浩洋子の四季

古季語を探して、名句・秀句を紹介します。

2016-11-01から1ヶ月間の記事一覧

神無月/今日の俳句 ≪第2316号≫

≪2016年(平成28年)11月10日(木)≫(旧暦10/11) 神無月夕日をうけて山座る 松崎鉄之介 山々の雪のさだまる神無月 深谷雄大 神在のはうばうにうつくしき夜道 飯島晴子 いま置きし物につまづく神無月 丸山佳子 何んやかや云うてるうちに神無月 平井奇散人 ※ 神無…

小説「新・人間革命」

源流 五十九 法悟空 内田健一郎 画 (5950) インド滞在も八日目を迎えた。パトナからカルカッタ(後のコルカタ)へ移る十三日の午前中、山本伸一のホテルにビハール州パトナ区のG・S・グレワル長官が訪ねてきた。ターバンとヒゲがよく似合う長官は、…

初冬/今日の俳句 ≪第2315号≫

≪2016年(平成28年)11月9日(水)≫(旧暦10/10) 初冬の大塵取に塵少し 阿部みどり女 初冬のこころに保つ色や何 原コウ子 初冬の道伸びゆけば善光寺 廣瀬直人 初冬や丹波の豆に水を張り 米島艸一路 夫隠岐にあり我に初冬のキーカード 金子皆子 ※ 初冬・冬はじめ …

小説「新・人間革命」

源流 五十八 法悟空 内田健一郎 画 (5949) 休憩所の主に請われて、山本伸一たちは、好意に甘え、自宅に伺うことにした。 家は石造りであった。主は、庭を案内し、井戸の使い方も丹念に説明してくれた。 中庭で懇談が始まった。一行が最初に紹介された…

冬/今日の俳句 ≪第2314号≫

≪2016年(平成28年)11月8日(火)≫(旧暦10/9) み仏に美しきかな冬の塵 細見綾子 冬すでに路標にまがふ墓一基 中村草田男 山河はや冬かがやきて位に即けり 飯田龍太 新田郡冬の野菜は萌黄色 角川照子 冬の音聴きとむるかに女人仏 永方裕子 ※ 冬・冬帝・玄帝・玄冬…

小説「新・人間革命」

源流 五十七 法悟空 内田健一郎 画 (5948) ナーランダー遺跡の案内者が説明した。 「僧院では、入学一年目の学僧は、個室をもち、寝具、机が与えられます。しかし、研学が進むにつれて共同での使用となり、卒業時には、真理にのみ生きる人間として巣立…

松茸/今日の俳句 ≪第2313号≫

≪2016年(平成28年)11月7日(月)≫(旧暦10/8) 松茸や木曽に木曽馬木挽唄 鈴木石夫 落穂拾ふいつしかひとりだけの道 加倉井秋を 土間にまで松茸飯の匂ひかな 滝沢伊代次 紙のごとき松茸碗に旅なかば 中山純子 一つ買ふ持仏がほどの松茸を きくちつねこ ※ 松茸 赤…

小説「新・人間革命」

源流 五十六 法悟空 内田健一郎 画 (5947) 山本伸一は、ガンジスのほとりに立って空を仰いだ。既に夜の帳につつまれ、月天子は皓々と輝きを増していた。 一陣の風が、川面に吹き渡った。 伸一の眼に、東洋広布を願い続けた恩師・戸田城聖の顔が浮かび…

雁(がん)/今日の俳句 ≪第2312号≫

≪2016年(平成28年)11月6日(日)≫(旧暦10/7) 雁鳴くと聞こえは夢妻病めり 石原八束 古九谷の深むらさきも雁の頃 細見綾子 みな大き袋を負へり雁渡る 西東三鬼 雁渡る薬が匂ふ小抽斗 能村研三 門松の立ちそめし町や雁渡る 渡辺水巴 ※ 雁(がん)・かりがね・真雁…

