説「新・人間革命」〉

清新/十九 法悟空 内田健一郎 画 (5844) 三月十六日の「聖教新聞」には、被災地の同志に送った、山本伸一のメッセージが掲載された。そのなかで彼は、被災者への見舞いと救援・支援に奔走する会員への感謝を述べたあと、この大試練をなんとしても勝ち…

青葉木菟/今日の俳句 ≪第2188号≫

≪2016年(平成28年)7月5日(火)≫(旧暦6/2) 人の世の海山澄めと青葉木菟 多田裕計 水甕据ゑ住居せし頃青葉木菟 村越化石 恋の句の一つもなしよ青葉木菟 高島 茂 青葉木菟死ぬときの声誰も噫々 八田木枯 手紙よく書きたるむかし青葉木菟 片山由美子 ※ 青葉木菟…

清新/十八〈小説「新・人間革命」〉

清新/十八 法悟空 内田健一郎 画 (5843) 元藤裕司は、避難所を回るなかで、多くの人たちが亡くなっていることを知った。一週間前には共に活動に歩いた先輩も帰らぬ人となっていた。子どもを失った夫婦、親を失った子ども、夫を亡くした妻、妻を亡くし…

岩燕/今日の俳句 ≪第2187号≫

≪2016年(平成28年)7月4日(月)≫(旧暦6/1) 岩つばめ炎々と鳴き交すなり 飯田龍太 岩燕空が暮るると教へけり 宮津昭彦 岩燕山湖の空をひらきけり 坂田富佐雄 アルプスを指呼のテラスや岩燕 佐久間はるみ 岩燕山はねかへし巣へもどる 滝沢伊代次 ※ 岩燕 深山お…

清新/十七〈小説「新・人間革命」〉

清新/十七 法悟空 内田健一郎 画 (5842) 大地震、大津波が発生した二〇一一年(平成二十三年)当時、元藤裕司は、学会にあって、大槌、釜石、大船渡、陸前高田など被害の激しかった地域の県長であった。 その日、彼は内陸部で仕事をしていた。釜石の…

燕の子/今日の俳句 ≪第2186号≫

≪2016年(平成28年)7月3日(日)≫(旧暦5/29) つばめの子村に異国の嫁が来て 保坂加津夫 高原のこころつつつつつばめの子 中原幸子 御破算でねがひましては燕の子 大和田鏡子 時計台海に向きをりつばめの子 武井美代子 つばめの子飛ぶや奈良井の深庇 高野清風 …

夏燕/今日の俳句 ≪第2185号≫

≪2016年(平成28年)7月2日(土)≫(旧暦5/28) むらさきのこゑを山辺に夏燕 飯田蛇笏 浅い旅寝やまつさかさまに夏燕 廣嶋美惠子 夏つばめ地より昏れゆく北野坂 橋場千舟 夏燕すでに水面の夜明けゐて 岡部名保子 青空を海に浸して夏つばめ 市川英一 ※ 夏燕 燕は…

清新/十六〈小説「新・人間革命」〉

清新/十六 法悟空 内田健一郎 画 (5841) 元藤裕司は、釜石の、そして、三陸の広宣流布を心に描いた。そのために“自分に何ができるか”を考え、身近なことから第一歩を踏み出そうと思った。 “地域の同志のために、「聖教新聞」の配達をやらせてもらおう…

三光鳥/今日の俳句 ≪第2184号≫

≪2016年(平成28年)7月1日(金)≫(旧暦5/27) 三光鳥大瑠璃小瑠璃結願す 黒田杏子 三光鳥ききつとにかく朝寝かな 佐々木敏光 山光鳥帯解き放つ宿院に 小坂順子 山光鳥あそべる樹々の暗さかな 森田 峠 山光鳥檜山杉山淋しくす 瀧澤宏司 ※ 山光鳥 ヒタキ科の夏鳥…

清新/十五〈小説「新・人間革命」〉

清新/十五 法悟空 内田健一郎 画 (5840) 山本伸一は、人生は苦悩との闘争であることを述べていった。 「経文に『三界は安きこと無し 猶火宅の如し』(法華経一九一ページ)とあるように、現実社会は、常に一寸先は闇といえます。非情であり、残酷です…