浩洋子の四季

古季語を探して、名句・秀句を紹介します。

2016-08-01から1ヶ月間の記事一覧

花野/今日の俳句 ≪第2229号≫

≪2016年(平成28年)8月15日(月)≫(旧暦7/13) ※終戦記念日,敗戦記念日,全国戦没者追悼式 1945年8月14日、政府はポツダム宣言を受諾し、翌15日の正午、昭和天皇による玉音放送によって日本が無条件降伏したことが国民に伝えられた。これにより第二次世界大戦…

〈小説「新・人間革命」〉

清新/五十二 法悟空 内田健一郎 画 (5877) 一九七九年(昭和五十四年)当時、世界は東西冷戦の暗雲に覆われていた。そして、その雲の下には、大国の圧力によって封じ込められてはいたが、民族、宗教の対立の火種があった。東西の対立は終わらせねばな…

盂蘭盆会 /今日の俳句 ≪第2228号≫

≪2016年(平成28年)8月14日(日)≫(旧暦7/12) 初盆や厠(かわや)の小さき灯も点す 五十嵐研三 根の国にたてがみあづけ茄子の馬 鈴木蚊都夫 花のなき墓一つあり盂蘭盆会 山荘慶子 わが影の中のもの引く盆の波 中戸川朝人 名を知らぬ親戚混じる盂蘭盆会 仲里奈央 …

燈籠流し /今日の俳句 ≪第2227号≫

≪2016年(平成28年)8月13日(土)≫(旧暦7/11) 流燈会丹後宮津はさんざめき 京極杞陽 流燈の月光をさかのぼりたり 沢木欣一 温みある流燈水へつきはなす 桂 信子 水馴棹もて流灯を突き放す 片山由美子 流灯のつらなり行くも旅路かな きくちつねこ ※ 燈籠流し・…

〈小説「新・人間革命」〉

清新/五十一 法悟空 内田健一郎 画 (5876) 第二代会長・戸田城聖は、青年たちへの指針のなかで、「われらは、宗教の浅深・善悪・邪正をどこまでも研究する。文献により、あるいは実態の調査により、日一日も怠ることはない。(中略)その実態を科学的…

新涼/今日の俳句 ≪第2226号≫

≪2016年(平成28年)8月12日(金)≫(旧暦7/10) 新涼に少しゆがんだ青い月 わたなべじゅんこ 秋涼し橋おのおのに湯宿持ち 河野南畦 新涼の母国に時計合わせけり 有馬朗人 新涼の水浴び終へし籠の鳥 きくちきみえ 涼や追ひつくことはしない径 豊田都峰 ※ 新涼・初…

〈小説「新・人間革命」〉

清新/五十 法悟空 内田健一郎 画 (5875) 日蓮大聖人が「立正安国論」を認められた当時の鎌倉は、大地震が頻発し、飢饉が打ち続き、疫病が蔓延していた。 時代を問わず、人は最悪な事態が続くと、自分のいる環境、社会に絶望し、“もう、何をしてもだめ…

残暑/今日の俳句 ≪第2225号≫

≪2016年(平成28年)8月11日(木)≫(旧暦7/9)※山の日○ 山の日は、2014年(平成26年)に制定され、2016年(平成28年)に施行された日本の国民の祝日の一つである。国民の祝日に関する法律(祝日法、昭和23年7月20日法律第178号)第2条では、「山に親しむ機会を得…

〈小説「新・人間革命」〉

清新/四十九 法悟空 内田健一郎 画 (5874) 日蓮大聖人は、建長五年(一二五三年)四月二十八日、清澄寺で立宗宣言された折の最初の説法から、既に念仏の教えの誤りを指摘されている。当時、念仏信仰は、民衆の易行として諸宗が認めていたことに加え、…