落穂 /今日の俳句 ≪第2311号≫

≪2016年(平成28年)11月5日(土)≫(旧暦10/6) 落穂拾ふいつしかひとりだけの道 加倉井秋を 沈む日のたまゆら青し落穂狩 芝不器男 伸びて来し落穂拾ひの影法師 軽部烏頭子 月出でてぬくき落穂の一にぎり 新田祐久 千枚田の落穂拾ひを見たかりし 細見綾子 ※ 落穂…

小説「新・人間革命」

源流 五十五 法悟空 内田健一郎 画 (5946) 日蓮大聖人は、「観心本尊抄」において、地涌の菩薩は、「末法の初に出で給わざる可きか」(御書二五四ページ)と明言され、その出現の具体的な様相について、「当に知るべし此の四菩薩折伏を現ずる時は賢王…

鶲(ひたき)/今日の俳句 ≪第2310号≫

≪2016年(平成28年)11月4日(金)≫(旧暦10/5) 鶲見る頬杖の刻うつりつつ 富安風生 鶲来る富士北麓に夕日充ち 飯田龍太 尉鶲ほのかな老いを置いてゆく 山田みづえ 鶲来て色作りたる枯木かな 原石鼎 山小屋の朝の塵場に瑠璃鶲 杉本伶一 ※ 鶲(ひたき) ヒタキと呼ば…

小説「新・人間革命」

源流 五十四 法悟空 内田健一郎 画 (5945) ガンジスの河畔には、点々と炎が上がり、その周囲に幾人もの人影が見える。故人を荼毘に付しているのだ。 灰となって“聖なるガンジス”に還る――永遠なる別離の厳粛な儀式である。 生と死と――永劫に生死流転す…

文化の日/今日の俳句 ≪第2309号≫

文化の日/今日の俳句 ≪第2309号≫ ≪2016年(平成28年)11月3日(木)≫(旧暦10/4)※文化の日 文化の日朽葉の上に雉子の羽根 中山純子 上京区ぽかんぶらりの文化の日 朝日彩湖 関わりの世事も減りたり文化の日 保坂加津夫 林檎磨き路傍かゞやく文化の日 殿村莵絲子 …

小説「新・人間革命」

源流 五十三 法悟空 内田健一郎 画 (5944) ナラヤンは、すべての階層の人びとの向上をめざして運動を展開し、社会、経済、政治、文化、思想等の総体革命(トータル・レボリューション)を主張してきた。山本伸一も、総体革命を提唱・推進してきた者と…

読書週間/今日の俳句 ≪第2308号≫

≪2016年(平成28年)11月2日(水)≫(旧暦10/3) 窓に夜が来てをり読書週間果つ 村沢夏風 買はでもの新書や読書週間期 佐々木みち江 灯ともして読書週間吾子二人 小川千賀 点字訳者読書週間の灯に映ゆも 八木林之助 ※ 読書週間 読書の普及のための行事週間。1924年…

小説「新・人間革命」

源流 五十二 法悟空 内田健一郎 画 (5943) ナラヤンは、静かな口調で山本伸一に語り始めた。 「獄中では独房に入れられ、拷問に近い責めを受けたこともあります。家族とも会えず、手紙のやりとりも許されない。手紙は外の世界とのコミュニケーションの…

露寒/今日の俳句 ≪第2307号≫

≪2016年(平成28年)11月1日(火)≫(旧暦10/2) 露寒し縷々とラジオの「尋ねびと」 伊丹三樹彦 露寒や己がこゝろを句に詠めば 鈴木真砂女 露寒の野仏のみなをさな顔 星野麥丘人 露寒し遠き思ひ出あざやかに 日野草城 露寒の合壁の身をつつしめや 伊藤白潮 ※ 露寒 …

小説「新・人間革命」

源流 五十一 法悟空 内田健一郎 画 (5942) 山本伸一は、「人類の平和のために、ナラヤン先生の思想をお聞きし、世界に紹介したいと思ってやってまいりました」と会見の趣旨を伝えた。 「私の思想など、決してそのような大それたものではありません。私…