浩洋子の四季

古季語を探して、名句・秀句を紹介します。

2016-05-01から1ヶ月間の記事一覧

鱚(きす)/今日の俳句 ≪第2136号≫

≪2016年(平成28年)5月14日(土)≫(旧暦4/8) 鱚の海紺が紫紺にかはりけり 大橋櫻坡子 手に軽く握りて鱚といふ魚 波多野爽波 荒海の鱚直線に焼かれたり 小檜山繁子 大鱚が釣れてるリール軽く巻く 中島夏生 照り返しキラキラ光る鱚が釣れ 稲葉正男 ※ 鱚(きす)・…

力走/四十三〈小説「新・人間革命」〉

【力走/四十三】 法悟空 内田健一郎 画 (5800) 高知研修道場では、地元の幹部らが山本伸一たちの到着を待っていた。 “こんな遠くまで、本当に山本先生が来てくださるのだろうか……” 彼らは、伸一が中村駅から車に乗り、研修道場へ向かったという連絡を…

麦の秋/今日の俳句 ≪第2135号≫

≪2016年(平成28年)5月13日(金)≫(旧暦4/7) 麦秋の星白雲にひそみけり 西村公鳳 すぐそことずつと遠くが麦の秋 加倉井秋を ラスコーリニコフが戻る麦の秋 坪内稔典 上空が渦巻いており麦の秋 五島高資 家々を時報とびだす麦の秋 片山由美子 ※ 麦の秋・麦秋・…

力走/四十二〈小説「新・人間革命」〉

【力走/四十二】 法悟空 内田健一郎 画 (5799) 山本伸一は、午後三時過ぎ、高知駅から急行列車に乗り、土佐清水市の高知研修道場へと向かった。 車窓には、小高い山々が連なっていた。暦のうえでは、既に冬だというのに、美しい深緑の山並みが輝き、…

黒鯛/今日の俳句 ≪第2134号≫

≪2016年(平成28年)5月12日(木)≫(旧暦4/6) 黒鯛(かいず)釣る薄暑の波濤日を揺りぬ 西島麦南 黒鯛(ちぬ)くるか角建網の尖(さき)揺れは 加藤楸邨 黒鯛旨しと言ひてかそかに点滴中 赤尾兜子 黒鯛(ちぬ)釣に虹たつ濤のしづまりぬ 西島麦南 黒鯛釣るや与謝…

力走/四十一〈小説「新・人間革命」〉

【力走/四十一】 法悟空 内田健一郎 画 (5798) 勤行会で、功徳を受けていくことの大切さを語った山本伸一は、最後に呼びかけた。 「“水の信心”と“団結の高知”、さらに“功徳の高知”として、見事な楽土を築き上げていかれますよう心よりお祈り申し上げ…

鰹/今日の俳句 ≪第2133号≫

≪2016年(平成28年)5月11日(水)≫(旧暦4/5) 鰹船かへり大島に雲垂れたり 水原秋櫻子 鰹切る俎いつも水流れ 今瀬剛一 鰹船飯くふ裸身車座に 瀧 春一 鰹揚(あ)ぐ手送りに月滴れり 平松弥栄子 散らばるは十中八九船 宇多喜代子 ※ 鰹→松魚・鰹魚・鰹釣・鰹船・鰹…

山女(やまめ)/今日の俳句 ≪第2132号≫

≪2016年(平成28年)5月10日(火)≫(旧暦4/4) 大串に山女の滴なほたるる 飯田蛇笏 山女釣晩涼の火を焚きゐたり 水原秋桜子 木漏日の日の斑に跳ぬる山女魚かな 江頭文子 激つ瀬にうつぶし獲たる山女魚かな 木村蕪城 段々の山女魚の槽の良夜かな 山尾玉藻 ※ やま…

力走/三十九〈小説「新・人間革命」〉

【力走/三十九】 法悟空 内田健一郎 画 (5796) 樫木幸子は、自宅を会場として提供した。彼女の家がある高知県西部の窪川町(後の四万十町の一部)は、高知と、土佐清水、宿毛のほぼ中間に位置し、比較的、皆が集いやすい場所であった。といっても、土…

初鰹/今日の俳句 ≪第2131号≫

≪2016年(平成28年)5月9日(月)≫(旧暦4/3) みどり葉を敷いて楚々たり初鰹 三橋鷹女 初鰹夜の巷に置く身かな 石田波郷 たつぷりと泣き初鰹食ひにゆく 宇多喜代子 初鰹糶の氷片とばしけり 皆川盤水 断つほどの酒にはあらず初鰹 鷹羽狩行 ※ 初鰹→初松魚。 黒潮…

力走 三十八〈小説「新・人間革命」〉

【力走 三十八】 法悟空 内田健一郎 画 (5795) 山本伸一は、さらに、法華経の「普賢菩薩勧発品」の、「普賢よ。若し後の世に於いて是の経典を受持・読誦せば、是の人は復衣服・臥具・飲食・資生の物に貪著せじ。願う所は虚しからじ。亦現世に於いて、…

守宮(やもり)/今日の俳句 ≪第2130号≫

≪2016年(平成28年)5月8日(日)≫(旧暦4/2) よべとりしと同じ守宮や戸袋に 青木月斗 膝に蒲団はさみて寝るや守宮鳴く 沢木欣一 昼守宮鳴く経蔵に探しもの 能仁鹿村 あおざいの女に守宮鳴きにけり 有馬朗人 定位置に夫と茶筒と守宮かな 池田澄子 ※ 守宮・壁虎(…