草蜉蝣/今日の俳句 ≪第2224号≫

≪2016年(平成28年)8月10日(水)≫(旧暦7/8) 草かげろふ吹かれ曲がりし翅のまゝ 中村草田男 草蜉蝣人に見られてとまりけり 加倉井秋を 草かげろふのごとく居て良夜かな 飯田龍太 僧行きて草かげろふをたたしめぬ 早野麦丘人 草蜉蝣かなしきものに子守唄 仙田洋…

〈小説「新・人間革命」〉

清新/四十八 法悟空 内田健一郎 画 (5873) 宗教者が、自ら信奉する教えに対して強い確信をいだくのは当然であり、それなくしては、布教もできないし、その教えを精神の揺るがぬ柱としていくこともできない。 大切なことは、その主張に確たる裏付けが…

秋/今日の俳句 ≪第2223号≫

≪2016年(平成28年)8月9日(火)≫(旧暦7/7) この秋はおいらんさうの皆しろし 北原白秋 身の秋やねぎごともなき神詣で 高橋淡路女 槇の空秋押移りゐたりけり 石田波郷 くろがねの秋の風鈴鳴りにけり 飯田蛇笏 目をとぢて秋の夜汽車はすれちがふ 中村汀女 ※ 秋…

〈小説「新・人間革命」〉

清新/四十七 法悟空 内田健一郎 画 (5872) 山本伸一は、ウィルソン教授との会談は極めて有意義であったと感じた。多くの意見に賛同することができた。 特に、教授が、宗教が原理主義、教条主義に陥ってしまうのを憂慮し、警鐘を発していたことに、大…

八月/今日の俳句 ≪第2222号≫

≪2016年(平成28年)8月8日(月)≫(旧暦7/6) 八月に原子爆弾売りにゆく 鈴木六林男 八月の猫だけが知る風の道 津田このみ 八月のこぼれた涙もりあがる 松本恭子 八月のナガサキアゲハ尾行せよ 坪内稔典 八月の広島に来て川の道 岩渕 彰 ※ 陽暦では初旬に立秋(…

〈小説「新・人間革命」〉

清新/四十六 法悟空 内田健一郎 画 (5871) 文豪トルストイが述べた“人間が宗教なしでは生きられない理由”を、弟子のビリューコフは、次の六つにまとめている。(注) 「第一に、宗教のみが善悪の決定を与えるからである」 「第二に、宗教なしでは人間…

初秋/今日の俳句 ≪第2221号≫

≪2016年(平成28年)8月7日(日)≫(旧暦7/5) 冷え冷えと闇のさだまる初秋かな 飯田蛇笏 初秋の蝗つかめば柔かき 芥川龍之介 オホーツクの初秋にして浪静か 鎌田薄氷 鎌倉をぬけて海ある初秋かな 飯田龍太 初秋の純白をもて参籠す 加倉井秋を ※ 初秋 秋の初めの…

原爆忌/今日の俳句 ≪第2220号≫

≪2016年(平成28年)8月6日(土)≫(旧暦7/4) 朝の膳に向ふ八月六日晴れ 原 朋沖 そしてまたアンケート来る原爆忌 櫂未知子 原爆忌の睡り誘ふ夜風欲し 楠本憲吉 原爆忌万の市民の短い影 木村里風子 原爆の日あぁ水餃子さめやすし 池田澄子 ※ 原爆忌・広島忌・長…

〈小説「新・人間革命」〉

清新/四十五 法悟空 内田健一郎 画 (5870) ウィルソン教授は、日本滞在中に、国際宗教社会学会東京会議に出席したのをはじめ、創価学会の各地の文化会館や研修道場等も見学した。また、創価大学や創価学園も視察し、創価大学では、「文化と宗教――社会…

立秋/今日の俳句 ≪第2219号≫

≪2016年(平成28年)8月5日(金)≫(旧暦7/3) 冷熱のたゞならぬ身に秋立てり 富田木歩 川半ばまで立秋の山の影 桂 信子 立秋の鳥居をくぐりトンネル抜け 丸山佳子 家猫に秋立つ障子つくろはず 石橋秀野 立秋の輪になり列になり天馬 中原幸子 ※ 立秋・秋立つ・秋…

〈小説「新・人間革命」〉

清新/四十四 法悟空 内田健一郎 画 (5869) 一月二十日夕刻、山本伸一は、来日中のオックスフォード大学のウィルソン社会学教授と、東京・渋谷の国際友好会館(後の東京国際友好会館)で会談した。 教授とは、前年十二月二十五日の聖教新聞社での語ら…

ががんぼ/今日の俳句 ≪第2218号≫

≪2016年(平成28年)8月4日(木)≫(旧暦7/2) ががんぼの一肢が栞(しおり)卒業す 齋藤愼爾 マシュマロの食感ががんぼの歩行感 時田幻椏 ががんぼのいつもどこかにぶつかれる 後藤兼志 ががんぼも人も死ぬとき仰向けに 伊藤政美 あめつちを震わせているががん…

〈小説「新・人間革命」〉

清新/四十三 法悟空 内田健一郎 画 (5868) 一月十九日には、神奈川県の川崎文化会館で、清新の気みなぎる一月度本部幹部会が、晴れやかに行われた。 席上、「七つの鐘」総仕上げの年の意義を込めて、本部長をはじめ、合唱団、音楽隊などの代表に表彰…

暑気払ひ/今日の俳句 ≪第2217号≫

≪2016年(平成28年)8月3日(水)≫(旧暦7/1) 金ブラシ鍋光らせて光らせて暑気払う 岩田ひろあき 耳たぶに口づけをして暑気払い 皆吉 司 暑気払ひ自づと決まる役どころ 伊藤白潮 暑気払ひサックス奏者の丸き爪 斉藤裕子 白金や歩き飲みして暑気払ふ 布川孝子 ※ …

〈小説「新・人間革命」〉

清新/四十二 法悟空 内田健一郎 画 (5867) 青森文化会館を後にした山本伸一が、三沢会館を初訪問して、空路、東京に戻ったのは午後三時半過ぎであった。 彼には、二月初めから十八日間にわたる香港・インド訪問が控えていた。その準備とともに、新年…

寝冷え/今日の俳句 ≪第2216号≫

≪2016年(平成28年)8月2日(火)≫(旧暦6/30) 寝冷えして箒のごとく立ちゐたり 平井照敏 寝冷子のまはりが昏しやはらかし 長谷川双魚 百合の香を枕上にて寝冷えけり 林原耒井 空が遠くてこどものやうに寝冷えせり 栗林千津 鼻暗く寝落ちてゐたり寝冷子は 岸田…

〈小説「新・人間革命」〉

清新/四十一 法悟空 内田健一郎 画 (5866) 山本伸一は、青森県新春記念指導会で、こう話を締めくくった。 「今はまだ、青森の冬は厳しい。しかし、凍てる雪の下で、既に若芽は萌え出る準備をしているんです。御金言のごとく、冬は必ず春となります。…

昼寝/今日の俳句 ≪第2215号≫

≪2016年(平成28年)8月1日(月)≫(旧暦6/29) 昼寝妻さめて厨へ辿るなり 皆吉爽雨 鍵かけて留守をよそほふ昼寝かな 八染藍子 全身を放り出したり昼寝の子 津田このみ 横文字の如き午睡のお姉さん 宇多喜代子 日がさして昼寝の妻の土踏まず 坪内稔典 ※ 昼寝・午…

〈小説「新・人間革命」〉

清新/四十 法悟空 内田健一郎 画 (5865) 生命の内奥から込み上げてくる人間の感情や欲望は、道徳や規律、また制裁の強化など、制度の改革をもってしても、根本的に抑制することはできない。一切の根源をなす生命そのものの変革、心の変革こそが、個人…