河鹿/今日の俳句 ≪第2129号≫

≪2016年(平成28年)5月7日(土)≫(旧暦4/1) 鳴きやんでまなこ寂しき河鹿かな 日野草城 昼ながら過ぎに月ある河鹿かな 芝不器男 浸し居る蹠河鹿の鳴きにけり 富田うしほ 遅き月蕗にさしゐる河鹿かな 加藤楸邨 河鹿鳴く夕宇治橋に水匂ふ 皆吉爽雨 ※ 河鹿→河鹿蛙…

力走 三十七〈小説「新・人間革命」〉

【力走 三十七】 法悟空 内田健一郎 画 (5794) 高知支部結成二十二周年記念幹部会は、午後一時半過ぎから始まった。 山本伸一は、高知県創価学会の興隆と同志の幸福を祈念して厳粛に勤行したあと、皆で万歳を三唱しようと提案した。宗門の僧らによる卑…

鯵/今日の俳句 ≪第2128号≫

≪2016年(平成28年)5月6日(金)≫(旧暦3/30) 【写真】損壊した鶏舎の前で、被害状況を聞く吉田宣弘衆院議員(公明党)(左から2人目)ら=4日 熊本・菊池市 彡☆☆*……【養鶏農家の救済 早期に】……☆☆彡 公明新聞:2016年5月5日(木)付 熊本・菊池市で吉田氏 営農…

こどもの日/今日の俳句 ≪第2127号≫

≪2016年(平成28年)5月5日(木)≫(旧暦3/29) 子供の日鉄をかつげば肩が支点 中島斌雄 子供の日すべり台よくすべりけり 成瀬櫻桃子 樹のそばにゐて樹になりぬ子供の日 中尾寿美子 蜑の子の今日も籠編みこどもの日 武内南歩 東京のきれいなことば子供の日 西本…

力走 三十六〈小説「新・人間革命」〉

【力走 三十六】 法悟空 内田健一郎 画 (5793) 懇談会で山本伸一は、参加者の近況に耳を傾け、ピアノを弾いて励まし、記念のカメラに納まった。 その夜、彼は、高知の県幹部らに語った。 「私は全力で働きます。一人でも多くの高知の同志にお会いする…

菜飯/今日の俳句 ≪第2126号≫n雨氏

≪2016年(平成28年)5月4日(水)≫(旧暦3/28)※みどりの日 弘法の湯を浴び泊つる花菜飯 中山純子 庭の隅もう早生を蒔く菜めし好き 日下部逸蝶 菜飯より始まる伏字多き旅 櫂未知子 菜飯食ぶ木目美し木曽の椀 落合絹代 菜飯炊く蝋燭からの火をとって 吉田さかえ ※…

力走 三十五〈小説「新・人間革命」〉

【力走 三十五】 法悟空 内田 健一郎 画 (5792) 一九七七年(昭和五十二年)七月、高知の同志の念願であった高知文化会館(後の高知平和会館)が高知市内に完成した。さらに、同年十二月には、高知研修 道場(後の土佐清水会館)が土佐清水市にオープ…

鮒膾/今日の俳句 ≪第2125号≫

≪2016年(平成28年)5月3日(火)≫(旧暦3/27) 鮒膾瀬多の橋裏にさす日かな 飯田蛇笏 舟中に冷たき酒や鮒膾 坂本四方太 八荒や腹子まみれの鮒膾 山口草堂 船人の近江言葉よ鮒膾 高浜虚子 もてなしの膳には旬の鮒膾 深尾素心 ※ 鮒膾 近江の琵琶湖は淡水魚の産額…

力走 三十四〈小説「新・人間革命」〉

【力走 三十四】 法悟空 内田 健一郎 画 (5791) 島寺義憲の高知県長就任と同時に、県婦人部長にも、三十代の斉木藤子が就いた。若い中心者二人が、高知広布の車軸となって前進していくことになったのである。 島寺は、地道に県内を回った。 村八分のな…

卯月波/今日の俳句 ≪第2124号≫

≪2016年(平成28年)5月2日(月)≫(旧暦3/26) あをあをと伊豆の山浮く卯浪かな 上ノ畑楠窓 卯月波八丈島のくさや干 池田静枝 卯月波金鉱跡の暮れ残る 柴村郁子 あるときは白虎のさまに卯月浪 鷹羽狩行 白妙の卯波つづきに母在す きくちつねこ ※ 卯月浪(波)・卯…

力走 三十三〈小説「新・人間革命」〉

【力走 三十三】 法悟空 内田健一郎 画 (5790) 高知は近代日本へ歴史回天の大波を起こした人材の天地である。 また、広宣流布の歴史にあっても、高知には、根深い旧習のなか、来る日も来る日も、折伏・弘教に歩き、茨の道を切り開いてきた、“魁光る”民…

五月/今日の俳句 ≪第2123号≫

≪2016年(平成28年)5月1日(日)(旧暦3/25)≫ 子の髪の風に流るる五月来ぬ 大野林火 牛飼のわが友五月来りけり 橋本多佳子 五月の夜未来ある身の髪匂う 鈴木六林男 肉桂の葉噛みて五月の母の唄 磯貝碧蹄館 わがつけし傷に樹脂噴く五月来ぬ 木下夕爾 ※ 五月・五…

〈御書と歩む――SGI会長が贈る指針 12〉

☆*……☆★☆……☆★☆*☆……☆☆彡☆★☆*……☆★☆*……☆☆彡 全世界の同志が祈っている! ≪御 文≫☆★☆*……☆★☆*……☆★☆*……☆★☆*☆彡……☆☆彡 何なる世の乱れにも各各をば法華経・十羅刹・助け給へと湿れる木より火を出し乾ける土より水を儲けんが如く強盛に申すなり (呵責謗法滅罪抄、1…